【感想】封印された鉄道史

小川裕夫 / 彩図社
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • hanemitsuru

    hanemitsuru

     ちょっと品揃えに特色のある書店に平積みになっていたのがこの本との出会いです。普段からサブカルに関する本が多く陳列されており、この本も鉄道本というよりサブカル、もっと身も蓋もないい方をすれば「トンデモ本」ではないかという思いで手に取りました。

     趣味としての「鉄道」は、間口の広さと掘った時の深さにおいてトップクラスに入ると思います。2歳児から国務大臣まで、単に乗ったり、見たりするだけの楽しみ方から自宅に車両を搬入したり、「研究」の域に達した詩誌を発表したり。

     そのような中、今さら誰も知らない、「封印された」ような事実はあるとは思えず、むしろ「東京地下秘密路線説(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E7%A7%98%E5%AF%86%E8%B7%AF%E7%B7%9A%E8%AA%AC)」みたいなことが大袈裟に書いてあるんじゃないか、と思ったのが購入のきっかけです。(たまに「これはひどい」タグがふさわしい本を読みたくなるんです。「ひどいもの見たさ」です)

     ところが、本書は「トンデモ本」ですらありませんでした。事実が封印(隠ぺい)されていたと本書で主張しているのは60編掲載されているエピソードのうちわずか1編に過ぎず、残りは例えば柴山鉄道を「鉄道には、国家権力を示す装置としての働きがある」なんて大仰な書き出しで紹介してみたり、「鉄道と利権」なんて大上段に振りかぶった章立てをして新幹線の営業キロの話を書いてみたり。
     トンデモな説は書いてありませんが、その代わりすべてどこかから拾ってきたと思われる雑学、豆知識的なエピソードで埋められていて、先日炎上した「キュレーションサイト」の書籍版です。巻末の「参考文献一覧」の最後に「※その他、多数の新聞記事、雑誌、公文書、パンフレット、ポスター、インターネットなどを参考にさせていただきました。」とあるとおりです。この本を読むくらいなら一覧にある文献や、多数のインターネット~Wikipediaサーフィンでもしていたほうがましです。

     さらに、文章の下手さがこの本のひどさを増量しています。回りくどかったり、無意味に大袈裟だったり、それだけでなく、明らかな誤り(例えば「バケツをひっくり返す」の使い方とか)もあり、このようなものが本として売られていること自体がトンデモに思えてきます。

     なお、著者の小川裕夫さんは普通に鉄道がお好きな方のようであり、著書にある「踏切天国」などは切り口が面白く、この本はどちらかと言えばご本人が進んで書きたかったというより出版社主導で決まった内容なのではないかと思います。失礼ですがもうすこし仕事をお選びになったほうがよいのではないでしょうか。

     また、この本を出版している彩図社はサブカル、実話系の本をたくさん出しているようで、amazonで検索してみたところ、他にも多数「封印された」がタイトルにつく本を出していました。「封印されたアダルトビデオ」などは鉄道に比べて本当に封印されているっぽく、面白そうです。もう少し企画を練ったほうがよいのではないでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2017.01.25

  • yasu2411

    yasu2411

    題名から、相当マニアックな内容を期待したのだが、半分ぐらいは知っている内容であった。しかし、なかなか事実に忠実に取材している感じでよいと思う。
    鉄道というのは、何となく不合理に思えるような部分には必ず理由があるということがわかる。それだけでも通常とは違う見方ができて面白い。続きを読む

    投稿日:2013.08.11

  • kimt1688

    kimt1688

    このレビューはネタバレを含みます

    最近の粗製濫造気味の鉄道文庫・新書に含まれてしまうだろう。

    各々の項目(タイトル・ネタ)の選択は面白いものがあるけれども、一部正確でないと思われる部分もあり。

    お召列車を扱うのであれば、「天皇陛下と皇后陛下が同じ御料車に乗るようになったのが歴史的には最近のこと」というネタは必須だと思うけど、タブーにならないだろうし、封印もされていないからか?昭和天皇の車中泊と同レベルだとは思うが。

    囚人輸送地下鉄の項で綾瀬駅と東京拘置所が至近と書かれているのには閉口。線路からは至近だが、駅はいうほど近くない。

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    投稿日:2013.06.22

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