【感想】華族 近代日本貴族の虚像と実像

小田部雄次 / 中公新書
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    2006年刊行。著者は静岡福祉大学教授。◆皇室の藩屏とされた華族制度。その出自は公家・大名・維新や日清・日露等の戦争功労者・神職・仏教座主などであるが、維新功労者は兎も角、公家・大名の中には没落した者や不良華族も多く出た。つまり、家産のレベルに差があり過ぎた。勿論、政治的に影響を与えた人物もいる一方、ある種の理想主義(華族制度とは全く相いれない共産主義)に心酔した人物もいた。かかる多様な華族で明治以降戦前昭和までを切り取って見せるのが本書。

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    投稿日:2017.01.06

  • まりも

    まりも

    皇室の藩屏として、明治入り後に造られた特権階級。ただし、その出自は公家、大名、維新功労者、資産家、軍功者と多様で一体性を欠いていた。

    例えば、資産においても大大名と公家では大きな格差があったというのは興味深かった。

    昭和前期は、政党が力を失う中で軍部以外に華族も政治の中心におり、「貴族政治」ともいえたというのは自分にとって新しい視点だった。
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    投稿日:2016.12.07

  • ふぃん

    ふぃん

    第二期華族ブーム到来か?!
    「花子とアン」でモデルとなった白蓮さんの小説を読んだら、華族ブームが再燃しました。あと、歴史好きの私の弱点、近現代史をクリアするためにも別方向から光を当ててみようかと思っております。続きを読む

    投稿日:2015.01.25

  • まこと

    まこと

    華族に関する入門書として最適だと思います。
    華族関連書籍は概ね気合が入りすぎているからか、やたらと資料や込み入った解説が多く
    結局なんだったのか分からないといってことに陥りがちだったと思います。

    かしこの本は裏づけとなる数字や資料、またその解説の程度が
    華族に対する特別な知識のない人間にとってまさに絶妙の配分、難易度なのです。

    華族ってどんな人たちがなったの?
    華族ってお金持ちだったの?
    華族って何人いたの?
    公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の違いってなに?
    ↑それぞれ何人くらいいたの?
    華族のその後ってどうなったの?

    などなどの疑問に答えてくれるニュース解説の池上さんみたいに親切な一冊です。
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    投稿日:2011.07.15

  • bax

    bax

    このレビューはネタバレを含みます

    [ 内容 ]
    明治維新後、旧公卿・大名、維新功労者などから選ばれた華族。
    「皇族の藩屏」として、貴族院議員選出など多くの特権を享受した彼らは、近代日本の政治、経済、生活様式をリードした「恵まれた」階級のはずだった。
    日清・日露戦争後、膨大な軍人や財界人を組み込み拡大を続けたが、多様な出自ゆえ基盤は脆く、敗戦とともに消滅する。
    本書は、七八年間に一〇一一家存在したその実像を明らかにする。
    巻末に詳細な「華族一覧」付。

    [ 目次 ]
    序章 イメージとしての華族―鹿鳴館を彩った人びと
    第1章 華族の成立
    第2章 「選ばれた階級」の基盤構築
    第3章 肥大化する華族―明治から大正へ
    第4章 崩壊への道程―大正から昭和へ
    終章 日本的「貴族」の終焉―敗戦・戦後

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    投稿日:2011.03.28

  • タカギ

    タカギ

    明治から始まった華族制度。
    そして、太平洋戦争終結後に廃止。
    その全貌が網羅されている。
    遅れてきた貴族たち・・・という感じがする。
    しかし、考えてみれば、各地のお殿様や、公家たちが、明治維新と同時に平民になる・・・というのも抵抗があったのかなぁ。。。
    そういうワンクッションを置かなければまた、近代化も進まなかったのかもしれませんね。
    それにしても、経済難などで苦しんだ華族の歴史を見ると、なんともあわれですね。
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    投稿日:2008.11.11

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