【感想】日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く

佐藤優 / 小学館
(23件のレビュー)

総合評価:

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  • shosho

    shosho

    大川周明が思想家であることは知っていたが、こんなに論理的かつ説得力ある論法で発信していた人だったとは知らなかった。また佐藤優の著書もこれまでに何冊か読んできたが、この本が最も面白いと思った。「米英東亜侵略史」へのフォーカスのしかたも鋭いし、大川周明の考え方への理解、説明もとても解りやすい。それでいて100%賛成という訳でもなく、現時点での日本の取るべき策について語るところは素晴らしい。できることならこういう人に国のリーダーになって欲しいと思う。
    3冊続けて同じ系統の本を読んだが、戦勝国史観、東京裁判史観はやはり改訂されるべきだと思う。学校教育がこの論調で行われている限り、日本は善意の人のままだろう。他国がどう言おうと、日本としてはこういう考えなのだ、という主張をしてもいいと思う。
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    投稿日:2024.02.11

  • yoshidamasakazu

    yoshidamasakazu



    小学館文庫 佐藤優 「 大川周明 米英東亜侵略史 を読む 」


    米英の侵略史から日米戦争の大義や必然性を論じた本。


    正論もあるが、正当性を感じないのは 戦争により 正当性を証明しようとしたから?


    米英と日本のアジア侵略の違いを説いているが、三国同盟と日中戦争の時点で アジア解放の大義は崩れ、米英も日本も 帝国主義の本質(自己の利益極大化のための戦争)は 同じかなと思う



    大川周明の大東亜共栄圏や世界最終戦の構想は、世界制覇を意図しておらず「世界最終戦のあと、東洋と西洋を棲み分け、それぞれの小世界が発展した上で 交流する」というものらしい。世界最終戦の元ネタとなった ロシア思想家ウラジミール ソロヴィヨフ 「三つの会話」は 読んでみたい
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    投稿日:2023.05.20

  • banban24

    banban24

    戦争の是非はその当時の世界の考え方、自国の考え方で判断しなければならない。今の価値観で是非を論じても仕方がない?

    投稿日:2022.05.27

  • ykikuchi

    ykikuchi

    "第二次世界大戦時の思想家を振り返り、現在の国際情勢も見据える。
    この域に達するには、相当の学習が必要だ。
    こうした書物を読みこみ、物事の思考方法を学ぶこと。"

    投稿日:2018.10.28

  • キじばと。。

    キじばと。。

    大川周明のラジオ講演に基づいて刊行された『米英東亜侵略史』の本文と、著者の解説で構成されています。

    「日本を戦争へと導こうとする指導者に国民は騙されていた」という、戦後アメリカによって広められた見方を批判し、帝国主義国家どうしが衝突する当時の世界情勢のありようを、大川が冷静に見抜いていたことを明らかにしようとしています。その一方で著者は、当時の思想家たちの喧伝した「東亜共同体」の理念や、マルクス主義の立場に立つ哲学者の廣松渉も晩年にその可能性を積極的に語っていた「東アジア主義」という発想に対して、リアリズムの観点から鋭い批判を提起します。

    日米開戦にいたるまで、両国の国民の心情がどのような歴史をたどっていったのかということは、猪瀬直樹の『黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記』(文春文庫)が詳細に論じています。本書でもこれとおなじような認識が共有されてはいるのですが、大川の文明論的な枠組みのなかで話が進められているので、少し議論が大雑把ではないかという印象をいだいてしまいます。

    もっともこれは、わたくし自身が文明史的な議論の仕方に対してそもそもほとんど信用を置いていないことによります。
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    投稿日:2018.03.24

  • shimu2

    shimu2

    [もう1つの「日本の」物語]1941年の真珠湾攻撃の直後から放送されたラジオ講演を土台として大川周明が著した『米英東亜侵略史』。この作品を基に、当時の日米が抱いていた世界観の違い、そして右翼の大立て者という印象の強い大川周明の思想体系に迫った作品です。著者は、本書が自身初めての第三者ノンフィクションということもあり、書き進める上で苦労をしたと語る佐藤優。


    『米英東亜侵略史』の全文が、細かな脚注と共に引用されているため、取り上げられている作品をこの一冊で合わせて読み通すことができるという点が良い。大川周明の名前(そして東京裁判で東条英機の頭を叩いたこと)は知っていても、その歴史観や思想についてはほとんど無知だったのですが、今日に読んでも生々しく感じる帝国主義に対する批判的見方、世界がいくつかの小宇宙で成り立っているという見方を、1941年の時点で既に実証的に示していた点には驚かされました。

    〜筆者から見て、大川の言説で最も評価できるのはそのリアリズムだ。〜

    佐藤氏の筆力は相変わらずスゴい☆5つ
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    投稿日:2016.08.15

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