直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足
ジェレミー・デシルヴァ(著)
,赤根洋子(訳)
/文春e-book
作品情報
「定説となっている考えを、論理的に打ち砕く破壊力を持っている」
――更科功氏、驚愕!
生命40億年の歴史のなかで、人類だけが直立二足歩行をして生き延びた。
それはいったいなぜなのか?
直立二足歩行の起源とは?
現役バリバリの古人類学者にして、「足と足首の専門家」である著者が、レジェンド人類化石や最新化石、さらには現代人の歩行や二足歩行ロボットの研究現場までを訪ね歩き、この永遠の疑問に迫る、痛快科学ノンフィクション。
チンパンジーと人類が分岐したのは約600万年前と言われる。四本足で歩いていた共通祖先から人類は二本足で立ちあがり、やがて道具を手にした・・・・・・そうした一本道のイメージで人類進化をとらえている人は多いだろう。
しかし、著者が訪ねたドイツの発掘現場には、衝撃的な化石が待っていた。人類揺籃の地であるアフリカではなくヨーロッパの、1100万年も前の地層で、「樹上で」二足歩行していた類人猿「ダヌビウス・グッゲンモシ」の化石が見つかったのだ。
さらに近年、同じく樹上で二足歩行していた「ルダピテクス・フンガリクス」も発見された。
一方、定説で想定されている「600万年前頃の、四足歩行する大型類人猿」という、人類とチンパンジーの共通祖先の化石は、いまだに見つかっていない。
・・・・・・もしかして、1000万年前頃のヨーロッパには、樹上で二足歩行する類人猿がいろいろいたのかもしれない。そのなかの一つの系統が、アフリカに進出して、立ったまま地上生活を始めたのかもしれない。
さらに、著者は新種の古人類「アウストラロピテクス・セディバ」が、現代人とは異なる歩き方をしていたことを突き止める。
これまで積み上げられてきた人類史は、いま大きく動こうとしているのか。人類が立ちあがったのではなく、チンパンジーが手をついた? さまざまな歩き方の人類があちこちでさかんに歩き回っていた? 人間が人間になれたことに、二足歩行はどう役立ったのか?
現在もっとも熱い分野の最先端の現場を生き生きと楽しく活写する、古人類学愛に満ちた一冊。読めばきっと、すばらしく便利でものすごく不便なこの二本の足が愛おしくなる。
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商品情報
- 著者
- ジェレミー・デシルヴァ, 赤根洋子
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2022.08.10
- Reader Store発売日
- 2022.08.10
- ファイルサイズ
- 15.7MB
- ページ数
- 440ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
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人類学の最新の学説(著者関与の者含む)に基づき、進化の系統樹が多方向であるという事例を「ホミニン(ヒト属)においても同様である」としつつ、直立二足歩行こそ、ヒトをヒトたらしめた要因であると紹介した著作…。
読後に自分の二足歩行を確かめずにはいられなくなる本。続きを読む投稿日:2023.01.11
このレビューはネタバレを含みます
読みやすい訳で良かった…。特に印象深いのは出産のために広い骨盤だと言われていたが実は赤ちゃんを抱いて歩くのに適した骨盤にしたからだ。という説は驚いた。
レビューの続きを読む
通説を覆したり新しい説が出てくるのを知れるのは…すごく嬉しいし楽しくてそうだったのか〜!と思えてありがたい。刺激的。
常に情報はアップデートされていくから追いかけるのは大変だし前読んだ本にはこう書いてあったからそうだろうと思い込むのは良くないなと反省した。
確かに女性はお産があるから二足歩行が苦手説は言われれば納得しちゃう話だなぁ。
お産関係や赤ちゃんのハイハイは興味深かった。
ハイハイせずに立ち上がったりするんだ…産後の成長具合の話は親にとっては心配してしまうことだから何の責任もない適当なネットの記事に踊らされるのは可哀想だと思う。でも忙しいから本読む時間も難しいよね…
スピードは男性有利だが持久系は女性が有利(筋肉の疲労)な話も面白かったな。続きを読む投稿日:2023.01.20
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