燕は戻ってこない
桐野夏生(著)
/集英社文庫
作品情報
北海道での介護職を辞し憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳・独身女性のリキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニックの日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられる。バレエ界の「サラブレッド」としてキャリアを積み、自らの遺伝子を受け継ぐ子の誕生を熱望する43歳男性・基。その妻で、不育症と卵子の老化により妊娠を諦めざるを得ず、「代理母出産」という選択をやむなく受け入れる44歳女性・悠子。それぞれのままならぬ現実と欲望が錯綜する、ノンストップ・ディストピア小説!
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商品情報
- シリーズ
- 燕は戻ってこない
- 著者
- 桐野夏生
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2024.03.19
- Reader Store発売日
- 2024.05.09
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 472ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (22件のレビュー)
-
設定があまりなくて、とても面白そうだったので、本作を手に取りました。手に取った時は、出産後の話がメインに書かれているのかなと思ってましたが、実際は出産前の葛藤が描かれており、そこに人間らしさが見られ、…個人的には面白かったかなと思います。
本作のテーマは「代理母出産」。妊娠が出来ない女性の代わりに人工授精等で出産するというもの。本作の主人公は、困窮した生活から逃れるため、バイト感覚で代理母出産を引き受けます。本作では、その代理母出産の決断から受精、妊娠、そして出産の過程が描かれます。
代理母出産というテーマを通して改めて、通常の出産に向き合うことができる作品であるように思いました。特に、妊娠に必要な性行為やパートナーとの関係性、身体的な痛みを伴って産まれた子どもへの愛情など、各フェーズごとに主人公が自分の感情と向き合う姿が印象に残りました。
男性の自分では絶対に出来ない、こうした未知の領域を疑似体験できるのが、読書の良いところだなと改めて思いました。続きを読む投稿日:2024.05.04
全員の言い分がわかる気がするからこそ、代理母がうまくいくかは運や縁になる気がした一冊。本書では、産まれてからうまく噛み合わなかったので、ああいうラストになってしまった。言い方は悪いですが、全員初めてだ…ったのでどういう気持ちになるかまったくわからなかったのではないでしょうか。しいて言うならその気持ちの動きをフォローできなかったコーディネーターのミスなのかもと思いました。
わたしが日頃思っていることがあります。子供を産み育てるときに責任が伴うのは当たり前。でも、その責任が重くなりすぎると誰も持ちたくなくなる。何でも個人の責任、親の責任と言いたくなってしまうような世の中の流れの中で子を持つことはとても難しいものだと思いました。
産めない女性とは?子を持つとは?代理母とは?男性とは?取引とは?なんてことをずっと考えさせられる本です。
■本書全体に大きくのしかかる貧困
「全部貧困のせいだ」って言いたくなるほど、すべての根源となっているように思いました。どの場面でも、その行動をするのは「お金」だよね?と思わされました。一生懸命でも適当でもずっと同じ賃金。かといって、会社も派遣さんを正社員登用するほどのお金はない。人材不足と言われつつ派遣制度は減らない。田舎に戻ったら仕事は限られる。でも、働かないと生活できない。その一方で・・と考え始めるときりがなく、重かったです。
■りりこの潔さ
本書のなかの清涼感あふれる人物りりこ。意見がはっきりしていて清々しい印象を持ちました。意外な過去が出てくるかと思いきや、出てこなかったところが、より清々しさを引き立てました。彼女の仕事の描写は、はじめはドキッとすると思いますが、「快楽のみであえてその先の苦しみは書いてない」など話の中でいいアクセントとなっていました。
■リキのこの先・・
心配しかありませんでした。解説では「清々しさ」という表現でラストシーンを表現されていましたが。確かにわたしも一瞬その感覚を覚えました。赤ちゃんって不思議と「かわいい。守りたい」と思わせてしまうんです。それが赤ちゃんの生存戦略とも言われています。だから、子供を育てる親として心配してしまうのです。ひとりで初めて子育てをする困難さを。「かわいい。守りたい」と感じなくなったあとのことを。特にリキは今までの行動からして危なっかしいところがあったのもそう思わされます。元手があるとはいえ、リキにはラストシーンの時点で収入の手立てがありません。住むところも。体調も万全でない。親も手伝えない。資格もなくて子持ち。繰り返されるってこういうことなのではと思ってしまいます。続きを読む投稿日:2024.05.28
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