【感想】鈴木敏文の「統計心理学」 「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む

勝見明 / 日経ビジネス人文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
4
7
5
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ブクログレビュー

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  • motohito884

    motohito884

    ビジネス選書サマリー。セブンイレブンの鈴木寿史会長の手腕を紹介した本。

    例えば98年秋に「消費税分還元セール」が大ヒットした。これは顧客の心理を刺激したものだ。顧客の心理に“反消費税”という物語を見出し、消費税アップに対する潜在的な不安感を刺激したのだ。経済学の発想なら単なる「5パーセント割引セール」になる。だがこれでは消費者の心理を刺激することはなかったはずだ。

    数字の裏を読むのも鈴木流統計術の特徴だ。一般に公表されるデータを目にしても、額面どおりには鵜呑みにしない。数字の裏の裏を読もうとする。例えば、アンケートなどの調査も疑ってかかるべきだ。社員が街頭で店についてアンケートしたところで面と向かって「良くない」と言える人はほとんどいない。粗品でもあげればなおさらだ。また2~3人連れの女性達に質問すると、その中の発言力のある人の答えに残りの人が追随する。そのため本当のことが出てこない。
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    投稿日:2019.07.08

  • japapizza

    japapizza

    鈴木氏の金言を中心に構成している。
    「先行情報」をもとに「仮説」を立てPOSで「検証」するは最も鈴木氏の考え方が反映されていると感じた。POSは過去の売れ筋商品を探して将来の仕入れに生かすものだと思っていたが、氏によれば、そうではなく、仮説が正しかったかどうかを検証するためのものであるとのこと。自分なりに問題意識を持ち、仮説を立てることが重要だと言う。
    日常の業務でも同じことが言える。過去の延長が未来ではないということを日々念頭において仕事をせねば、と思う。

    ただ、結果と推定される原因が本当にそうか?と感じるところが幾つかあった。自分の感覚がおかしいのか、鈴木氏や解説の勝見氏がおかしいのか、よくわからないが、それくらい自信がないと行動まで移すのは難しいのだろう。自信も当然ながらビジネス推進の基盤である。
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    投稿日:2018.10.08

  • taahhta

    taahhta

    直感、本は読まない。
    なかなか声に出しにくい事でも言っていて凄い。正直共感できる。
    ゼロ秒思考という事だと思う。

    投稿日:2017.03.17

  • tetito

    tetito

    このレビューはネタバレを含みます

    天下のセブン&アイグループの総帥、鈴木さんの書籍。
    最近、新版が出ていて読みたいなと思ったら、昔のものがあったので読んでみた。

    最近のデータ分析ブームで色々な書籍があるけれど、本書はその基本的なところをカバーしている良書だと思う。
    特殊なテクニックなどではなく、日々仮説思考を持ってデータと現場に接して試行錯誤を繰り返すという基本に忠実な事例が載っているからだ。
    かなり目から鱗のことが多かった。
    個人的には、現在の日本の消費者は多様性ではなく、極度の同質性であるという指摘がかなり良かった。やはりさすがである。
    自分もそういった独自性を出せるように精進したいものだ。

    目次
    第1章 鈴木敏文はどのように意思決定しているのか
     1 「客観」と「直観」、二つのカンで発想する
     2 鈴木敏文を見ている「もう一人の鈴木敏文」
     3 発想の根本にある「五つの視点」
      鈴木流独自発想の視点1 変化の流れを時間軸で捉えると、今の時代の動きが分かる
      鈴木流独自発想の視点2 時間軸を輪切りにすると本当のようなウソが見えてくる
      鈴木流独自発想の視点3 時間軸で未来に目を向けると、今の時代の顧客心理が読める
      鈴木流独自発想の視点4 脱経験的思考――過去の「常識」は今の「非常識」
      鈴木流独自発想の視点5 陰陽両面的思考――買い手の「合理」は売り手の「非合理」
     4 天才経営者と凡人ビジネスマンはどこが違うのか

    第2章 商売は「経済学」ではなく「心理学」で考えろ
     5 顧客は「経済人」でなく「心で動く人間」である
     6 顧客の心理を読む「琴線と金銭」の商い
     7 鈴木敏文は顧客の心理をこう読む
      鈴木流顧客心理の掴み方1
       「富士山型」発想を捨て「茶筒型」に転換せよ――「昨日のお客」より「明日のお客」
      鈴木流顧客心理の掴み方2
       海辺の店でなぜ、梅おにぎりが大量に売れるのか――「先行情報」と「経験情報」
      鈴木流顧客心理の掴み方3
       あいさつ一つで顧客との距離感を縮める――「無意識」は「無視」と受け取られる
      鈴木流顧客心理の掴み方4
       なぜ、高密度多店舗出店戦略なのか――顧客心理の変化がもたらす「臨界点」
      鈴木流顧客心理の掴み方5
      商品の陳列は顧客の目線で考えろ――「合理的」より「目につきやすさ」

    第3章 半歩先を読む鈴木流「統計術」の極意を学ぶ
     8 鈴木流経営学の原点は隠れた大学院時代にあった
     9 なぜ、「現場主義」ではなく「データ主義」なのか
     10 データや情報を読み解く「五つの極意」
      鈴木流統計術の極意1 売り手から買い手へ、視点を変えると別のデータが見える
      鈴木流統計術の極意2 統計データは鵜呑みにするな、その背景や中身を突きつめろ
      鈴木流統計術の極意3 同じデータ、情報でも「分母」を変えると意味が逆転する
      鈴木流統計術の極意4 なぜ、モノが売れないのか、心理抜きには統計は読み切れない
      鈴木流統計術の極意5 仮説・検証で初めてデータが生きる、WHYとWHATの問題意識を常に持つ
      鈴木流統計術の極意中の極意 自分の都合のよいように、数字のつじつま合わせをするな

    第4章 鈴木流「場のつくり方」を学ぶ
     11 徹底してダイレクト・コミュニケーションにこだわる
     12 繰り返し伝えることにより基本を「血肉化」させる
     13 共有化のための「場」を大切にする

    第5章 現場の社員たちはどのように鈴木流経営学を実践しているか
     14 社員のコミュニケーション能力を重視する
     15 仮説・検証を店舗経営に活かす
     16 自分の仕事で「物語」をつくれるかどうか
     17 顧客の共感を呼ぶ「場」づくりにこそセブン-イレブンの強さがある

    おわりに
    鈴木敏文氏の金言集

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    投稿日:2014.01.26

  • hitocchi

    hitocchi

    もう少し早く読めばよかった。要は、現代は売り手市場ではなく買い手市場なので売り手の過去の成功事例や栄光にしがみついてやるものではないということ。直観が大事だが、そのために問題意識を持ってデータを読み解き、常に疑問を持つこと。「他店見学してはいけない」は大胆。やはり成功するには過去との決別と大胆な行動、そしてその覚悟が必要ということか。続きを読む

    投稿日:2013.09.14

  • ysk-matsu

    ysk-matsu

    鈴木社長礼賛本に近い内容となっている。タイトルに「統計」という文字も入っているが、さほど統計に言及した内容も多くない。
    しかし、鈴木氏が大事にしている「仮説検証」は多くのケースで語られているため、その他のビジネス書にも多く書かれている「仮説検証」を抽象から具体へと理解を深めるのに役立つ一冊。続きを読む

    投稿日:2013.05.19

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