【感想】「あがり」は味方にできる

有光興記 / メディアファクトリー新書
(3件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • akihisaf

    akihisaf

    このレビューはネタバレを含みます

    スピーチ時の手の震えを直したくて購入。克服というよりも味方というタイトルにひかれて購入した。あがりは認知的不安と生理的覚醒からなる。上手にコントロールすることで最高のパフォーマンスを発揮する。

    【amazon kindleにて読了】

    p117 心理学とは、ある心の状態がなぜ起きるのか、仮設を立ててからアンケートや対象者の観察などで「心理状態の測定」を行い、実験によって仮設を検証する学問。
    p378 「あがり」のコントロールによってパフォーマンスは飛躍的に向上する。
    p437 あがっている状態で行ったパフォーマンスのうち、50%が成功した。
    p600 「あがり」とは「認知的不安」(嫌な考え)と「生理的覚醒」(心臓のドキドキや体の震え)が同時に起きること。
    p600 「自分がどう見られているか」を意識する「自己意識」には、自分の考えを見つめる「私的自己意識」と、他人からどう見えているかを意識する「公的自己意識」がある。「あがり」に関係するのは後者の公的自己意識。
    p627 簡単な課題の時は評価されることが動機づけとなって実量kが発揮でき、難しい課題の時は一人のほうが集中できて実力が発揮できる。」
    p678 女性は15-16歳、男性は17-18歳の時に公的自己意識が最も高くなり、どちらも年齢とともに低下していく。
    p698 公的自己意識が低下しても変わらず続く、この「人前に出るとオドオドしてしまうかも」といった思い込みこそ、社会人の「あがり」の原因になっているのです。
    p760 図6生理的覚醒は中程度のときに最もパフォーマンスを発揮する。
    p779 人が同時に処理できる情報量には限度がある。このキャパシティを心理学では「注意要領」という。
    p828 生理的覚醒がある時点まで高まりすぎるとパフォーマンスが大きく低下するヒステリシス現象。p841図8
    p903 面接などあまり動かさないパフォーマンスの場合は、生理的覚醒の影響をあまり受けない。
    p903 生理的覚醒が落ち着くのには早くて30分から1時間程度が必要。
    p1106 理論的には認知的不安が最低値、生理的覚醒が50%程度の時にパフォーマンスはピークを迎える。
    p1131 あがっても致命的な失敗にはならない。
    p1131 「あがり」の経験はあなたが真剣な気持ちでその場に立っていることを意味する。
    p1140 「あがり」を経験する場面は、あなたが人から何かを期待されている立場にあることを意味する。
    p1140 「あがり」の経験は、あなたが実力を発揮してこそ乗り越えられえる、困難な場面であることを意味する。
    p1183 パフォーマンスの成功度を実際に高めたと感じたのは、7種類の対処法のうちイメージトレーニングだけ。
    p1240 「あがり」を味方につける9ステップ
    p1242  ステップ①リラクセーション法
    深呼吸で全身の力を抜く
    p1249 深呼吸にはコツがあります。まず、意識的にゆっくり呼吸をします。目を閉じて、ゆったりとした姿勢で椅子に座ってください。可能であれば、横になるのも効果的です。4秒ほど数えながら鼻から息を吸い込み、また4秒ほど息を止め、今度は口から8秒ほどかけてゆっくりと息を吐きだします。息を吸い込むときはおなかが膨らむくらい思い切り吸い込み、吐くときにはおなかがへこむまで吐き出します。この4-4-8拍子の深呼吸が酸素の量を調節し、全身の力を適度に抜いてくれます。深呼吸は一度だけではあまり効果がありません。まずは10回ほど繰り返し、それでも興奮が収まらないと感じたら、加えて数回しましょう。
    漸進的弛緩法で筋肉をほぐす
    p1260 深呼吸で呼吸の状態を落ち着かせたら、次は緊張した筋肉をほぐしましょう。繰り返し約20-30分間ほど行うと驚くほどの効果を実感できる。
    1.静かな場所で仰向けになり、目を閉じる。
    2.利き手の拳を固く握りしめ、5秒数えたら緩める。
    3.反対の手で2の動作を行う。
    4.利き腕を曲げて上腕二頭筋(力こぶ)に力を入れ、5秒数えたら緩める。
    5.反対の腕で4の動作を行う。
    6.額にぎゅっとしわを寄せるように力を入れ、5秒数えたら緩める。
    7.奥歯を噛みしめて顎に力を込め、5秒数えたら緩める。
    8.肩をすくめるようにして力を入れ、5秒数えたら緩める。
    9.深呼吸を1回する。
    10.おなかに力を入れ、5秒数えたら緩める。
    11.つま先を下向きにして足首をピンと伸ばし、5秒数えたら緩める・。
    12.リラックス感を意識しながら、深呼吸を4回繰り返す。
    13.通常の呼吸をする。
    p1292 実は多くの人はスポーツ競技やプレゼンの本番近くになって緊張するのではなく、数時間、長い人だと数日前からじわじわと緊張し始める。
    ステップ②切り替えスイッチを作る
    p1341 スピーチやプレゼンの場合はそこまで(少し汗をかく程度まで体をあたためる)する必要はありませんし、逆効果になりかねません。その場で駆け足をしたり、ジャンプをしたりする程度でいいのではないでしょうか。
    p1358 まずは高揚感を具体的な言葉で表してみましょう。たとえば、「成功した」「勝った」「成し遂げた」「実力を発揮できた」という具合です。「成功した」であれば、その「成功」を生み出す動作や言葉、思考などをリスト化してきます。
    p1376 持ち歩ける程度の大きさのカードに【ストップ」と書いておき、嫌な考えが浮かんできたときにそれを視界に入れるという視覚的なスイッチでもよい。
    ステップ③最適な身体緊張度を自覚する
    p1392
    初対面の人との会話、目上の人を前にしたプレゼン、スポーツの試合など、様々な場面の中から、いままででいちばんよい成績を残したパフォーマンスを思い出す。
    そのときの体の緊張度とパフォーマンスの出来不出来を数字で記入。体の緊張度は「だるい」くらいリラックスした状態を「0]、考えられる限り最高の緊張状態を「100」とします。
    緊張のレベルが高すぎたらリラクセーション法、低すぎたらサイキングアップ法。
    ステップ④3段階の目標を設定する
    p1472 目標は長期・中期・短期に分けます。
    p1489 「次のプレゼンは滑舌を気にせず、とにかく話したいない要素をすべて伝える」と決めれば「話したい要素をすべて伝える」ための集中力は高まる。
    実現可能な目標はあなたのモチベーションを高めてくれる。「できるかも」は「やってやる」につながり、目標達成のための努力を続ける力にもなる。
    ステップ⑤対象や状況に慣れる
    ステップ⑥集中力を高める
    p1725 集中力は筋力と同じで日ごろから鍛えていなければ身につかない
    瞑想法は目をつぶり息を吸うときに数字を数え「リラックス」という言葉をイメージする。
    1.ゆったりと呼吸する
    2.息を吸い込みながら、心の中で「一つ」と数える
    3.息を吐き出しながら、「リラックス」という言葉を思い浮かべる。
    4.再び息を吸いながら「二つ」と数え、吐きながら「リラックス」・・・・
    1日に2回、10分間ずつ練習をする。
    音と色で集中力アップ
    p1742 1回15分間。身近な3つの物音に注意を移動させる。
    最初の6分間 部屋の中の音 時計の針や空調など
          家の近所の音 車のエンジンや人の声など
          家の遠くの音 電車の走る音や学校のチャイムなど
    を聞き分ける2分ずつ。
    次の6分間 30秒間隔で聞き分ける。
    最後の3分間 3つすべての音に注意を向ける。
    視覚的なトレーニング
    ステップ⑦本番を想像する
    p1781 イメージをより現実に近づけるために、モノクロの世界に色を付けることを心がけましょう。
    第1段階 自分がとてもリラックスできている光景を思い浮かべます。80%程度を目指す
    第2段階 リラックスをイメージした後、深呼吸をはさんで、パフォーマンスに成功した光景をイメージ
    第3段階 リラックスのイメージ、成功のイメージに加え、ステップ②の切り替えスイッチを用いて高揚感を感じている自分の姿を思い浮かべるイメージトレーニングを行う。
    p1816 イメージトレーニングであらかじめ「あがり」を経験してしまう。
    緊張や不安が生じて来たら、いったん想像するのをストップして、リラックスするまで深呼吸をする。
    ステップ⑧あがっている自分を実感する
    相手と目を合わさない会話というのはとても不安な気持ちになる。
    ステップ9ネガティブ思考を合理的思考に変える

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    投稿日:2016.03.17

  • Maa +

    Maa +

     学会で著者と会うことができてちょっと感激。

     実は指導教員と知り合いだった。

     ボクと年齢が4つくらいしか変わらなかった・・追いつけないなぁ。

    投稿日:2012.01.22

  • 隆一郎

    隆一郎

    調査によると日本人のおよそ8割が、多かれ少なかれ「あがり症」だと思っているのだそう。

    アマゾンの内容紹介から。
    プレゼンや面接、スピーチなど大事な場面でやってくる「あがり」。苦い経験を思い起こし、誰もがネガティブにとらえがちだが、実は、少しだけ自分の気持ちをコントロールできれば、あがっているときこそ、最大の実力を発揮できるのだ!本書は、長年「あがり」を科学的に研究してきた心理学者が、誰にでも実践可能な「あがり」を味方にする9つのステップを紹介し、あなたの「ここ一番」を成功に導く驚異の実用書である。


    まえがき:あがり症へのイメージを変えるために

    第1章:「あがり」の自己分析

    第2章:「あがり」とは何か?

    第3章:「あがり」と自意識

    第4章:「あがり」は失敗を招くのか?

    第5章:「あがり」はチャンスに変えられる

    第6章:「あがり」を味方につける9ステップ

    あとがき:あがっても大丈夫!



    【ポイント】

    ■1.日本人は対人場面での失敗を恐れる
     日本、オーストラリア、カナダでも、この二つの自己観を形成する「相互独立性」と「相互協調性」の度合いを測る調査がなされ、3国間の比較が行われています。調査によって、日本人はオーストラリア人やカナダ人に比べると、他人の視線を気にしやすく、人から好かれたいと思う傾向が強いことがわかりました。言い換えれば、日本人は他人と向き合う「対人場面」での失敗を恐れる傾向が強いのです。


    ■2.ひと目を気にする「公的自己意識」のチェック法
     他人からどう思われているかを気にする「公的自己意識」は、あがりやすさと関係してします。
     公的自己意識の高低を確かめる方法の一つに、指で「E」というアルファベットを自分の額に書くという手段があります。一度やってみてください。(中略)

    「E」をどの向きに書いたのか思い出してください。自分から見て正しい「E」を書いた人は私的自己意識が高く、向かい合う他人から見て正しい「E」(自分から見ると逆向きの「E」)を書いたのであれば公的自己意識が高い人です。公的自己意識の高い人は他人の目を意識します。「E」の字も、人から見て正しい向きを書こうとするのです。私的自己意識が高い人は逆にになります。


    ■3.プレゼンで頭が真っ白になる理由
     試しに、数字の100から3ずつ引いていく計算をしてみてください。余り1が出るまでのタイムを測ったら、今度は「昨日何を食べたか」を思い出しながら、もう一度行います。タイムは目に見えて落ちるはずです。
     先のプレゼVゼンの例でも、実はこれと同じ現象が起きています。ただでさえ多くのことを同時に行わなければならない状況で、あがり症の人の場合、さらに「不安な考えに頭を巡らせる」作業を行っているわけです。つまり、全体の進行に気を使い、次の言葉を思い出しながら、「失敗するかもしれない」「周りの反応がよくない、もうお終いだ」といった嫌な考えが頭のなかを占めている状態です。


    ■4.自信で不安を追い出す
     実力を発揮できたときに浮かんだ考えを思い出してください。あがりながらも成功したとき、あがらずに成功したとき、どちらでも結構です。そのときの考えは自信にあふれるものでしたか? それとも自分を否定する考えだったでしょうか。うまくいくときには「やれる」「この調子」など、自分に対して肯定的な考えが浮かびやすいものです。それに気づけば、次の機会にどんな考えで本番に臨めばうまく運ぶのか、おわかりになると思います。自分に対して肯定的な考えをもつようにすればいいのです。


    ■5.有効な「あがり」の対処方法はイメージトレーニング
     7種類の対処法のうち、有効なものはどれでしょうか。引き統き大学生への調査で「それぞれの対処法を行った際にパフォーマンスはどれくらい成功したか」を尋ねました。
     意外にも、彼らがパフォーマンスの成功度を実際に高めたと感じたのは、7種類の対処法のうちイメージトレーニングだけ。反対に、パフォーマンスの成功度を下げたのは回避だけでした。


    ■6.言葉のスイッチで最適な心理状態に
     まずは、高揚感を具体的な言葉で表してみましよう。たとえぱ、「成功した」「勝った」「成し遂げた」「実力を発揮できた」という具合です。「成功した」であれば、その「成功」を生み出す動作や言葉、思考などをリスト化していきます。(中略)

     リスト化した一つひとつが、あなたのスイッチになります。
     高揚感を覚えた状態をイメージしながら、その動作や言葉、思考を実践しましょう。何度も繰り返すと、次第にそのスイッチをきっかけにして高揚感を覚える癖が身につきます。これは自己暗示の一種で、ある動作や言葉、思考で頭や体が満たされているときに、常に同じ状態(この場合は高揚感を覚えている状態)になるよう習慣化してしまうのです。


    ■7.経験を積めばあがらない
    「あがり」を経験しやすいのは、他人からの評価によって自分が脅威にさらされる状況です。こうした大舞台を何度も経験すると、次第に自分のよいところと悪いところを客観的に評価できるようになり、どのように振る舞えばよいかがわかるようになってきます。
     プレゼンやスピーチであれば、「話の出だしでどもることが多いので、深呼吸をしてから話し始めよう」「大人数の真剣な視線が苦手なので、笑い話を入れて観衆の空気を和ませよう」。あるいは「レジュメを読みあげるより、何も見ずに話したほうが自分は緊張しない」というように、パフォーマンスの内容自体を向上させるコツが身についてきます。

    本書が「あがり」に対して、単なる「対処法」で終わらせずに「味方にできる」と言ってるのは、適度な緊張は、パフォーマンスを向上させる効果があるからです。

    確かに、あまりにリラックスしすぎていては、ここ一番で実力を発揮できないもの。

    本書は第4章までで「あがり」を分析し、続く第5章では「あがり」をチャンスに変える方策を探ります。

    そして第6章では、本書のキモである、『「あがり」を味方につける9ステップ』が。

    とにかく「何とかしたい」という方なら、ここだけは必読でしょう。


    ◆そのステップ1では、「リラクセーション法」で緊張を解き、ステップ2では「サイキング・アップ」で逆に高揚感を。

    後者はあまり聞きなれない言葉ですが、高校球児が円陣を組んで「しまっていくぞ」とかけ声をかけたり、アニマル浜口氏の「気合だ!」というかけ声をかけたりするのが、その典型例です。

    実際、おなかの底から声を出すと生理的覚醒が高まって、やる気がでるのだそう。

    スポーツはともかく、スピーチやプレゼンで、事前に大声を出す、というのは難しいでしょうが、それまで椅子に座っている状態から、立ち上がってすぐにベストな状態でパフォーマンスを行うのは難しいもの。

    こんな時には「その場で軽く体を動かしておく」のが良いようです。


    ◆ステップ6では「集中力を高める方法」について言及しており、「瞑想法」や音・色を使った「トレーニング」の方法の解説が。

    特に「集中力」に関しては、本番の試験のみならず、日頃の「勉強」にも活用できるので、マスターしたいところです。

    「成果を記録する」というあたりは、当ブログでも人気だった『最強の集中術』を彷彿とさせるようなw
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    投稿日:2010.10.31

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