【感想】ボルネオの白きラジャ : ジェームズ・ブルックの生涯

三浦暁子 / NTT出版
(2件のレビュー)

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  • inarix

    inarix

    19世紀初頭のインド。ガンジス河のほとりで生を受け、イギリスの教育に馴染めず、従軍した第1次ビルマ戦線で瀕死の重傷を負い、ラッフルズにあこがれシンガポールへと冒険航海するジェームズ・ブルック。そしていくつかの偶然が、彼をボルネオへと導いてゆく。
    ボルネオ島にたどり着いたジェームズは、当時内乱状態だったサラワクを平定。ブルネイ王から信任をうけ、ラジャとしてサラワク統治を始めることになる。
    赤道直下の密林に築きあげられた「白人王国」。それは初代のラジャ・ジェームズ亡き後も壊滅することなくブルック家によって統治され、第2次世界大戦のさなか、日本軍のボルネオ侵攻によって100年の幕を閉じた。
    生涯をかけて「イギリス人になりたい」という願いを抱いてあがき、数々の歴史的偉業を成し遂げながらもイギリス社会に裏切られ、密林での過酷な日々を過ごすラジャとしての重責を背負い、度重なる怪我や疾病に蝕まれ、最期はダートムーアの教会にひとり、東方への夢をみて眠る。ジェームズ・ブルックの一代記。
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    投稿日:2013.10.29

  • 忍豚

    忍豚

    19世紀、ボルネオ島のサラワクに白人王国を築いた英国人ジェームズ・ブルック。
    そのブルック王朝は四代(廃嫡にされた人を除くと三代)100年間存続し、太平洋戦争での日本軍の侵攻で終焉しました。
    "ラジャ"というのはブルネイ王国のスルタン(イスラム教の世俗君主)に臣従する藩王という意味ですが、ジェームズ・ブルック自身はイスラム教には改宗せず、さりとて現地人たちにキリスト教を押し付けるでもなく、名君として君臨したようです。
    七つの海を支配し、世界中に植民地を築いた大英帝国の時代ですが、意外にも英国はサラワクにはほとんど無関心で、領有するのは消極的だったようです。
    英国人には過酷な熱帯を統治する苦しみ、英国政府の無関心、白人が現地人を支配する難しさ、後継を巡る一族との軋轢など、ブルックが味わった君主ゆえの悩みが綴られています。
    著者の解説形式で話が進んでいきますが、小説のようにテンポよく読み進めるでしょう。
    ただし、ブルックの人格にまで切り込んでいますが、それが果たしてどこまで実像に迫っているか?
    多分に著者の主観も含まれている気がしますw

    ニン、トン♪
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    投稿日:2007.04.25

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