【感想】異形の日本人

上原善広 / 新潮新書
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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ブクログレビュー

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  • ありんこゆういち

    ありんこゆういち

    先日読んだ「一投に賭ける」は名著と言っても過言ではない作品でした。
    無頼アスリートという惹句に惹かれましたが、中身は自分で自分をコントロールし、誰にも左右されずに独立独歩で生きて行く男の姿そのままでした。
    この本にはそのアスリートの前段ともいえるインタビューが収録されています。やはりかっこいいな。関わると大変そうだけど。
    他も、マスコミでは封殺されそうな人々の生きる様が描かれています。とても興味深い本で、誰も彼も強烈な個性です。
    唯一ターザン姉妹は毛色が違くで、色物ルポタージュの様相を帯びています。
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    投稿日:2020.11.13

  • ucym100

    ucym100

    「一投に賭ける」のもとがある

    平田弘史 アキラの題字

    溝口和洋
     ウエイトトレーニング 平均4時間 他のとあわせて練習6時間
     ソウル五輪 予選落ち 会場の雰囲気 日本語の声援
     吉田雅美 風邪で寝込んでいるところドアをあける 吉田2000年自死

     グランプリシリーズ 賞金は陸連に知らせず自分で受け取った
     CM出演料はほとんどが陸連がもっていった
     サンノゼ 四投目 87.68 再計測で87.60
    1989年のグランプリシリーズを記録した国際陸連発行のIAAFマガジンの表紙は溝口

    桂春団治
     smith 鍛冶 ウェブスター 織物工、機織部、服部
     皮田 比較職人
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    投稿日:2020.08.15

  • sazuka

    sazuka

    宮本常一の『忘れられた日本人』とは対極の、異端の人々、タブーとされた出来事を通じて、宮本とは違う意味の「忘れられた日本人」を描いた、と著者が語る。



    マイノリティにこそ、日本人の本質的な何かが隠されているのではないか、と。



    月刊誌に発表されたものと書き下ろしを加えた6章からなるが、各章はかなり雰囲気が違っている。

    「ターザン姉妹」は、近親婚を繰り返した一族の姉妹が、類原人のように先祖返りを起こした、という報道を追ったもので、ゴシップかと思いきや、医師が発表した写真を、時の皇太子が見て、血族結婚の怖さを知って民間から美智子妃を選んだ、などという話に突き当たったりする。

    「血だるま剣法」は、路地(被差別部落)の差別への怒りから書かれた作品が、逆に部落解放同盟から糾弾される。「溝口のやり」は、破天荒な陸上選手、溝口和洋の半生を追う。

    こんな風に、それぞれ、なんというか、「濃い」話ばかり。



    僕は宮本常一の『忘れられた〜』のように、なんでもない、新しくもないことにこそ、いやむしろそれだけに価値がある、ぐらいに思うことがよくある。だが対極とされるこの作品に出てくる人々は、それはそれで、彼らにとってはなんでもない日常だったのではないだろうか。無名だろうが地味だろうが、どんな人の話だって面白いはずだ。だから耳目を集めるようなネタで宮本常一と向こうを張るのはちょっとどうよ、と思いつつ、そもそもそこに線を引くのがおかしいかもしれないな…と、無限ループ的思考に陥っている。
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    投稿日:2015.09.12

  • H.M.

    H.M.

    上原のルポを集めた作品集
    タイトルはちょっと無理やりなので
    信じてはいけない
    ターザン姉妹と春團治が特に良かった
    4.5点
    四捨五入で★5

    投稿日:2014.12.06

  • georgerock

    georgerock

    ターザン姉妹、解放同盟に弾圧された漫画家、パチプロの元槍投げ選手、筋委縮症でセクハラ裁判の女性、ストリッパー、皮田藤吉(初代桂春團治)に関するレポ。

    主に各紙に掲載されたものをオムニバス形式に。

    読み物としては、鹿児島のターザン姉妹に関するものが秀逸。続きを読む

    投稿日:2014.02.15

  • fuchen

    fuchen

    哀しい宿命のターザン姉妹、解放同盟に徹底的に弾圧された漫画家、パチプロで生活しながら唯我独尊を貫く元日本代表のアスリート、難病を患いながらもワイセツ裁判を闘った女性、媚態と過激な技で勝負する孤独なストリッパー…社会はなぜ彼らを排除したがるのか?マスメディアが伝えようとしない日本人の生涯を、大宅賞作家が鮮烈に描く。
    ------------
    たいそうなタイトルと興味を惹く作品紹介に思わず読んでみたけれど
    新書ということもあり、物足りなさが残った。
    それぞれテーマは深く考えさせられるものばかりだけれど
    文章量が少ないため、いまいち深く伝わらない。
    もう少しネタを少なめに、1章の濃度を濃くしたものが読みたかった。
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    投稿日:2013.09.09

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