0
森博嗣 / 中公文庫 (17件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
ykikuchi
『日経パソコン』という雑誌に掲載されていたエッセイを書籍にしたもの。道具というテーマで1枚の写真と共に森さんの思考が言語化されたもので、凡人にない発想を垣間見ることができる素敵な本。 私の印象に残った…ものをいくつか紹介すると、、 タイトル:測らない計ります図る量るとき謀れば諮ろう では、天秤について語っていいます。その中の一節を抜粋する。 「さらに、天秤を見て感じるのは、バランスがとれている平衡状態が、いかに不安定なもの、奇跡的な条件か、ということである。」 バランスが取れている状態から不安定を感じ取る感性に驚く。 タイトル:いろいろなものが回っていた時代、それが20世紀 「人間の歴史、文明は、とにかく回転によって作られてきた。それは、コロによって重いものを運んだときに始まっただろう。」 技術、工学のツボをとらえた視点の鋭さに唸った。 風車、轆轤(ろくろ)、ドリル、扇風機、洗濯機、タイヤ、モーター等あげて、私たちにこれまでの文明を振り返ってもらい、これからの世界に想いを馳せる。 「つまり、回るものは、今や減少する方向にあるようだ。「頭の回転が速い」などという表現も、じきに死語になりそうな気がする。」 ユニークな視点から繰り出される発想、アイデアへといたる思考の歩みを見ているような気分になる。表紙の「一匹の犬の目の前に続く道の写真」が本書の全てを言い当てているように感じた。続きを読む
投稿日:2022.10.09
るこ
道具に関するエッセイ。 どうでもよいことを書いているようで、もの凄く深いことを書いているような気もする。
投稿日:2020.07.10
゜つよし。
今作は著者のエッセイである故に、彼の環境や考え方、物事(この場合は道具)に対する捉え方が1ページごとに記されていて、且つその都度写真もカラーで添付してあるため、読めば読むほど面白い。解説者(平岡幸三)…も感動したように、森博嗣の言葉は道具(ツール)の説明から話がより深奥に変転していき、時に称賛、時に皮肉らしく人間の道具や物事に対する姿勢について楽しんでいる。この本を読むと思わず「ふふっほんとうになあ」と知的楽しさに駆られることだろう。続きを読む
投稿日:2019.01.06
yukay03
道具とは何か? 道具を変えることで、自分が変わることがある。 デザインについて考えることで、モノへの認識が変わることがある。 文系の私には斬新な考え方がたくさん。同じものを見ても、こうも違う視点がある…とは。 森さんという人を知るにもいいコラム集。続きを読む
投稿日:2016.03.16
ちゃびぞう
日経パソコンに連載のエッセイ 。所有している道具の写真とともに。 写真が、懐かしいものから珍しいものまでわくわくする。 電子書籍を購入したが、ダウンロード期間が1年というのが難点。謎。
投稿日:2014.03.08
dachi
このレビューはネタバレを含みます
デジタル雑誌に連載されたエッセイをまとめたエッセイ集。 道具をテーマにしている。 1章ごとに、著者のMy道具が1つ取り上げられており、また著者の意見も方々なものに向いており、興味深い。 それにしても、自宅のガレージにフライス旋盤まであるとは・・・恐れ入る。 個人的に特に気になったのが鉛筆削りの章。 「僕的には、デザインとアートは正反対に位置する存在」 メーカーは、アートでなくデザインをしている。 「形」ではなく「性能」をまず考え、「素晴らしい性能には、素晴らしい形を」という意気込みとして、製品の形が作られる。したがって、僕たちの目に見えるのは、その意気込みに他ならない。 自分は、デザインな人間なのか、はたまたアートな人間なのか。
投稿日:2012.08.18
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。