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佐藤友哉 / 新潮社 (13件のレビュー)
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和久田辺
ただ罪悪感の物語なのだと思います 思い詰める人の、頭の中のぐちゃぐちゃが本の形をとったようでした この本の中に思い詰める人、または罪悪感の説明が書かれているというよりも、この物語自体が説明になってい…ると感じました続きを読む
投稿日:2022.02.14
あきら
は〜〜感想書きたくないよ〜〜と思いながらアプリゲーをしていたが忘れるのはもっと嫌なので書きます。いやあ…佐藤友哉…好きだなあ……悔しいことに…… 「そうだねえ、それは許せないことだねえ!世界の敵とは…ここにいたんだね。君はそれに気がついたんだ!だからどうする?この敵と戦う?そうなんだ。素敵なことだね!なあヒーロー。君の後ろにいる、その敵のことは許したのに?」 みたいな…前の敵に構えていたら横からぶん殴られるみたいな…読んでる間胃がムカムカしてました。居酒屋で土手煮を食べてたからかも。 「反省をくり返す人間たちが、罪を愛で許す人間たちが、今までなにをしてきたか。罪をわすれてきただけだ。」(P.195) 罪悪感がない人間が導く未来というのはどんなものなんだろう?それは責任を取らない人たちで動く世界なんじゃないだろうか。感想を考えていたらなんかめちゃめちゃ空虚な気持ちになってきたので星一つ下げた。 反省をしているのに、罪悪感を感じているのに、生きるためにそれをしないといけないから、忘れながら生きている。その矛盾を孕んだ生き方を、社会を、歪で、気持ち悪くて、間違ったものだとしたいのかな。でも、罪悪感をなくした生き方こそが、犯した過ちから目をそらす歪んだ生き方なんじゃないかなと思う。 六条さんも、綾ちゃんも、抱えきれない悲しみから目をそらすために、心の罪悪感を感じる部分を殺してしまったように見えた。なににも関心が無いとして生きれば、何にも傷つけられないで済むから。感情のコップを最初から壊してしまって、溢れさせないようにしている。地面にできた水たまりを眺めて、ああ自分は受け止められない人間なんだなと思い込もうとしてる。でもそういうところって人間誰しも本当はあるよね。 罪悪感のない人間が作る社会はどんなものなんだろう。それがずっとわからない。分からないまま、空虚を孕んだ女の子が、子守唄を口ずさみながら街を歩く姿を想像している。彼女の後ろで、なんとなく罪に気づきながら、忘れたふりをして生きていた人たちが、同じような人たちを殺したくて殺して欲しくて、殺し合っている。女の子も、殺し合ってる人たちも、誰一人正しい人はいない。こういう罰なのかもしれないな、人類自体への。続きを読む
投稿日:2019.08.27
ingrate
罪悪感のない世界。 事前に評価をチェックしていたので、するりと読めた。 途中からSFというか、SFミステリ? というのを踏まえた上で読み、そこまでのSFでもないのかなという印象。 終盤の怒涛の展開に…ワクワクした。 佐藤友哉さんが好きで、まだ読んでいなかったものの中で、短くさらっと読めそうだなと思い、選んだ。 200ページ弱で、さらっと読める。 続きを読む
投稿日:2018.06.01
pepper*
けっこう突飛なSFものでした。 途中までかなりわくわくしながらめくったけど、真相がけっこう説明不足というかなんというか。もっと内面の描写とかいろんな重みとかほしかったなぁ。 電卓さんには一体何があって…あんな見違えちゃったんだろう。 ジェノサイド、結局何がどうなってるか全然わかんなかった。最後のバックコードやら脳波やらもさっぱり。ふーむ。続きを読む
投稿日:2017.03.08
るこ
SFサスペンスみたいな感じ。 帯に「ミステリー長編」とあって期待したが、中盤以降はどんどんミステリーから離れていって、正直期待ハズレ。
投稿日:2016.04.27
奈良ヒロキヒロキ
『僕の枕は涙でぬれている。』 『妻の枕は血でぬれている。』 『死のうと思った。 理由はなかった。 死にたいという気持ちが、生きたいという気持ちに買っただけのことだ。』 『人を愛しながら、同時にそ…の人の死をねがうのは、ややこしい感情ではないはずだ。一度でも真剣に人を愛した経験があれば、すんなり理解できるていどの普遍的な感情だろう。』 『そのうちにやがて殺意そこ殺意に快楽的な心地が宿り抵抗でき殺意なくなってきた。この殺意まま殺意殺意ではあと数分で殺意殺意殺意いや数秒でおれは殺意のかたまり殺意殺意殺意殺意になって殺意します。一個の殺意殺意殺意殺意殺意となってしま殺意う。そ殺意の前に。』 『おれたちはみんな、理由の奴隷。 「なぜ」「どうして」「なんのために」と聞きまくり、知りたがる。』 「みなさんには、あれやこれやを添加物や放射能のせいにして、なにもかもを国のせいにして、自分たちの生活レベルを変えない自由があります。不安なら金をかせげばいいのに、地位を向上させればいいのに、安心できる生活を獲得すればいいのにそれもせず、ただ世界を呪うだけの自由があります」 『上と見なしたものに怒り、下と見なしたものを嗤うことで、わずかばかりの安心を買い、満足できない不安な日々を、ぼんやりとやりすごす。』続きを読む
投稿日:2015.12.01
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