【感想】ネットワーク思考のすすめ―ネットセントリック時代の組織戦略

西口敏宏 / 東洋経済新報社
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • masabochi

    masabochi

    著書の作品である「遠距離交際〜」をよりビジネスマン向けに再構築した本だと思う。ネットワーク理論を実際のビジネスでどのように扱えるかを記載した内容だ。ゆるやかなつながりが次のビジネスを創出させたり、雇用に繋がったりさせる。どれだけ、人と関わりあえるかということ。SNS等によって、インターネットで緩やかなつながりがさらに加速させている気もするが、リアルでの場での繋がりがより重要視されているのも事実。次のチャンスはいたるところに転がっているなと再認識する。ただし、本書は遠距離交際を読んでいる人には重複も多いので読む必要ない。続きを読む

    投稿日:2015.09.08

  • sakujun

    sakujun

    レビューと言うよりメモ。

    ※ネットワークとは何か、何が利点かということ論じられていても、どうやったら有用なネットワークの構築ができるか、有用なネットワークを構築する上でのボトルネックやハードルはどういうところにあるのか、それに対してどうすればよいのか、ということは論じられていない。

    ・レギュラーな関係+イレギュラーな(通常のルートでない)つながり=情報伝達・共有のスピード・実効性が違う
    ・意図的にバイパスを作ることの大事さ。自主研とヨコテン。風通しとも言うかも。
    ・単につながるのではなく、見込みある探索や絞り込みによって、目的に対しより適切な相手につながることが大事
    ・ネットセントリック=意思決定や活動の中心は、ある特定の一点ではなく、ネットワークそのものにある
    ・ただし、サッカーのチームプレイをネットセントリックの好例として考えると、構成メンバーがすべて等しく働くわけではなく、やはり司令塔=ハブの役割は重要。しかし、一人の司令塔が機能しないとネットワークが機能しないようではだめ。代替できる他の人がいることが大事。
    ・事前にわからないことへの対応
    ・信頼の重要性。ネットワークの形式は、それを根底で支える信頼関係があってこそ、初めて生きたシステムとして機能する
    →ソーシャルキャピタル
    ・信頼はただ生まれない。社会的な仕掛けが必要。ただ、共同作業の副産物として生まれる傾向がある。
    ・そして試行錯誤と継続。
    ・社会システムの構成単位は人というよりも、相互行為そのものではないか。さらに言えばコミュニケーションそのもの
    ・半開半閉システム、環境に対する過度の閉鎖性も、ゆきすぎた開放性も、ともにシステム麻痺に結びつきやすい。
    ・システム:方向性を持った探索→不確定性の抑制=複雑性の縮減←意味
    ・意味の自省作用→複雑性の維持と還元→意味創出機能←組織学習などの仕掛けが必要
    ・複雑な環境に対する高度な適応能力=内部に複雑性を維持し、多様な選択を可能にするシステム→システム分化
    ・協働努力の体系は、全体として自ら管理するものであって、その一部である管理組織によって管理されるのではない
    ・組織とは、ダブルコンティンジェンシー(相互条件依存関係)状況の下で、当事者の双方における、無限に循環的な行為選択に伴う、不確実性・葛藤・緊張状態、不利益を克服するため、意識的に作られ調整され、公式で統一的な命令系統に服する社会システムの一形態
    ・組織はいったん確立した境界と免疫システムを維持しなければ存続しないが、他方、それを適宜改変しないでいると、変化し続ける環境との乖離が広がる→ネットワーク、リワイヤリング
    ・社会システム循環の第三段階である浸透は、組織基盤を大きく変更することなく、組織の枠を超えるネットワークによってもたらされる
    ・組織的「遊び」
    ・ネットワーク=公式かつ統一的な命令系統によって限定された組織の排除作用によって、いったん失われ、あるいは保留となった連結可能性を再検索し、再利用するために、組織の枠を超える浸透作用によって調整された、二人以上の人間の、協働活動や諸力の体系
    ・社会ネットワーク成功の4条件
    ①喫緊のニーズはあるか、何となくおもしろそうとか強制では長続きしない
    ②協働の成果がすぐに見える形で表れ、利得が公平に分配されるか、利得は繰り返し発生し、公平な分配の仕組みは維持されるか
    ③ノード間で根本的な価値観は共有されているか
    ④適度なリワイヤリングを促す精度やメカニズムはあるか
    ・コミュニティで共有された価値観がうまく機能していれば、詳細なコントロールが不要となる
    ・価値観の共有を促進するソーシャルソフトウェア、制度的工夫が重要
    ・今ある組織の境界自体は変えずに、リワイヤリングによって外部からの情報を自在に組織内に取り込み、内部資源と融合させて、新たな知識に転化し、それを再び外部に発信するという機能面において、ネットワークは著しく効果的で優れた経済性を発揮する
    ・組織は安定、ネットワークは変化=組織は歩行、ネットワークは舞踏
    続きを読む

    投稿日:2015.01.04

  • shigatakeshi

    shigatakeshi

    前回に続き、米国出張の機内で完読しました。

    ネットワークと言っても、コンピューターだけの世界ではありません。いろいろな人とのつながりの中で、社会生活が成り立っていることは当たり前のことです。この人々とのつながりを、ちょっと体系的にお勉強してみましょうっていうのが、本書の趣旨です。

    この分野の本は初めてでしたが、非常に興味深いエリアです。組織論にも当てはめられるし、人脈つくりなんかにも当然応用できたりもします。

    アプローチによっては、非常にアカデミックになりがちな感じですが、具体例が実際に起きた事象に沿って説明されるので、理解しやすいのも好感触です。例えば、トヨタが直面した九七年のアイシン精機の火災事故。マスコミの予想では、復旧に半年はかかると思われていたようですが、なんと10日で完了してしまった事象は、彼らが整備していたネットワークの力が、見事に機能したとても分かりやすい例だと思いました。

    ネットワークの中に意識的に、ランダムなリワイアリングを加えることで、劇的に情報の流通が改善され、思ってもみない効果が発揮されるというのが、著者の主張です。実生活の中にも、この効果を感じることは結構多いと思います。あまり普段は連絡をとり合っていない友人って、実はものすごい有益な情報を持ってきたりとか、大事な決断に必要な客観的なデータを持ってきたりすることって結構あるとおもうんです。自分の場合には、転職するときなんかは、結構このネットワークがフル活動することになります。近所付き合いも大事ですが、遠距離恋愛もしっかりメンテしていきましょうってことなんでしょうかね。そういう意味では、ITの恩恵で、このようなうっすらした関係を築くには、いまの社会は非常に適しているとも言えるでしょうね。

    個人的に一番感銘を受けたのは、以下の一文でした。

    「コミュニケーションとは情報・伝達・理解で成り立つ統一体であり、これら三つの選択の総合である。コミュニケーションは、理解が成立した場合に、そして、その場合にかぎって実現する。」

    これとっても重要だと思うんです。シンプルにして非常にコミュニケーションの本質を言い当てていると思います。まずは情報の整備、これがないと伝えたいことがない、ダラっとした内容になってしまいます。そして伝達、プレゼンテーションのノウハウものでカバーできるエリアで、習えば誰でもできる分野です。そして理解。これは、私の解釈では物語を観客にとどけるストーリー・テラーの能力だと思っています。これができるかできないかは、これからの社会で大きく差がつく要素だと思っています。

    「メールに書いてあります。ちゃんと読んでくださいね。」

    この手の会話が日常多いこと、多いこと・・ちょっと残念ですね。

    私ですか?

    Twitterの使い方がまだふに落ちていません。自分の私生活というか、思考回路に人々を招き入れるという意味が一番近いのかなと思っています。点がTwitterとかだとすると、線がBlogみたいなそんな感じなのでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2012.01.28

  • tomo_fumi

    tomo_fumi

    組織の硬直化(なれあい)を避けるために、ネットワーク理論(プロジェクトのように一つの目的ではなく、やや恒常的なつながりをもたせること)で柔軟性をもたせようという話。



    ネットワーク論で有名な話であ
    遠くの「知り合い」の縁が一番有用という論理を用いて、
    トヨタのサプライヤーシステムの話から、
    出会い系にハマる理由を解説。


    遠くの親戚より近くの他人ではなく、
    近くの他人より遠くのちょっと知っている人ってか。


    色々思いましたが、毒が多分に含まれるので、このへんで。
    続きを読む

    投稿日:2011.10.28

  • プエブロ

    プエブロ

    著者の論文を一般向けにまとめ直した感じ。
    かなりスキップされた感はあるんだけど、論文を読む苦痛からは解放されたんでえっか。先行文献には使えません。

    しかし、副題の「ネットセントリック時代の組織戦略」はどうかと思う。続きを読む

    投稿日:2011.05.26

  • kawaakami

    kawaakami

    トヨタのロジスティックスの話はとても面白い。ただ、これはネットワーク思考のすすめと題される本のトピックではない。スモールワールドとか六次の隔たりとかはまあひと通り。

    投稿日:2011.04.16

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