【感想】産業遺産JAPAN

前畑洋平 / 創元社
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • bukurose

    bukurose

    これは見ごたえあり。一施設につき4~8ページを割き、たくさんの写真で遺構を縦横に紹介。施設の内部の写真も多くあって臨場感があり、過去の栄光の時が静かに存在している。

    著者の前畑洋平氏は最初「廃墟マニア」だったが、廃墟を訪ねるうちそれらがただの「廃墟」ではなく、訪れる物を過去に旅させ、先人からのバトンを受け渡してくれる貴重な「遺産」だときずく。2009~2016年にかけ奥さんと一緒に取材したものとある。

    表紙上段は「佐渡鉱山」の「北沢浮遊選鉱場」
    その下は「軍艦島」

    JAPANの文字の下は「奔別炭鉱」(北海道三笠市)の立杭櫓。札幌から北東へ50km。かつては「住友三山」の一つとされ、1900年(明治33)に奈良炭鉱として開鉱。1928年(昭和3)に経営が住友に移り、1971年(昭和46)に閉山。

    その右の人形は「生野鉱山」(兵庫県朝来市) 807年(大同2)には銀が産出したとされる。朝来市は天空の城・竹田城がある市。室町時代から本格的に採掘が始まったとされ、織田信長、豊臣秀吉の直轄を経て、1600年(慶長2)からは徳川幕府の天領。1868年(明治元)からは日本初の官営鉱山となる。一時は佐渡鉱山と共に宮内省所管の皇室財産となり、1896年(明治29)、三菱合資会社に払い下げ。1973年(昭和48)に閉山。

    人形の下は「奈良少年刑務所」(奈良市) 1908年(明治41)竣工。明治の五大監獄の一つの奈良監獄が今は奈良少年刑務所となり現役。写真は1階中央監視所。その円形ホールから放射状に5本の房舎が伸びそれを見渡せる。

    「万博遺産」として1970年の大阪万博跡が紹介されている。今は緑の「万博記念公園」となる。太陽の塔も芝生に生えてる。当時子供ながらに行った者としては、あの暑さと熱気と人が、これかー と感慨深い。

    2016.11.20第1版第1刷 図書館
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    投稿日:2021.05.20

  • 青竹

    青竹

    日本の近代化を支えた事がよく分かりました。成り立ちから役目を終えた時までの説明が細かくされていて、情報量としては多いです。古写真も併せて見られるので、当時の様子も伝わり廃墟や観光地になっていてもリアルさがわかります。

    「生きた軍艦島」と呼ばれる2001年(結構最近)の閉山後も炭鉱アパートの一部が一般の住宅として使われている池島炭鉱は初めて知りました。
    また、豊後森機関庫はリアル機関車トーマス(ティドマス機関庫)に見えました。戦争の歴史も併せて伝えているとのことで、無事保存されてよかったです。
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    投稿日:2021.05.12

  • kiyop92

    kiyop92

    充実してるけど、一点残念なのは活字が小さい。せっかく写真を眺めてるのに、付帯情報を目を凝らして見ないといけないとなると、写真の世界に引き込まれつつあっただけに興醒めである。

    投稿日:2017.01.30

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