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永井路子, 杉本苑子 / 中公文庫 (1件のレビュー)
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yassan0898
めちゃくちゃ面白いです、永井路子、杉本苑子といういずれも1920年生まれの大熟女がかしましくも語る「ごめんあそばせ 独断日本史」。まるでその時代に生きて、まるでその人たちとしょっちゅう会っていたか…のように語る、歴史上の人物の悪口三昧、こき下ろし。女たらしだの愚図だの、自己チューだの、デリカシーがないだの、世の中を見る目がないだの、好きだの嫌いだの・・・まあ次々と血祭りにしてしまうありさま。まな板に載せられたのは、紫式部、清少納言から始まって、平重盛、建礼門院、源義経、上西門院、後白河法皇、後醍醐天皇、楠正成・・・とまあ、きりがないほど。 まあ女同士、とりわけ気に入らない女の話になるとその口調はボルテージが上がるようで、建礼門院などホントにボロクソ。一族が皆死んでゆくのにポワーンとしている、覚悟がないからプカプカ浮いちゃって、しかもたっぷり長生き、感情が平板、陶器の心臓・・・。自分など少し建礼門院に肩入れしていたもんだから、もう腹が立つほどのけなしよう。しかし面白い。もう一人が後白河法皇の姉の上西門院。女ボス、オールドミスの大金持ち、動かないからでっぷり太って二重あごのド近眼、もちろん極め付けブス・・・、ははは、読んでいるのが辛いくらい。女が女を語るときは、ホント、容赦がありませんなあ、って感じ。おお、こわっ。 女流作家の大御所と云ってもいいこの二人、大熟女と云ってもこの対談の時にはまだ60代半ば。一番パワーに溢れた頃かも知れません。その二人が縦横に歴史上の人物をぶった切る。実に痛快、しかし、何やら事実めいたものが見えてきて面白いのだ。ま、こういう非正統の歴史本というのもアリと云うことでしょうかね。それにしても面白い。続きを読む
投稿日:2014.05.13
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