我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか
エマニュエル・トッド(著)
,堀茂樹(訳)
/文春e-book
作品情報
ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書!
人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。
上巻では、これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり、そうした「原始的な核家族」こそ「近代国家」との親和性をもつことが明らかにされ、そこから「アングロサクソンがなぜ世界の覇権を握ったか」という世界史最大の謎が解き明かされる。
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商品情報
- 著者
- エマニュエル・トッド, 堀茂樹
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2022.10.26
- Reader Store発売日
- 2022.10.26
- ファイルサイズ
- 8.3MB
- ページ数
- 384ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (7件のレビュー)
-
歴史人口学、家族人類学者のトッドらしい着眼点で、さまざまな国・地域の家族構成から、宗教や人々の経済基盤、ヒエラルキー、識字率などの統計を引きつつ、歴史をひもといていく。
上巻前半はかなり学術的で、人…類学素人の私にとっては、多少”体力”の要る読書になったが、後半は宗教改革から、プロテスタンティズムや印刷技術の普及による変化、都市文明と核家族化の関係、18世紀までさかのぼっても北欧の女性の識字率が高かったことなど、従来の身近な知識で読み進められる話になってくる。
全体として、父系社会は、農耕が始まり定住して財産を蓄えるようになり、相続という行為が必要になって生まれてきたもので、実は核家族よりも新しい形態で、今我々が新しいと考えている核家族や男女平等というのは、むしろ原始的なものだったかもしれないという“反転“理論が背骨になっている。
ちょっと面白いのは、「いったいなぜアメリカなるものがわれわれの眼に、モダンであると同時に未開の自然のように映るのか、われわれの未来の姿を先取りして示してくれるほど進んでいるのに、なぜ習俗においてあれほど洗練度が低く、あれほど非文化的に見えるのか」という著者の問題設定。読み進む原動力になる、フランス人らしい視点かもしれない。続きを読む投稿日:2022.11.13
このレビューはネタバレを含みます
1年前に『第三次世界大戦はもう始まっている』を読んで以来、ちょっと注目している著者。
レビューの続きを読む
https://booklog.jp/users/yaj1102/archives/1/4166613677
な…らば、ご専門の人口学、家族学による、著者の主張を拝見してみようと手に取った。図書館でもそこそこ待ちが発生してた。人気なのかな?
とはいえ、本論の部分にはさほど興味はなく、やはり今の世界情勢を語った部分に目が行く。
「私がとくに強調したいのは、この戦争(=ウクライナ戦争)は政治学、経済学では的確に捉えられず、人類学的に解釈する必要がある、ということです。」
佐藤優も、この戦争は価値観の戦いだと言う。
トッド氏も、ウクライナ戦争は「奇妙な戦争」と断じ、経済的に依存しているヨーロッパとロシアが、なぜ戦わなければならないのか? 互いに相手の息の根を止めることなく戦争を続けるために、今、何が行われているのか? トッド氏は、
「それぞれの陣営は、新しい戦い方をいちいち「発明」する必要に迫られています。」
と説く。
西洋はいま、思考停止に陥りつつある。経済学が支配的なイデオロギーとなっているが、それでは物事は解決できない。資本主義の論理に対し、トッド氏は、本書で、人間の行動や社会のあり方を「政治」や「経済」より深い次元で規定している「教育」「宗教」「家族システム」の動きに注目する人類学的なアプローチで読み解こうとする。
トッド氏の視点は理解できた。今後の事態を見守ろうと思う。続きを読む投稿日:2023.09.26
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