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菅佐和子 / 創元社 (1件のレビュー)
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茜井ことは
タイトルそのまま、思春期の女子に心理療法をいかに適用するのがよいのかを考察している。 精神科で心理士として働く経験を活かして書かれたものなので、本書で描かれる少女たちは まだ軽症とはいえ何らかの精神疾…患を抱えている。 しかし、彼女たちが語ったり雰囲気から発せられる悩みはわたしたちに理解できないような特別なものではなく 「普通」とか「健康」とはこの時期においてはなんとも曖昧なものなのだと思わされる。 思春期の少女はまだ気持ちを言語化することが難しく、非言語的な媒体や雑談を取り入れることが有効だというのが 全体を通しての筆者の主張であり、それは筆者が大学院修士課程で遊戯療法に全力を注いでいたこととも関係するのだろう。 事例を読んでも非言語的な関わりが果たす役割は大きく、また終結も済し崩し的なものが多く 徹底的な治療よりも、彼女たちの成長する力の発露を待つ「柔軟さ」こそがこの時期の心理療法には大切なのだと思わされた。 筆者が述べていたことだが、まさに思春期とは児童精神医学と成人精神医学との谷間にあるものなのだろう。続きを読む
投稿日:2010.04.17
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