【感想】この世にたやすい仕事はない

津村記久子 / 日本経済新聞出版
(190件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
40
72
48
7
2

ブクログレビュー

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  • Glenn

    Glenn

    津村さんの本には本当にハズレがない。
    センスと簡易な文章。
    あまりスポットの当たることのない物事に焦点を当てているんだけど、そこが本当に絶妙に興味をそそってくる。デティールへの拘りから現実味を与えてくる。とても良い。

    本作は、章ごとに舞台は変わるものの、新卒以降長年勤めた会社を燃え尽き症候群で辞め、短期の仕事を転々とする主人公にフォーカスを当て続ける連作小説。

    モニターでひたすら執筆業を生業にする男性を見張り続ける仕事。
    地元企業に行ったインタビューをもとにバスのアナウンス原稿を書き上げる仕事。
    おかきやせんべいなど、商品ごとに企画・シリーズ化し、袋裏に掲載する豆知識などの原稿を作成する仕事。
    官公庁から委託され、店舗や民家などを訪ねて交通安全や緑化、節水などを啓発するポスターを張り替える仕事。
    公園の管理事務所で、公園内の見回りをしたり、博物館の展示イベントのチケットにミシン目を入れたりする仕事。


    絶妙にマニアック。だけど目が離せない。
    最近津村作品にハマっていて、段々作者の好きなことや詳しいことがなんとなくわかるようになってきて嬉しい。(サッカーとスペイン語の要素は特によくでてくる)

    個人的には、雑学好きなので"おかきの袋のしごと"に従事したいな…。時給が低くても、"大きな森の小屋での簡単なしごと"も捨てがたい。
    装丁も可愛すぎて、本当に絶妙にツボを押さえられてしまう。
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    投稿日:2024.05.21

  • さかな

    さかな

    このレビューはネタバレを含みます

    タイトルとあらすじに惹かれて読み始めたけど、あまり主人公に共感出来ず淡々と進む展開に眠くなってしまったこともしばしば。

    作家を監視する仕事、巡回バスで流すアナウンスを考える仕事、おかきの袋裏に書くことを考える仕事、街のポスターを貼り替える仕事、大きな森林公園での仕事。
    どれも面白そうなテーマだけに、期待しすぎた印象は否めない。

    ラスト50ページで、どう着陸するのかと思っていたけど、唐突にこれまでの仕事が明らかになって、そこに収束していくという流れが唐突すぎてハマらず。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.05.19

  • しょうた

    しょうた

    有機農家の久松達央さんが「仕事で悩んでいる30代の方などに」とおすすめしていた本。
    小説はあまり読んだことがなかったが、面白いと思った。なんだろう、読み進めていく中で小説中の物語が頭の中でどんどんイメージが膨らんでいくのが楽しく、読み進めるほど面白かった。続きを読む

    投稿日:2024.05.13

  • ちぃ

    ちぃ

    こんな仕事ある?というお仕事に少しの謎が混ざった話。
    違う仕事を経験して最後には元々していた仕事に戻る。
    謎が少し盛り上がったかなというところで終わってしまう感じがありもう少し謎に踏み込みたかったなという感想。

    仕事辞めたいーって思ってもやっぱり戻っちゃうんですかね。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.06

  • うさぎ

    うさぎ

    どんな仕事でも主人公のように真剣に取り組んだら面白くなるんだろうな。
    愚痴ばかり言ってないで、今の仕事をしっかり頑張ろうと思えた。

    投稿日:2024.05.03

  • つくね

    つくね

    大学を出て14年間働いた前職で燃え尽き症候群になった36歳の彼女がハローワークで様々な仕事を紹介される。
    短期間のうちに5つの職を体験して何かを感じ取ったって感じの作品でした。
    あっ、でもこれダメなやつでした。
    ありそうで、なさそうな架空の仕事なんですよね。
    特に意味もなさそうな主人公の趣向回路に流されて、
    波長が合わなかったみたいで興味が出ませんでした。
    そんななか次第に飽きてくるんですが最後まで読み切ろうと大好きな山関連のワードを拾ってました。
    1話目では、監視の対象者の名前が山本山江ってフルネームで終始語られてたことと、
    2話のバスのアナウンスで出会った江里口さんが全然自分語りしないなか唯一証した過去が女子大時代に山岳部に入っていたこと
    3話のおかきの袋の一口ためになる話に、100名山を候補にしてたとこ
    そんなところでなんとか集中切らさずに読んでこれたんですけど、4話と5話では山関連のワード出てこなかったんです。
    仕事とかもそうだと思うんですが、興味ないことするのって地獄じゃないですかぁ。
    少しでも興味あること見つけて、飽きないようにしなければ退屈すぎて死んでしまいそうでした。彼氏とか友達もいなさそうだし、趣味もなし。
    あっ転職が趣味だったかも・・
    大体、主人公の36歳の女子最後まで名前明かさず終わってしまうなんて、読者に対して距離取りすぎで平行線のまま感情を表してくれないんですよ。まぁ、仕事に取り組む姿勢は真面目で落ち度がないんですが、彼女に興味持てませんでしたぁ。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.29

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