【感想】美しい都市・醜い都市 現代景観論

五十嵐太郎 / 中公新書ラクレ
(22件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • komatta22232223

    komatta22232223

    ブレードランナーとかAKIRAとか攻殻とかの景色をカッコいいと思ってしまったら「醜い都市」って何なのかわかんなくなるよね。その点では美しい建物、醜い建物のレポート書かされた大学生可哀想っちゃ可哀想。いや、考えるのはおもしろいけど。あと、未来から見たらコンクリートの日本橋と首都高とどっちが魅力的か、ってのも意表を突かれた。続きを読む

    投稿日:2019.01.21

  • いっせい

    いっせい

    日本橋の上に架かる首都高速の地下化についての話が載っていたので読んでみた。日本橋が西洋のコピー橋である一方で、首都高速は世界にも稀に見る複雑な道路建築として評価していて、こういう考え方もあるのかと思った。また、全体を通して、世の中の風景を美しいもの、醜いものの2つに分けて、片方を淘汰するようなやり方の危険性が書かれている。関連図書としては、「ニッポン景観論」がおすすめ。続きを読む

    投稿日:2017.09.24

  • 成瀬 厚

    成瀬 厚

    五十嵐太郎氏は『10+1』などの雑誌を開くと名前を非常によく見かける,建築分野の人気作家(?)。なので,私も彼の文章を一度や二度読んだことがあるのですが,あまり惹かれるタイプではなかったので,著書は本書が初めて。というのも,大学の講義の小レポートの課題として選出したので読んだ次第。いかにもなタイトルに読む気がしませんが,まあ読まず嫌いもよくありません。この中公新書ラクレというシリーズも初めて。

    第一部 21世紀の景観論
     1章 醜い景観狩り
     2章 景観を笑う
     3章 日本橋上の首都高速移設を疑う
     4章 渋谷のドブ川とソウルの清渓川
     5章 テーマパーク化する都市
     6章 東京の色彩と広告
    第二部 計画とユートピア
     7章 アジア・メガロポリスの建設と破壊――香港・上海・深圳
     8章 押井守の未来都市
     9章 幕張はいかにつくられたか
     10章 管理社会が生み出す”都市伝説”――ディズニーランド・筑波・都庁舎
     11章 ユートピアとしての平壌
     12章 過防備都市・再論

    案の定というか,本書は『10+1』に掲載された文章を多く含むもので,書き下ろしではなかった。確かに,第一部はかなり一貫して日本の現代都市景観を論じているが,第二部はバラバラな印象で,香港,上海,深圳,平壌といったアジアの諸都市の訪問記あり,押井 守のアニメーションの話ありな感じでまとまりはない。
    しかし,思ったよりは頭の固い人間ではないことが分かった。といっても,彼の関心は常に具体的なものに向けられていて,私が好むような抽象論や認識論に関する議論はほとんどなかった。といっても,3章の日本橋の話や9章の幕張の話は,新書という決して文字数が多くない著書の中ではしっかりとした情報に基づいて分かりやすく説明されており,学ぶことは多かった。本書は基本的に景観に美しい・醜いの絶対的価値軸は存在しないという立場に立っている。でも,実のところは完全なる相対主義ではなく,建築家として教育を受けてきたものとしてのかなり強固な価値軸があることも確かである。
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    投稿日:2013.05.24

  • asuko0

    asuko0

    人は生まれた場所や思い出に風景の美しさを見出すのでしょうか。

    だから私は広告やネオンで囲まれたまちや、ハウスメーカーが量産した欧米風が並ぶ住宅街にも美と愛おしさを感じることができるのかもしれない。

    投稿日:2012.11.04

  • pomodorinaaa

    pomodorinaaa

    このレビューはネタバレを含みます

    美しい景観とは、醜い景観とはどのようなものか。世の中で言われる「美しい街」にも徹底的に疑問を投げかけ、なにが美しく、なにが醜いか考える。

    第11章ユートピアとしての平壌で、平壌を訪れた筆者は「ここは景観論者にとってのユートピアではないかと思った」と語る。

    「建築と都市のデザインは明らかにコントロールされている」
    「景観論者が嫌う諸要素が、ことごとく排除されているのだ」

    とても衝撃的。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2012.09.19

  • さいもん

    さいもん

    レポートの題材として手にとった本書。

    個人的には日本橋の上を走る首都高速の景観がどのように考えられているかを知りたかった。
    そもそも美的感覚は極めて主観的なものである。
    その「美しさ」をまち・景観に当てはめる際には相当な注意を払う必要がある。
    他の書籍の表現を借りるのであれば、
    ”景観とはある一つの建造物をさしたものでもなければ、単に視覚的な印象に立脚するものでもなく、周辺の諸環境との調和を第一義的に考える必要がある”
    とのことである。

    その点を鑑みれば、
    欧米の都市は○○の点がよく、日本にはかけているので導入すべきだ的な物言いには疑問を感じる。
    単なる無い物ねだりである。
    いくらパリのシャンゼリゼ通りが美しいからといって、東京で同じ物を求めるのは不可能である。
    景観の個別性の強さを考えた上で、議論する必要がある、
    とまとまらないながらにも感じました。
    続きを読む

    投稿日:2012.09.01

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