人生の経営(小学館新書)
出井伸之(著)
/小学館新書
作品情報
人生のCEOは、あなた自身。
いまや1兆円企業となったソニーの変革を主導した元CEO・出井伸之氏による、初のキャリア指南書。84歳にしてベンチャー企業「クオンタムリープ」を率いる現役経営者である出井氏は、「人生の経営」についてこう説く。
〈自分の人生は会社のためだけにあるわけではありません。自分はどうありたいか、どういう人生を歩みたいかを決めるのは自分自身です。つまり、自分の人生を“経営”するのは自分なのです。〉(はじめに)
「人生のCEO(最高経営責任者)はあなた自身」なのだ。その上で出井氏は、どのように人生を経営していくか、その指針を示していく。「定年という考え方をやめる」「社内転職に挑戦する」「左遷だって糧にする」「キャリアを生かせる場所を探す」「地方やベンチャー、アジアに目を向ける」・・・・・・出井氏がソニーで学び、自ら切り開いてきた会社にも定年にもしばられない生き方から、多くのビジネスマンが後半生のヒントを得ることだろう。
(底本 2022年4月発行作品)
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商品情報
- シリーズ
- 人生の経営(小学館新書)
- 著者
- 出井伸之
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 小学館
- 掲載誌・レーベル
- 小学館新書
- 書籍発売日
- 2022.04.05
- Reader Store発売日
- 2022.03.31
- ファイルサイズ
- 2.3MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (10件のレビュー)
-
880
これほんと思う。ロードバイク日本紀行やってから地方の魅力半端ないなと思う。東京しか見てないとか東京中心主義みたいなの良くないと思う。東京の良さなんて交通の便がいいことぐらいなのにさ。地方がも…っと自分の地域に誇りをもってアピールしていいと思う。地方観光すると聞いたより感動することが多いから。
出井伸之
1937(昭和12)年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。60年にソニー入社。95年に社長就任。99年よりCEO(最高経営責任者)を兼務。2000年、会長兼CEO。2005年に退任。2006年、クオンタムリープ株式会社を設立し、代表取締役に就任
しかし、僕は口にこそ出さなかったけれども、机にしがみつく経済ではなく、生きている経済、つまりビジネスの世界に飛び込みたかった。就職先の企業を探すときに、僕なりに父のツテを頼って東洋経済新報社の研究所を使わせてもらって企業研究をしたのですが、ソニーのことも分析したところ、「これはとてつもない成長企業だ」と僕なりに感じました。しかも、インターナショナルな視点を持っているという点にもものすごく引かれました。
ソニーは、ハイレベルな技術者が集まるエンジニア集団で、当然、エンジニアに重きを置かれていた会社です。当時は文系なんて、麻雀の手配で言う〝 端 牌(切り捨て候補)〟みたいなものだったんですよ。
だから、僕は左遷も歓迎で、普通では知ることのできない会社の仕組みを知ることができたし、それも自分のバリューを上げるのに寄与したと思っています。
だから、自分の能力を高めること、経験を積み、自分のフィールドを広げることが大事で、そのためにはどんどん越境した方がいい。親会社か子会社か、大企業か中小企業かも関係ありません。自分のバリューが認められて、輝いて働けるなら、どこだって構わないじゃないですか。
僕はインドでは、スズキの工場にも視察に行きました。ご存じの通り、スズキの自動車はインドでシェアを 50% 近く取っていて、圧倒的な存在感を放っています。 インドで、スズキの会長だった鈴木修さんと話したことがありますが、 「会社(スズキ) を退職した人間が何人もここ(インド) で働いている。技術者だけでなく、管理部門などの人間も何人も働いている」 とおっしゃっていました。すでに多くの先人たちがいるのです。
僕は最近、企業で働く人々がグローバル化に対応していくためには「歴史を知る」ことが重要ではないかと、痛切に感じています。必要最低限の条件と言い換えてもいいかもしれません。 石器時代から日本の歴史を勉強し直すのは大変ですが、少なくとも直近の歴史だけは知っておくべきです。歴史という軸を持たないと、現在我々がどこにいるのか、どこに進んでいけばいいのかがわからなくなってしまうからです。 毎年、春夏秋冬が来るように、国の歴史にも春夏秋冬があります。暖かい時期もあれば、厳しい寒い時期もある。 第二次世界大戦に敗れて国土を焼け野原にされたのは冬の時期ですが、そこから戦後復興、そして高度成長へと春、夏がやってきました。
高度成長時代の日本企業で働いていたサラリーマンは楽だったと思います。「そんなことはない。猛烈に忙しくて、猛烈に働いたぞ」と反論する方もおられるかもしれませんが、あの時代には、自分が何をすればいいのか誰もがわかっていて、確実に明るい未来があり、定年までこの会社で働いていられるという安心感がありました。目の前の仕事に邁進していれば、業績は右肩上がりに伸びました。未来を信じられれば、仕事がいくら忙しくても辛くはない。むしろ楽しかったはずです。
この会社で働いていられるという安心感がありました。目の前の仕事に邁進していれば、業績は右肩上がりに伸びました。未来を信じられれば、仕事がいくら忙しくても辛くはない。むしろ楽しかったはずです。
なぜこうなったのかというと、ものづくり神話に囚われているのと、グローバル化に対応できていないからだと思います。 自動車業界は、まだものづくりの発想が通用している業界ですが、トヨタですら、そこからどう転換していくかで、のたうち回っているように見えます。ガソリンとエンジンが電気とモーターに替われば、部品点数が激減します。制御もデジタルになり、ソフトウェアがより重要になっていきます。そうすると、人手がいらなくなって、今まで 20 万人必要だった従業員が 10 万人で十分といったことになります。これも〝有形資産〟から〝無形資産〟への転換の一種と言えます。
僕はフランスやスイスなどヨーロッパでの生活も長かったのですが、欧州だと、それこそ一つ州や県の境を越えただけで、別の国に来たのではないかと思うほど、地方が自己主張しています。建物が変わり、人々の服装が変わり、食べ物が変わり、場合によっては言語まで変わります。それに比べると、日本はどこに行っても、金太郎飴のように同じです。 本来、地方には豊かな文化があり、豊かな景観があり、豊かな特産物があるはずです。南北に長くて気候が異なり、四季もある日本で、天からのギフトを与えられているのに、それを活かしきれない。本当にもったいないと思います。 なぜそうなったのかというと、これは僕の分析ですが、やはり、明治維新の廃藩置県のときに押し付けられた行政単位の影響だと思います。地方の独自性や、独立性を意識的に無視して、都道府県の線を引いた結果です。 明治維新の時点においては、列強の植民地にならないように、富国強兵が必要であり、そのための手段として、廃藩置県による中央集権が必要であったというのは納得できます。しかしながら、中央集権による富国強兵という目的が無くなった今でも、明治時代の行政単位や考え方が必要なのでしょうか。
だから、地方の魅力や独自性を取り戻すために、政府が〝令和維新〟を宣言して、廃藩置県の逆で、〝廃県置藩〟を実行するというのはいかがでしょうか。
だから、〝廃県置藩〟では、都道府県を解体してもっと小さな単位に分割して独立性を与えます。税制の改革も必要で、中央が税を集めて地方に分配するというやり方もやめる。今までは地方交付税をどう分配するかで、中央が地方を支配してきました。これが諸悪の根源なんですね。 財布の紐を霞が関に握られているから、地方は天下りを受け入れ、中央の指示に従うだけになり、東京ばかり見るようになる。 いっそ、中央も解体して日本を 10 地域くらいに分け、道州制に移行するというのもありだと思っています。もう地方行政に霞が関の劣化版は必要ありません。東京のモノマネなんかしなくてもいいのです。
海外の友人が日本に感じる魅力の中で、日本人が意識していないポイントが安心・安全・健康長寿の魅力です。あまりにも日本人自身は当たり前と思っていることだと思いますが、こんなに安心・安全・健康長寿な国はありません。 この点をもっと徹底的にアピールすべきではないでしょうか。 そして、この魅力があるのは、やはり地方です。豊かな地方文化がこの魅力を支えていると思います。この魅力をアピールすることが結果的に継続的なインバウンド(訪日外国人観光客) につながってくると考えます。 日本の観光資源のポテンシャルは高く、自然だけでなく、世界が目を見張るような文化、芸術もあります。そうした資源は東京よりも、地方に散らばっています。それを活かさない手はありません。
この点をもっと徹底的にアピールすべきではないでしょうか。 そして、この魅力があるのは、やはり地方です。豊かな地方文化がこの魅力を支えていると思います。この魅力をアピールすることが結果的に継続的なインバウンド(訪日外国人観光客) につながってくると考えます。 日本の観光資源のポテンシャルは高く、自然だけでなく、世界が目を見張るような文化、芸術もあります。そうした資源は東京よりも、地方に散らばっています。それを活かさない手はありません。
慶應義塾大学環境情報学部教授、 安宅 和人 さんは、著書『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング) において、日本の中に『風の谷のナウシカ』の「風の谷」のように、これからの人間が都会から離れ自然と共存し豊かな生活を営む場所をつくろうと言っていますが、僕は日本が世界にとっての「風の谷」になればいいと思っているんです。安心・安全で健康長寿のためには日本に来ればよいという場所になれば、世界中から、人々が日本に来たがる。…
一人ひとりがその人自身のCEOであり、それぞれの信じるビジョンを描き、その実行のために決断、アクションを起こす必要があります。自分でできることもあればできないこともあるでしょう。自分でできないことは周りの力を借りて、またあなたが得意なことは、その力を周りの人のために使いながら、いくつになってもあなた自身があなたの人生のCEOであることを忘れずにいてください。続きを読む投稿日:2023.12.15
出井伸之氏の本が読みたくて購入。
ソニーで最初の新卒入社のサラリーマン経営者の出井氏が、ソニーとは真逆のことがしたいと後半生のキャリア論が書かれている。会社にも定年にもしばられない生き方が学べる名著。投稿日:2024.04.12
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