【感想】生きる意味

上田紀行 / 岩波新書
(57件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
11
16
18
2
1

ブクログレビュー

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  • pippin幸せ

    pippin幸せ

    P128~
    多様性を肯定する時代へ
    「数字信仰」からの解放が求められている。数字は私たちが使いこなすものだ。私たちが数字に使われるようになっては、私たちの「生命の輝き」は死んでしまう。
    いまこそその数字への執着を手放すこと。そして真の豊かさ「生きる意味」の豊かさへとシフトすること。そのプロセスこそが、21世紀初頭の私たちの文明的課題なのである。続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • yoshinar

    yoshinar

    もう20年近く前の本。新自由主義とか「構造改革」とかが台頭しつつある頃にあって、警鐘を鳴らしているような内容。それから20年近くがたち、まあ、まさに著者が危惧しているようなことが現実として落ち着いてしまっているように思う。
    この本で書かれているべき論がそのとおりになれば、それはそれでよいのだろうけど、ちょっとアオいようにも感じてしまう。何を求めてこの本を読み始めたのかいまやおぼろだけど、この本を読んだところでやはり生きる意味はわからない。ただ、生きるって何があろうとひとまずは生きて(しまって)いるから生きているのだと思う。この本に生きる意味が書いてあるんじゃなくて、結局は自分なりの生きる意味を探すってことなんだろう。
    でもそれって、あてのない自分探しと同じようなものだと思うので、心の片隅で生きる意味を問いながら、まずは日々を重ねていくということなのかと。
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    投稿日:2024.01.28

  • nirota0703

    nirota0703

    ■■評価■■
    ★★★★☆

    ■■概要・感想■■
    ○愛する意味の著者と同じ方の書籍。出版年は2005年だが、扱われている問題はむしろ今のほうが深刻になっており共通である。

    ●「自分の幸せのみを喜ぶものの幸せは有限である。しかし他人の幸せを我がことのように喜べるものの幸せは無限である」。
    ○愛は与えると減るものではなく、増えていくものであるという著者の別の本にあるような考え方が大切なんだと思う。

    ○相対化されたあるべき姿を目指すのは、経済的に生きていくためには必要。だけれど、個人の、絶対的な価値観でのワクワクを感じることだったり、理想に向かってのギャップを埋めていく作業こそが、生きる意味につながると感じた。

    ○行間、具体例、想いを受け取って実施していくことが大事なのかと思った。
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    投稿日:2023.07.29

  • michy110

    michy110

    ===qte===
    質問は自己表現だ 文化人類学者 上田紀行
    2022/6/22付日本経済新聞 夕刊
    大学でも、企業でも、講義やプレゼンテーションが終わった後の反応は日本と外国では全然違う。外国では話が終わった途端に我先にと手が上がり、質問やコメントが殺到する。日本はほかの人の質問を待つ人が多く、特定の人がいつも口火を切ることになりやすい。

    それを痛感したのはアメリカ西海岸のスタンフォード大学で教えていた頃だ。90分の講義時間で50分以上話すと学生がイライラしだす。そして講義が終わるやいなや、矢のように質問が四方八方から飛んでくる。渡米直前に出版した『生きる意味』の中で、ぼくは日本人の創造性を封殺しているのは「他人の目」だと論じた。自分の言いたいことより「周囲からどう見えるか」を気にして牽制(けんせい)しあう。世界中から集まった学生たちの姿に、さらに思いが強まった。

    講義の受け方がまず違う。日本では講義後に「質問ありますか?」と聞かれて考え始めるが、外国では講義の冒頭から「何を質問してやろうか」と考えながら聞いている。だから日本人は出遅れて、結局質問できない。また日本では小さい頃から「授業で分からなかったことを質問する」と思い込まされている。でも外国人学生にとっては自分の考えを、問題意識をぶつける場だ。質問は「自己表現」なのだ。

    日本には日本の良さがある。でも「先生、ここがわかりませ~ん」と「先生、ここが納得できないんですけど……」の差は大きい。『生きる意味』も読みつがれて36刷になった。それは嬉(うれ)しいけど、日本社会のあり方は変わったのだろうか。「質問」を変えましょう!
    ===unqte===
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    投稿日:2022.06.25

  • しょたぼう

    しょたぼう

    大学時代にゼミで課題図書となっていた本。
    社会人3年目も終わりに近づき、自分のやりたいことに立ち返る、もしくは再構築すべく、改めて読もうと思い立つ。

    バブル期、終身雇用社会など、皆が目指す豊かさの理想像を追っていれば幸せだった時代から、
    個人自立型社会となり、個人の幸せを追う(追わないといけない)時代になった。
    与えられることに慣れている人間が、自らレールを作っていくって難しいなという原体験がある自分にとっても刺さる内容が多い。

    特に第5章の内容がおすすめ。
    誰の人生なのか。何を大切にしたいのか(人生における濃淡をつけること)。
    生きる意味は、自分が置かれた状況によって進化していくものなので、節目節目での定義づけが必要だなと。
    そのために、ワクワクすることと苦悩することに日々目を向け、それを発信することで自身の生きる意味を構築し、そこに共感いただけるコミュニティを大切にしていきたい。 
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    投稿日:2022.01.16

  • mahorakan

    mahorakan

    生きる意味が見えない
    社会を襲っている問題→「生きる意味」が見えないこと
    疲れている、何故生きているのか分からないのが若者の標準となりつつある。

    「学校のせい、社会のせい」
    自分の人生がうまくいかない原因を周りのせいにする。

    「空」の重なり
    夢は空をつながっている
    「空」とは言語の場

    西欧化・近代化・グローバル化
    世界中でグローバル化が進んでいるが、グローバル化は古代にもあった。

    文化という課題
    文化には「多様性を守る」という課題がある。

    一冊の中に興味深いことや考えさせられることなどがたくさん書かれていた。「生きる意味」についてもじっくり考えていきたい。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.17

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