きんのおの
蜂飼耳(著)
,宇野亜喜良(画)
/岩崎書店
作品情報
泉の近くで仕事をしていたきこりが、うっかり手をすべらせました。持っていた斧が泉のなかにどぼん! ため息をついていると、泉のなかから美しい女神があらわれました。
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商品情報
- シリーズ
- イソップえほん〈第1・2期〉
- 出版社
- 岩崎書店
- 書籍発売日
- 2017.02.15
- Reader Store発売日
- 2022.03.30
- ファイルサイズ
- 60.1MB
- シリーズ情報
- 既刊10巻
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
-
宇野亞喜良さんというお名前、どこかで見たことあるなと思ったら、以前読んだ『ヒグチユウコ総特集』に特別寄稿された方だと知り、いつもの図書館で本書を見つけた時には、これも何かの縁と、読みたくなりました。…
まず目を惹いたのが表紙の絵で、私のイメージする「金の斧」からは、おそらく想像出来ないであろう、女神と木こりの対等性がとても斬新で印象深く、しかも女神の表情は微笑むわけでもなく、その紫色の背景も加わることで、よりアンニュイな切なさを纏った、どこか儚げな様子に、どちらかというと、その下で頬杖をつきながら悠然と寝そべっている、木こりの方が堂々とリラックスしているように見えるのも、不思議な感覚でありながら、紫と銀のアーガイル柄の見返しも含め(こちらは装幀の名久井直子さんによるもの?)、とてもスタイリッシュな絵を描かれる方なのだなと感じられた。
そして、物語本編の宇野さんの絵には、版画のような雰囲気もあることから、どこかぼやけた感じに見える妖しさも漂う中、そこに蜂飼耳さんの、簡潔にまとめられた文体が溶け込むことで、どんどん世界に潜り込んでいってしまう、そんな魅力があり、殆ど記憶通りだったお話も、何か生まれ変わったような気にさせられるものがあった。
また、宇野さんのもう一つの魅力として、その場面毎の効果的な見せ方にもあると感じ、それは、泉の中に斧を落としてしまった木こりが、ぼんやりと泉を見つめるだけの場面を、彼の顔をアップにして、見開きいっぱいにダイナミックに描きながら、両方の瞳の中に映る、泉の中から柄だけが見えた斧を見せることで、そのあまりの悲しさに茫然自失とした様子であるのが、よく分かる点からも感じ取れる。
更に印象深かったのが、やはり女神の絵であり、その登場シーンでの、版画の後に白色で描かれた、花を模した絵も加わった可憐な様子に、思わずはっと見とれてしまい、その次の金の斧を取り出す場面では、打って変わって、どこか他人事のような上目遣いの表情が忘れ難く、その次の銀の斧を取り出す場面では、よりアップになった女神の、今度は写実的とも思える、現実味を帯びたシリアスな表情が意味ありげに感じられるといった、流れがあることにより、その次の古い鉄の斧を差し出す場面の手だけを描いた絵にも、女神の存在感を充分に感じられて、そうした場面毎に細かく描き分けることによって実感させられたのは、神である故の、どこか掴み所の無い感覚ではあったものの、だからこそ、その後の「あなたは しょうじきですね」の場面で描かれた、優しく慈愛に満ちた美しい表情に、確かな安心感を得られたのだろうと思う。
そして、女神の描き分け方は、その後のよくばりな木こりと対峙する場面でも、より効果的に演出されており、その最初の木こりの時とは異なり、魚に乗った姿で登場しながら、やり切れない表情を見せる女神の様子には、どこか滑稽さがありながらも、その次の場面での、一緒に浮かぶ薔薇の花や、そこだけ女神の髪の色が暗めに変わることも相俟った、両眼を閉じた女神の顔が悲しげに水に浮かぶ絵には、まるで彼女の葬送式を見ているような、絶望感に彩られながらも、これまでで最も美しいと感じられた、その女神の存在感をどこまでも色濃く反映させることで、よくばりな木こりの面影など、どこにも残させないと思われた様に、女神の物語と思わせる程のインパクトを感じたのであった。続きを読む投稿日:2024.02.14
イソップ童話の『きんのおの』が宇野さんの手にかかるとグッと妖しいムーディーな世界に。
正直なきこりは精悍な表情のネコ、欲張りなきこりは狡そうな表情のブタ、泉の女神はアンニュイで神秘的。「これは あなた…の おのですか?」と女神に問われ、正直に言うか言わないかで明暗別れる二人のきこり。
落とした斧わかっているのに敢えて聞いてくる女神はちょっと意地悪?人間を試す女神さまの気まぐれな遊びなのかw
前にドラえもんでこのお話に触れた息子は、しばらくお風呂で母を女神にしてきんのおのごっこにハマっていたなぁ。
5歳5ヶ月。続きを読む投稿日:2021.04.19
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