【感想】方丈記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

武田友宏 / 角川ソフィア文庫
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • そう

    そう

    教科書で扱う古典だが、きちんと読んだことがなかったので読んでみた。和訳が最初にあるのでわかりやすいが、解説はやや主観的で偏った印象。とはいえ、文面だけからは辿り着けない解釈が語られているので参考にはなる。

    方丈記は、災害文学で、かつ隠遁文学なのだなと感じた。また、訳を読んでから長明の原文を読むと、その意味がわかりやすいだけではなく、長明の文章力がとても的確であることを感じられ、原文の方も楽しむことができる。

    古典に馴染みのない人でも気軽に読めて良いと思う。星3つなのは、隠遁文学的なところと、やや解説が偏っていたことによる。
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    投稿日:2024.04.19

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「古典を難しく感じるのは、時代背景が分からないと作品の内容が理解できないところにある。ビギナーズ・クラシックスシリーズでは古典の原文→その現代語訳→さらにその部分の解説という構成になっているので、当時の風習などを理解しつつ、原文の雰囲気を味わいながら古典に親しむことが出来る。」
    (大居雄一『身になる読書術』の紹介より。
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    投稿日:2024.01.14

  • Geo

    Geo

    災害文学の授業ネタとして、初心者用のこのシリーズを読みました。現代語訳、解説を読んで長明の無常観を深められた気がします。後世に影響を与えた和漢混淆を音読しようと思います。

    投稿日:2024.01.06

  • こっふ

    こっふ

    書き下し文を音読したくて買った。
    冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして…」の続きがどうなってたか気になって読みたくなった。

    解説も含めて音読して読み進めて行ったのでめちゃくちゃ時間がかかった。そして、分かった。
    これ、鴨長明のエッセイやん。

    学校の授業で取り扱ったが、当時はどんなお話か全く理解しておらず、長年の時を経てようやく分かった。
    時代背景の描写が無ければ、ただのブログと同じ。こんな中身だったのかぁ、と新発見。

    終盤になってようやく気付いたが、解説が主観に寄りすぎ。好みはあるだろうが、古典ですんなりと意味が分からないからこそ余計な感情は入れて欲しく無かった。それが先入観となって、方丈記の見方自体に影響が出る。

    古語の書き下し文を音読するのが気持ちいいので、古事記、方丈記と読んできた。次は源氏物語辺りも読みたいな。
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    投稿日:2023.11.06

  • ぴぽ太郎

    ぴぽ太郎

    好きです
    鴨長明の飄々とした語り口。

    だけど彼もいろいろ大変だったようですね

    人生の辛酸を味わってこそ描ける、水のように柔く濁りのない文体なのでしょうか
    ゆく川の流れは…

    投稿日:2023.09.26

  • abba-rainbow

    abba-rainbow

    このレビューはネタバレを含みます

    著者、鴨長明。1155生~1215没ということは、平安末期から鎌倉時代前半に生きた人物であり、60年間の人生における社会の様相などをルポルタージュした作品である。

    当時、世の中の様相は自然災害が頻発しており、長明が記している災害だけでも、大火、竜巻、飢饉、大地震等
    と、被災した民衆は多数に及び、悲惨な光景を嫌でも目の当たりにしていたようである。

    しかしながら、著者は一人暮らしであったほか、被災から守られ、むしろ客観的に、世の中の様子をとらえていたようである。現在でいうルポライター、またはジャーナリスト的な存在だったかもしれない。

    この「方丈記」、まずは鴨長明の「無常観」から始まり、最後は彼の人生哲学で締めくくられる。

    彼は、どちらかというと貴族階級に生まれたが、当時の世の中が貴族社会から武家社会への転換点を迎えていたことから、彼自身には武家社会に対する反抗心みたいなものもあったように思われる。

    また彼は確かに貴族階級に生まれたが、跡継ぎ問題でモメ、結局その争いに負けてしまい、不具な環境下に放り出されることとなった人生であった。

    誰かに常に守られ、手厚く扱われてきたような人生かが、一転して自分で生きていかねばならない境遇となった。それでも彼はけっこうたくましく、その環境に一人挑んでいった。

    また彼は文才もあり芸術をたしなむ才能も持っていた。つまり彼は、一人で生きていける素養を持った人物であったということだ。

    都の生活をしていた者として、都の様子に当然関心が向くのであるが、次々に起こる自然災害で悲惨な様相を呈している都の様子を見ながら、冷静な視線でルポルタージュし、そして思索を巡らしそれを記している。

    彼は、自分一人で生きていくことの達人だったかもしれないが、人の為に尽くすという発想にまでは至らなかった。その点で歴史の名を遺した人物として、少々物足りなさを感じるのはやむをえないかもしれない。

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    投稿日:2023.09.25

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