ワクチン開発と戦争犯罪 インドネシア破傷風事件の真相
倉沢愛子(著)
,松村高夫(著)
/岩波書店
作品情報
1944年8月,ジャカルタの収容所で,ワクチンを接種したロームシャが破傷風で多数死亡した.この謎の事件の背景には何があったのか.犯人として処刑されたインドネシア人医師,破傷風で命を落としたロームシャ,そして遥か離れた中国大陸で七三一部隊の人体実験に供された〈マルタ〉をつなぐ日本軍の謀略が,いま明らかになる.
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この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
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戦時、ジャカルタの収容所でワクチンを接種したロームシャが破傷風で多数死亡した事件の謎解きと中国での七三一部隊の話がメイン。真相に迫るような内容だが、どこまでいっても真実は分からない。森村誠一の『悪魔の…飽食』みたいに真偽を揺らがせるような書物もある。ポジショントークで、信じたい事実をただただ補強するような牽強付会な論説が世の中に溢れる。
ただ、ここまで複数の本を読んだ感じだと、時代背景からも人体実験はあったと考える方が自然だ。中国は記念館を建てて情報操作をするが、日本軍に七三一部隊があったのは事実だし、他国も含めて、現代のような倫理観は育っていなかったから、ナチスだけではなく、アメリカもイギリスも行っていた。ソ連の強制抑留だって、飢餓や拘束状態で洗脳を試みる所作なら人体実験とも言えるし、中国の強制不妊手術だってそうだろう。
軍隊が撤退する際に文書破棄の上で証拠は消去したのだから、好き勝手言われるリスクを背負った事を認めざるを得ない。隙を見せたし、脇が甘かった。情報戦としての防御が弱かった。また、人体実験に関して日本人だけ例外という可能性は低く、人間は一様に愚かであり、しかし、そこから一歩一歩、良い社会に変わって来ているのだと信じたい。そんな感想。続きを読む投稿日:2023.11.23
2021年夏、2週に渡ってNHKでインドネシアの破傷風ワクチン開発と現地ロームシャ(労務者)への人体実験や泰緬(たいめん/タイとベトナム)鉄道等への強制労働、そして戦地では帝国軍人がマラリアの特効薬…キニーネを巡って、友軍衛生兵からキニーネを強奪するなどの蛮行を報道した。
放送から1年半、731部隊の研究も取り組んでいる倉沢愛子さん、松村高雄さんが共著で、本書を出版した。戦時中の日本軍占領下のインドネシアで、かなり無謀なやり方で密かに進められていた破傷風ワクチン開発の治験に際してロームシャ(現地人「労務者」)と呼ばれた多くのインドネシア労働者が、何も知らされないままその治験の対象とされ、命を落とした。しかも日本軍はその治験を覆い隠し、どれどころかその責任をインドネシア医学界の重鎮に押しつけ、モホタルなどの研究者が日本軍に対する陰謀を企てたとして処刑した。そしてその事件は、戦後の戦争犯罪裁判でも明るみに出されないまま今日に至っている。本書は、本事件の歴史的経過を、オランダの歴史資料や証言、記録、そして米軍に残された資料、日本に残された記録や証言を丹念に検証して、本事件の深層に迫る。一方で、南方方面軍の防疫給水活動として731部隊と連携し、石井四郎らの念願であった感染後に接種する「受動ワクチン」から発病以前に接種する「能動ワクチン」開発への執念をうかがい知ることができる。また、これらの実験に関与し、また、満州にいた731部隊の医系技師・医師達の戦後の日本の医学、医療業界で暗躍し、ミドリ十字社による薬害エイズ問題やコロナ禍でのワクチン開発の遅れなどにも言及する渾身の1作である。
731部隊を学ぶものとして、貴重な1刷であり、各々の医系技官の戦後の暗躍、帝銀事件との関連などを知る意味でも重要な学びとなった。ここに登場する人物に、1937年9月25日に福岡県大牟田市で起きた「(いわゆる)爆発赤痢事件」と赤痢予防錠を集団投与した謎を知る上でも貴重な資料となった。続きを読む投稿日:2023.06.25
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