- 最新巻
薔薇色に染まる頃 紅雲町珈琲屋こよみ
吉永南央(著)
/文春文庫
作品情報
累計80万部の人気シリーズ! 逃避行を続けるふたりはどこへ?
80万部突破! ヒロインは小粋なおばあちゃん
<紅雲町珈琲屋こよみ>シリーズ最新文庫
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むお草は、愛用していた帯留を一度は売ったものの、手放したことをずっと後悔していた。
そんなある日、それが戻ってきたと連絡がくる。
さっそく東京の店に向かうお草だが、そこで、旧知のバーの雇われ店長が血痕を残して忽然と姿を消し、どうやら殺されたらしいという話を耳にする。
その後、お草は、新幹線の中で何者かに追われている母子に出会い、事態は思わぬ方向へ・・・・・・。
お草さんが容疑者に!?
逃避行を続けるふたりはどこへ──
甘いだけでない、ちょっとビターな物語。
※この電子書籍は2022年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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商品情報
- シリーズ
- 紅雲町珈琲屋こよみ
- 著者
- 吉永南央
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2023.09.05
- Reader Store発売日
- 2023.09.05
- ファイルサイズ
- 3MB
- ページ数
- 240ページ
- シリーズ情報
- 既刊10巻
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この作品のレビュー
平均 3.4 (7件のレビュー)
-
急にアクションものになったようです。
お草さんは人との繋がりを大切にする人。繋がりを切ることができないと、その結び目は多様な形になっていくのだなあとしみじみ思う。
結び目ゆえのトラブル、そして結び目が…もたらす救い。
少し読んだ段階で「薔薇色ってどんな色?」と、単純に思った。薔薇と聞いてすっと頭に浮かんだのは深紅の薔薇、深紅で良いのかな、暗赤色?固まりかけた血の色のような薔薇がなんとなく薔薇らしい薔薇のような気がした。しかし、「深紅の薔薇」という言い方があるということは、本来の色は深紅ではないということだろう、などと考えたところで、辞書を引くのが一番と思った。
「うすくれないの色。淡紅色。ピンク色。」とある。マゼンタに近いピンクという表現もあった。桃色よりは濃い色なのだろう。薔薇色の人生は単純な桃色ではないんだろうな、
読み進むうちに薔薇色のことは忘れていた。なにせ、アクションものだから。しかし、結末、薔薇色は鮮やかに目の前に現れる。そうか、これは橙色ではいけない。薔薇色なのだと思った。
お望みの結末、というものかもしれない。
今作のゲスト出演者にとってのお望みの結末なのだろう。しかし、薔薇色なのはこのシリーズのレギュラー出演者の生活の一部、そうだ、その一部とは5分くらいかな、それぞれの繋がりの中で大切な部分の、その核心の5分くらいの部分が薔薇色になっていったのに違いないと思う。
まあ、しかし、お草さんにはアームチェア・ディテクティブであってほしいと思う。
ハラハラドキドキも悪くはないけれど、気持ちとしては紅雲町の中で、完結してもらいたいと思う。
まあ、たまには外に出てもアクションもよいですけどね。続きを読む投稿日:2023.10.24
著者の本は初めて。しかも、本書で10冊めを数えるシリーズ連作物の最新刊だったとは、読み始めるまで全く知らぬ存ぜぬことだった。その点は、ある意味、失敗だったか。
しかし、面白かった。
予備知識ゼロで読み…始めたものだから、これがどんな物語なのか皆目見当が付かない。果たしてラブロマンス物なのか、青春小説?コメディなのかホラーなのか?それともはたまたSF大作???
...だもので、読み始めて間もなく、筋書きにある種剣呑で物騒な展開が描かれ始めて来た頃から、次第に「おっと、これはちょいとしたサスペンス仕立ての物語なのだな」とようやく理解。「それなら」と腰を据えて読み進めると、これが期待していた以上に面白く読める。ある意味、これまであまり読んだことの無い、個性的な表現や組み立てを持つ小説なのだ。
特に、残り僅か10数ページに迫った最終段階。「これで本当に完結するんだろうか?まさか『次作に続く』で終わるとか???」と不安になったが、サニアラズ。「そうか、こう来たか!」と、思わず膝を打つような、予想外かつ痛快なクロージングで唸らせる作話術。いやあ、大したものだ。
これならシリーズ第1冊に遡って読み始めるのも悪くなさそうだ。続きを読む投稿日:2024.05.10
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