【感想】日本の国境

山田吉彦 / 新潮新書
(15件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ちむさーちょい

    ちむさーちょい

    海洋国家であるがゆえに普段意識することがない国境について、東西南北の最端地の例を挙げながら、その定義と意義を国益に絡めて分かりやすく解説されており、入門として最適な書である。北方領土をはじめ、尖閣諸島、竹島といった領有権争いについて歴史的背景と現状について書かれているが、このあたりが本書の一番の読みどころであろう。

    著者が指摘しているように実行支配以上に訴える手段はなく、竹島は韓国のそれによってもはや帰らぬ島となってしまっている。武力行使が許されない日本が、それ以上に踏み込むことも出来ない現状では、外交政策がこうも弱気ではいつまでも近隣諸国になめられるだけである。すくなくとも、現在誰も実行支配していない尖閣諸島については、何らかの対策を送球に行うべきであろう。

    国境は国益そのものであるがゆえに、もう少し強い関心と事実認識を国民が持つべきであり、政府もまたそのような努力を怠るべきではないと改めて思わされる。
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    投稿日:2018.10.08

  • モゲラ

    モゲラ

    日本の国境問題を扱った本の中で飛び抜けたものがある内容かというと、類書と比べても浅い出来になっている点は否めないが、基本を知るのには手軽なのでは。但し内容は古い。
    例えば統一的な海洋政策の策定、各官庁の海洋政策担当部門の統合や、沿岸警備組織の指揮系統の統一という主張を掲げてはいるが、それがどの程度なのか明確でないなど、詰めるところを詰めてない事実の羅列と抽象論にとどまる本。肩書き的には、もっといい内容が書けるのでは。続きを読む

    投稿日:2016.10.08

  • びあしん慶次郎

    びあしん慶次郎

    日本の国境について知りたくて読書。

    日本は海に囲まれているため国境の対する意識が希薄だと思う。敗戦により戦後は国境について教育することがタブー視されてきたようにも感じている。

    竹島、北方領土、尖閣諸島、そして、沖ノ鳥島、石垣島、対馬。特に対馬の現状は心配だ。本書は、日本の立場から偏らず分かりやすく書かれていると思う。

    日本人は、国境や領土についてもう少し学ぶ必要があるし、日本の生命や財産を脅かす行為を続ける国家に対して、日本という国家として友好を唱えて、必要以上に接近する必要はないと思う。国家と国家は、互いの国益を守るために必死に異なる意見をぶつけるような厳しい関係であることは、ある意味で真の対等な関係、外交といえるのではないか。日本が戦後長いこと続けてきた贖罪外交は、相手を見下した上から下への対等ではない外交と言える。

    中世の倭寇発生過程や日本最短南端の沖ノ鳥島についてなど勉強させてもらった。それにしても、実効支配は重い。歴史は勝者が作り、いくらでも塗り替えられるのだと改めて思う。

    日本とともに敗戦したはずの朝鮮(韓国)が妄想的に勝ったことになり不法占拠し続ける竹島は、なんとしてもと思うが。韓国内で民族の聖地的な存在である白頭山がない限り、国内をまとめるため、大韓民国の国是を維持するために次は対馬と主張してくるのは目に見えて明らか。

    著者があとがきで書いている通り、日々厳しい環境の中、国境警備にあたっている海上保安官たちに敬意を表したい。

    読書時間:約1時間5分

    本書は日本領事館大連出張所でお借りしています。有り難うございます。
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    投稿日:2014.03.31

  • dai-4

    dai-4

    これも最近比較的気になる分野の書物。近隣諸国と日本の歴史認識の違いは歴然としたものがあるけど、同じ日本の中でも、文献によって多少なりの違いが出てくるもんだなぁ、と。参考文献にまで遡って、どれが正しいかっていうのを厳密に検討するほどの時間的余裕はないけど、なんとなくボヤーッと国境問題の輪郭が見えてきたような気はする。まあ、まだまだ勉強です。続きを読む

    投稿日:2014.02.07

  • metsu530

    metsu530

    海洋問題に詳しい研究者である著者による一冊。
    タイトルの通り、日本の国境問題が解説される。日本は島国なので、本書で扱われる国境は全て海洋上のものとなる。

    取り上げられる国境問題は、尖閣諸島(vs中国/台湾)、北方四島(vsロシア)、竹島(vs韓国)、沖ノ鳥島(水没問題)。加え、石垣島、対馬、大東島、根室、等、国境付近に暮らす人々の歴史や他国との関係が解説される。

    それぞれの話題は要点が丁寧に解説されており、海洋・国境のいずれに知見のない私でもスムーズに読み進めることができた。国境主張の争点だけでなく、その周辺での漁業問題や海上警備、歴史等、適度に横道の話題に触れながら書かれており、お勉強的な堅苦しさが薄い点も嬉しい。

    なお、当然といえば当然ではあるが、領土・領海の正当性は日本の視点で語られる。他国の視点で書かれた本があれば、本書等と根拠を比較しながら読んだら面白いだろうと思った。
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    投稿日:2013.07.18

  • kenshinmasanobu

    kenshinmasanobu

    尖閣問題が国家レベルに発展継続するなか、一度頭を整理しようと読んだ。ナショナリズムに走らず冷静に記述され共感できる。竹島もそうだが、視点と時間軸を相手国側に移した書籍を読んでみたい。

    投稿日:2013.02.06

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