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五十嵐貴久 / 双葉文庫 (24件のレビュー)
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tikuo
子供がアクシデントで高校入試浪人をとなってしまった井口家。妻の美恵子は、息の詰まりそうな人生を打開すべく、コンビニでアルバイトを始めた。そんな中、アルバイトのきっかけにもなった腐れ縁のかおりと、問題を…起こした客の雪子とバンドを始めるが…。 思っていたよりもなかなかバンドが始まらず、物静かでこれといった特徴のない美恵子の閉塞した生活が描かれるため、芥川賞系の話かな?という雰囲気が漂う。そこをぶち壊しに来るかおりがストーリーを作っていくのだが、こちらもまた、1995年という設定のせいか、振り切りすぎていて、芥川賞系を思い起こさせる。 本の約半分ほどで、ようやく話が出てくるバンド活動。始まった途端にそれまでとは打って変わって、ストーリーがグイグイと進み始めるのが印象的である。 曲は当然"Smoke on the water"。1曲のみ。「ジャッジャッジャー」というストレートだが苦労の見える表現ではあるが、脳内にはあの有名なリフが流れる。 美恵子以外が強烈なキャラクター、新社長と石川くんという、くすぐりを担当する脇役など、全体にバランスの良いストーリーで単純に最後まで楽しめる作品である。 ただね、買ったやつは表紙がショーモナイ映画販促用の全面帯で、どれがどの登場人物なのかわかるようなわからないような雰囲気であるが、こういうのはつまんないからやめてほしい。★一個減らす。 また、1995年の世俗を、阪神大震災と地下鉄サリン事件(だから1995にしたんだろうけど)を軸に集められてはいるが、たとえばOasis, Blurとか、有森裕子とかさ、もうちょっと色々有ったよね。せっかくの同時代性の部分なので、もうちょっとしらべてほしかった。なお、1995年の理由にはどうも解説を読むと「1985年の」, 「2005年の」というシリーズがあるようで、そちらも読んではみたい。 あー、Deep Purple "Deepest Purple"とRainbow "Long Live Rock'n roll"のアルバムどこに埋まってたかな。CDの山のどこかにあるはずだが。続きを読む
投稿日:2022.04.05
zikill
実はこの作品、読む前は大して期待してませんでした。たまには五十嵐作品でも…と思い適当に手に取ったのがコレ! 随分前にこの作品の劇場版を観た事が有って、イマイチと言う印象しかありませんでした。 序盤は音…楽的な事が殆ど無く、このままダラダラと読み進める破目になるのかと思っていましたが、随所にジワジワと来る笑いが有って引き込まれて行きました。 結局読み始めて1日半で読み切ってしまいました。 もうラストは泣けるわ鼻水が止まらないわ大変でした。(マック店内で…)流石五十嵐作品って感じでした。 もう一回劇場版見ようかなぁ~… 続きを読む
投稿日:2021.11.12
bubu-o
好き。 おじさんになっても、 おばさんになっても、 青春して良いですよね。 ひたむきに打ち込めるものが、 あるのはとても幸せな事です。
投稿日:2021.10.14
kamitako
アラフォー女子の青春を描いた三部作のラストを飾るに相応しい作品。キャラ設定、小気味いい遣り取り、1995年という時代を切り取った妙...。幸輔(主人公の夫)が真人(その子)に吐いたセリフにスッキリ! …しばらくあの名曲の脳内再生が続きそう...。続きを読む
投稿日:2020.06.11
フリテン人生
泣ける。泣けた。 ずーっと笑えていたのに、ラストは泣けた。 涙が止まりません。 ネタバレになっちゃうのであまり書けないが、クライマックスで主人公が語る言葉が、滲みます。滲みまくります。 いやー泣けるー…。続きを読む
投稿日:2020.05.30
キョウヘイ
とても良かった。ともすると桐野夏生が書きそうな主婦の話なんだけど、とてもいい感じで友情と青春が描けてたと思う。まあもしかすると俺も41歳で44歳の主人公の主婦をそれなりに女の子として見てられるからかも…しれないけどね。続きを読む
投稿日:2018.12.04
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