【感想】食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字〈上〉~

山田真哉 / 光文社新書
(207件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
21
77
70
20
4

ブクログレビュー

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  • コナン.O.

    コナン.O.

    山田真哉(1976年~)氏は、阪大文学部卒、受験予備校勤務を経て、公認会計士。2002年に『女子大生会計士の事件簿』で小説家としてデビューし、2005年に出版された『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、160万部を超えるミリオンセラーとなっている。その後、会計関係の一般書を多数執筆。
    私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。
    本書は、『さおだけ屋~』の最終章に取り上げられていた「数字のセンス」というテーマへの読者の関心が高かったことから、会計に留まらない数字の使い方を紹介した続篇の上巻(2007年)で、「数字がうまくなる(数字をうまく使いこなす)」という観点から書かれている。(下巻の『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』(2008年)は、「数字に騙されない」と「会計の限界」という観点)
    目次・内容は以下である。
    イントロダクション 「Web2.0」『ゲド戦記』がすごい本当の理由・・・数字には、①順序がある、②単位で意味を固定する、③価値を表現できる、④変化しない、という4つのルールがある。
    第1章 今日は渋谷で6時53分・・・数字は、①あえて言い切る、②常識をいい意味で破る、③端数を切ってシンプル化する、ことによって言外の意味を持たせることができる。
    第2章 タウリン1000ミリグラムは1グラム・・・数字は、①言い換える、②割り算をする、③単位を換える、ことによって印象を変えることができる。
    第3章 食い逃げされてもバイトは雇うな・・・会計で大事なことは、「金額重視主義」「損益計算」で数字をありのままに見ること。
    第4章 決算書の見方はトランプと同じ・・・決算書を見る上で大事なことは、「読む」のではなく、トランプのババを「探す」こと。
    私は長年、会計・財務のスキルを必要とする仕事をしており、『さおだけ屋~』はとても楽しく読ませてもらい(内容は平易なので、新たな知識が得られたということはない)、本書も期待していたのだが、残念ながら、続篇の常として、前著ほどの切れ味は見られなかった。
    それでも、「うまくなるコツは“99%の意識と1%の知識”」という著者の主張には共感するし、説明の際に数字を使うと説得力が増すこと、ビジネスにおいては自分にとって有利な数字が使われることが多いこと(不利な数字は敢えて使われない)、事象を感覚や印象で捉えずに数字で考えると分かりやすくなること、等々、会計的な側面に限らない数字の使い方(使われ方)をわかりやすく説明した内容は、幅広いビジネスマンに役立つものと思う。
    (2022年7月了)
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    投稿日:2022.07.22

  • hiroたろう

    hiroたろう

    知れば得する「数字のセンス」。
    もっと豊かに世界が見れるようになる。

    さおだけ屋〜の著者が書かれた本。
    この人が、書く本は何を読んでもおもしろい。
    数字から考えるという新しい視点を持たせてくれる。
    数字が苦手という人にこそ読んで欲しい一冊。

    数字のもつ力、使い方一つで印象が変わるということを具体例を示しながら解説してくれています。
    よって、興味がもてる作りになっているのだと思います。

    なぜ?と思ったら数字で考えてみる。
    数字をみたらとりあえず割ってみる。

    数字のセンスを味方につけよう!
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    投稿日:2022.07.18

  • よっ

    よっ

    なんか昔こんなん流行ったなってふと思いだして手にとった一冊。

    タイトルは非常にキャッチーですが、要は世の中数字(主にコスト)に意識するのとしないとでは天と地ほどの差があるんで、是非とも数字を苦手がらずに親しんでみてっ。ていうエントリー本。

    流行ってない中華屋さん。古びた古本屋さん。マニアックなアンティーク屋さん。

    どれも何故長いこと生き残っているか不思議な店ではあるも、数字で経営を紐解いていけばその理由が必ず分かるとさ。

    別に数字強くないし、簿記もさわりしかやってないからそんな詳しくはないんだけど、まぁなんつうか結構ありきたりなこに終始していた印象です。えらそうですが。。

    ホントの意味のエントリー本。著者曰く1時間で読めるそう。僕はちょくちょく読んでそれ以上かかりました。少しでも興味ある人は良い暇つぶしになるかと。
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    投稿日:2022.01.06

  • rokkosanjin

    rokkosanjin

    2005年の著書・『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』でミリオンセラーを記録し、現在ではTVなどのメディア出演でも有名な会計士・山田真哉が放った「身近な会計学」の第二弾。「99%」「75点」「第一回」などのように数字に意味を持たせ、経営やビジネスに限らない数字の持つインパクトを上手に使いこなすことを「数字がうまい」と表現し、日常生活で目にする数字の見方・使い方から経営に必要な会計の基礎を分かりやすく解説した一冊。タイトルの『食い逃げされてもバイトは雇うな』の理由は、客単価が1,000円にも満たないラーメン屋の店主が、食い逃げを防止するためにバイトを雇えばその給料が店の利益を圧迫する。食い逃げによる損失分とバイトの給料を比べると、雇わない方がトクというもの。「食い逃げ許すまじ!」のような「感情」ではなく、プラスマイナスで損か得かという「勘定」で判断するのが正解というロジック。続きを読む

    投稿日:2020.12.12

  • kakapo1233

    kakapo1233

    このレビューはネタバレを含みます

    ・商売って、簡単に言っちゃうと、投資して投資した以上の金額を回収することによって利益を生むための仕組みなんですよね。

     会計の目的は、集計することだけではなく、お金の動きを分析して、経営に役立てることが重要。意識すれば、見えていなかったものが見えてくる。サラリーマンで、自分が勤めている会社の損益計算書を丁寧に分析したことがある人は、多くないでしょう?しかし、会計は、上を目指すビジネスマンにとって疎いとは言っていられない重要なことなのです。この本は、私たちの身近にある商売から、会計の感覚を磨ける問いがある。身近にある商売を観察し、儲けの仕組みを推察する。それを無意識に繰り返す習慣が、ビジネスマンへの階段なのかもしれない。

     商売って、簡単に言っちゃうと、投資して投資した以上の金額を回収することによって利益を生むための仕組みなんですよね。サラリーマンは、労働力と時間を投資しているわけですから、自分の労働力と時間を最も大きな収入に繋げられる仕事に就くべきです(もちろんやりがいも大切です)。商いをやっている人は、原料や加工に投資しているわけですから、製造業であれば、誰よりも早く新しい価値を創れる人が儲かるわけですよね。顧客が欲しがるモノやサービスの中で自分が誰よりも有利に生み出せるものに拘ることが大切なのかもしれません。

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    投稿日:2020.05.19

  • こどもおねむ

    こどもおねむ

    さお竹屋〜が面白かったのでこちらも。
    前書が身近な会計なら、本書は会計を身近に、と言った感じだろうか。著者の文調は硬くなく非常に読みやすい。
    タイトルとしては二番煎じ感があるが、感情より勘定と言う覚えやすい言葉と結びつき、理解もしやすい。
    どうしても難しい言葉が出て来ると敬遠してしまいそうだが、本質的には四則計算がメインであり、いかにおかしな数字を見つけられるか、比較出来るかと言った事だろう。
    我が家は家計簿をつけているが、総資産額の推移しか追っていない。比較すれば何かがわかるのかも。
    続きを読む

    投稿日:2020.05.15

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