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高岡ミズミ, 長門サイチ / キャラ文庫 (1件のレビュー)
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彩波(いろは)
このレビューはネタバレを含みます
自分がゲイであることを秘密にし、それ故に、他人と深く付き合えずにいた穂坂。 ある日、怪我をして訪れた病院で出会った医師の筒見に、それを見抜かれた挙げ句に、言葉巧みに犯されてしまう。 「物欲しそうな目をしているから、きっかけをつくってやったんだ」 と言い切り、穂坂の他にも何人も関係を持つ人間のいる筒見に、穂坂は翻弄される。 という感じの話。 本の裏に書かれているあらすじを読むと、どっちかっていうと、穂坂は筒見にいいように手ひどく扱われる……って感じの予想をして読み始めたんですが、実際は、逆でした。 筒見としては、穂坂と関わったのなんて、ほんの一時の気まぐれに過ぎないので、いたって冷淡。 穂坂の前で、他の人とだっていちゃつくし。 穂坂に連絡しないのなんて、当たり前で、せっかく穂坂が連絡しても、誰かもすぐに思い出せない始末。 本当に「ろくでなし」。 よくBLにありがちな冷たさの中にある鬼畜の中にある甘さ的な要素が全くない。 ただひたすらに、酷い男なんですよね。 で、結局のところ。 穂坂が諦めたら、突然、穂坂に筒見が会いに来たところで、話が終わる。 間で、筒見視点のところがちょこっとあるのに、最後に関しては全く、筒見視点になることなく、突然会いに来るので、穂坂が諦めた後、筒見がどういう経緯があって心変わりしたのか、まったくわからない。 突然、現れて、突然抱きしめて、そこでブチッって終わるので、「え……?」みたいな感じでした。 本来なら、この後に仲直り(?)じゃないや、関係修復のえちみたいなのがあった後で、筒見視点の独白でもちょこっと入れた方がまとまりはよかったのかなー……と思います。 続きが出るんならまだしも、ここでぶった切られたら読者……というか少なくとも私は置いてきぼりでした。 最後以外は、あらすじとのギャップ以外は、そんなに不満もなかったので、かなりもったいない感じがしました。
投稿日:2011.10.19
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