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中村豊秀 / 中公新書 (2件のレビュー)
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ukaiya
決して、大きな歴史を動かしてはいないが、自分の意地、家族の暮らしを賭けて戦った武士たちの記録。一風変わった幕末史。
投稿日:2017.06.25
のり
騒動は、安政二年六月の夏にはじまった。田辺に居住する紀州藩横須賀組一統に対し、紀州家から支藩安藤家への支配替の通達が届けられた。横須賀組二十二家はこれを拒み、家康以来の徳川直臣の家柄である証拠書類をも…って安藤家と執拗に通達撤回の運動を行なうが、決裂、整然と田辺を退散して浪人となる。しかし、六年余の浪浪の後、一統は復帰運動を展開する。本書は、団結して復帰成功に至る横須賀組の動向と、幕末武士社会を描く。(1993年刊) ・まえがきー百四十年に及ぶ侍たちの血脈 ・一章 ある日突然に ・二章 田辺与力の由来 ・三章 従い難く候 ・四章 和歌山出府 ・五章 お暇のとき ・六章 海辯和尚 ・七章 幕閣登場 ・八章 大願成就 ・九章 松阪御城番 ・十章 「苗秀社」士族の商法 ・十一章 危機至る ・あとがきに代えてー志を遂げ、そして名が残された 副題は、紀州藩田辺詰与力騒動一件。 ネタは面白いが、文体に馴染めない。もう少し、学術的であって欲しいと思うが、そこは読む人の好みであろう。 横須賀組は、家康が直接召し抱えた武士たちの集団であったという。大須賀康高の与力とされ、のち安藤帯刀直次に付けられ、直次が紀州家の付家老となると、彼らも紀州へと移る。 紀州で、横須賀組は3分割される。付与力として、田辺安藤家、新宮水野家の指揮を受けるものと、和歌山にあって大御番となったものに分かれる。 付与力という立場は、安藤家にとっても好ましくないものであったが、安政二年になって、本藩の後押しを受け支配替を命ずるに至る。 本書では、田辺詰与力達が、退散し浪人となるも、幕府を動かし復帰するまでを描いているが、幕末の紀州藩でこの様な騒動があったとは知らなかった。武士のメンタリティーや主従関係を考える上でも興味深い出来事である。続きを読む
投稿日:2015.11.17
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