【感想】希望学

玄田有史 / 中公新書ラクレ
(17件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tokyobay

    tokyobay

    希望とは何か?「科学的分析」の結果では、人生の修正プロセスを生み出す根源とのことらしい。そして希望を持っている人に共通するのが、家族からの期待と友達の多さとの事。個人の性格は関係なく環境によって左右される。これが社会科学的に分析した結果である。
    なので家族から期待されてこなかった人は友達をたくさん作る必要がある。ただし、問題は数であり親密度ではない。よって少数の親友なんかよりも、連絡先を知っているだけの多数の友達と弱くつながっている事が重要であるらしい。逆に、経済力・社会階層・愛情等は希望とは関係がない事が判明したらしい。
    あと大切なのが、子供の頃から将来像のイメージを持ち続けている事。ただしこの将来像が実現する事は殆どないので挫折経験も重要になる。結果、挫折しても修正できる人が希望を持ち続けるというオチになっているようである。
    時間論的な興味関心からは挫折とは現在の自分による過去の失敗の評価であり、希望とは現在の自分による未来の実現性の評価との事であるという点に見るべきものがある。ここに自己評価と過去・現在・未来の連続性との関係性があるように思える。よって、時間と自己との関係性を現在進行形で問い直し続ける習慣・能力こそが希望なんかよりも生きていくために持つべきものであるということになるのかもしれない。

    等々「希望」というワードになんとなく持っていた精神論的イメージとは異なる学問的分析結果が提示されたわけだが、希望がない人は絶望もないのでサバイバル状況においては有利に働くらしい。コロナ騒動により今後希望が声高に叫ばれるだろうが、コロナを乗り切り、サバイバルするには希望など持たない方がよいのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2020.04.28

  • 三上 直樹

    三上 直樹

    2007年初出の本を今さらながら読了。希望に関するさまざまな調査にもとづいた論考と対談で構成されていますが、当時の閉塞感よりその後のリーマンショックさらには東日本大震災を経た現代社会からすると、どうやって希望を持てばいいのかと、調査対象外とされている50代の私は感じてしまいます。続きを読む

    投稿日:2018.05.21

  • そらくも

    そらくも

    希望という、あいまいで扱いにくい概念を統計的に分析するとともに、対談を通じて「希望とは何か」を議論した書。

    投稿日:2017.06.23

  • k-hajime

    k-hajime

    2012.03.13 挫折経験がある方が希望を持っている人が多いという調査結果。子供のころ、なりたい職業を持っていた人の方が希望を持っている人が多いという結果。希望は本当に奥が深そうだ。この本は2005年ごろのものだが今後はどうなっていくのだろうか。希望を持つ人はどんどん減るのだろうか?続きを読む

    投稿日:2012.03.13

  • syouron

    syouron

    (「BOOK」データベースより)
    「希望」が「喪失」とセットで語られる現代。希望とはそもそも何なのか?社会のなかでの希望の意味とありかについて、一人ひとりが探求するための科学的プロジェクト、それが「希望学」だ。続きを読む

    投稿日:2012.01.18

  • あじんこ

    あじんこ

    「希望学」とタイトルを見たときは、いったいどんな内容が書いてあるのかとワクワクした。しかし、内容がよく分からなかったので、時間をあけて、もう一度読んでみるのがよいと思いました。

    投稿日:2011.08.03

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