【感想】市塵(下)

藤沢周平 / 講談社文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • moboyokohama

    moboyokohama

    新井白石ってすごい人だったんだなぁ、というのが感想。
    下積みを経て徳川家宣に信頼され重用を受け幕府の頭脳とも言える働きをし家継の世もサポートして、白石がいなければ日本はどうなっていたのだろうと思わせる存在になりながら吉宗の世になると一気に凋落と言って良いような扱いを受けるようになる。弊履を捨つるが如き扱い。
    1人の人間の栄枯盛衰、かくも残酷なものか。

    講談社文庫で読んだので伊集院静さんの解説が巻末にあった。
    これが良い。
    藤沢周平ファンの思いを代表して語ってくれている。
    フランスの日本料理店で初めて藤沢周平さんの用心棒日月抄に触れてから一気にファンとなってのめり込んでいったエピソードには「そうそう、私もおんなじ」という声が聞こえてきそうです。
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    投稿日:2021.09.16

  • 0107springsteen

    0107springsteen

    朝鮮通信使や貨幣改鋳のくだりが少々冗長および予想通りの展開ということで少々★評価を落とす。
    結局白石の零落ぶりに品を見出すか否かでこの作品の印象は随分と変わってくるんだろうなと思うけれども、当方は自らの正義の貫徹を追求する求道者というより顕示欲にかき乱される俗な(あるいは普通の)お方といった印象を持ちましたな。
    間部詮房といい権力という悪魔に取り憑かれるということは人間の業そのものなのかもしれません。
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    投稿日:2015.07.04

  • nakaizawa

    nakaizawa

    (1999.08.10読了)(1998.08.19購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    内政外交の両面で新井白石は難題に挑んでいく。綱吉時代に乱れた経済立て直しのための通貨改革、朝鮮使節との交渉。国のため、民のために正論を吐く白石だが、その活躍ぶりを快く思わない政敵も増えた。そんななか、白石を全面的に庇護してきた家宣の死で、白石の運命は、また大きく変わることとなった。

    ☆関連図書(既読)
    「市塵(上)」藤沢周平著、講談社文庫、1991.11.15
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    投稿日:2013.08.06

  • さかな

    さかな

    新井白石について知っていることといえば正徳の治という言葉くらいで、漠然とすごい人なんだろうとしか思っていなかった。市塵というタイトルの示す意味を知り、後世に伝わる偉人でも人間味ある人には違いないと思った。
    2012/1/26
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    投稿日:2012.01.26

  • 千野

    千野

    朝鮮使節の出来事が入ってきて、上巻以上に政治面が押し出されている。他の歴史小説にありがちな主人公を持ち上げすぎるところがなく、歴史研究家のように冷静に見つめている。これを読むと『蜜謀』がいかに政治の部分をテーマとして優先させていないかがよくわかる。文章については、この作者なので不満点は当然ない。続きを読む

    投稿日:2006.12.27

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