アリスさんちの囲炉裏端 2
キナミブンタ(著者)
/ウルトラジャンプ
作品情報
アリスさんはただの幼馴染? それとも…? 今までと同じように囲炉裏端で過ごす晴海くんとアリスさんでしたが年末年始のイベントラッシュを迎え、心の距離も縮まって…。
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商品情報
- シリーズ
- アリスさんちの囲炉裏端
- 著者
- キナミブンタ
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- ウルトラジャンプ
- 書籍発売日
- 2022.03.18
- Reader Store発売日
- 2022.03.18
- ファイルサイズ
- 63.3MB
- ページ数
- 196ページ
- シリーズ情報
- 全4巻
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
やっぱり、この『アリスさんちの囲炉裏端』のストーリーはあったかい。
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いや、訂正しておこう。この(2)は、(1)よりも温度が上がっている。熱い、とまでは行かないが、結構な温度になっている。
それは、何故か。晴海とアリスさんの距離が近づいたからだ、恋愛的な意味で。(1)を読んだ時から、これは良いラブコメだな、と感じていたので、この展開は大歓迎。あざっす、キナミ先生ッッ
アリスさんが、優しさや気遣い屋な性格から、周りに対して隠していた、自分の負い目を、晴海が子供でもなく、大人でもない、学生だからこその青臭い勇気を振り絞って距離を詰め、吐き出させ、ほんの少しだけ、罪の重さを減らしたシーンは、実に感極まった。
基本的に、私はヒロインには笑っていて欲しいが、相手を気遣っての下手糞な作り笑いを浮かべられるくらいなら、悲しみや怒りの感情を顔に出し、人間らしさを見せてくれた方が嬉しいタイプだ。その感情の吐き出させ方が、漫画家の腕の見せ所、と言っても過言じゃあるまい。
また、晴海が、自分の気持ちを見つめ、アリスさんが恋愛的な意味で「好き」だと認め、その想いを言葉にして伝えるまでの過程、その描き方も見事だった。
もう、アンタら、明日にでも結婚しちゃえよ、と思うくらいの雰囲気を醸している晴海とアリスさんが、次巻から、どんな日常を送っていくのか、楽しみで仕方ない。
ただ、晴海とアリスさんがくっつくって事は、ほのかちゃんの失恋が決定的って事なんだよなぁ・・・ほのかちゃんが良い子だけに、そこは、ちょっと胸が痛い。キナミ先生、どうか、ほのかちゃんも幸せにしてあげてくださいね。
あと、この(2)で登場した、アリスさんの友人かつ担当編集の月野誠さんも、中々に良いキャラだ。怖さの中に優しさがあり、また、激務に対するフラストレーションの溜め過ぎで現実逃避を望む姿には同情や親近感を覚えるし、爆ぜた薪に怯える様には、ドキッとするような可愛さがある。こんな彼女の存在が、晴海とアリスさんのラブコメに、どんな刺激を与えるのかな。
恋愛漫画の面が強まった(2)だけど、もちろん、登場する、囲炉裏を活用した料理も美味しそうだったって事は忘れちゃいけない。私的にお腹が空いたのは、野菜と牛肉の串焼き。囲炉裏で焼いたら、絶対に美味いわ。
改めて、こういう囲炉裏がある民家に引っ越したくなってしまう。世の中、技術が進んで便利な調理器具も増えたけど、囲炉裏のようなモノも大事にしていきたいもんだ。
この台詞を引用に選んだのは、アオハルだなぁ、としみじみ感じたので。
ガキだからこそ言えるんだよなぁ、これは。
青臭い、でも、絶対に、カッコ悪くない。
ほんと、「好き」って理屈じゃないんだな。
「カッコ悪くていいよ。俺さ、後悔してたんだ、クリスマスの夜のこと。高校生“ガキ”のくせに出しゃばって、アリスさんに話したくないこと話させて、余計、傷付けたんじゃないかって。けど、よく考えたら、俺、あん時、大人とか、子どもとか考えてなかった。目の前で泣いてるアリスさんを見て、何とかしなきゃって・・・そんだけで。だから、もう、後悔すんのやめる。これからだって、アリスさんが困ってたら、俺は助けたい。俺が守りたい・・・だって、子どもの頃から、ずっと、アリスさんが大好きなんだから」(by森山晴海)
もう一つ、グッと来た台詞を紹介。
自分の気持ちに気付くってことは、ほんと、男の子を成長させる。
子供と思っていた相手が、こんなにも逞しくなっていたら、そりゃ、アリスさんだって、自分の気持ちに嘘が吐けなくなっちゃいますよね。
照れ隠しの仕方に、大人の女性らしさなんて皆無だけど、可愛いので、何の問題もない。
「ほんとは、しばらく、ここに来ないで、なんとか、うやむやになんないかなとか思ってたんだけど、じいちゃんに無理やり、連れて来られちゃって・・・けど、今日、来て、改めて思った。俺は、ここが好き、アリスさんが好き。できれば、ずっと、ここにいて、2人でじいちゃん、ばあちゃんになって、その時も、囲炉裏でお茶淹れて、縁側で飲めたら最高だなって。まぁ、だから・・・その・・・なんだ、つまり・・・がんばってみるよ、俺。今は無理でも、いつか、アリスさんに選んでもらえるような立派な大人に゛っ!?
ア、アリスさん? い、いたいよ? いた、いたたた。いでででで、マジでいたい!! アリふはん!? あいふはんっっ、ほっぺが」
「よ・・・予約!!」
「え」
「私だって・・・私だって、そーゆーのがいいよ・・・っっ。私がおばあちゃんになった時、はるみくんと、ここにいられたら、すっごく、すっっごく、いいっっ。そんなの幸せに決まってるっっ。だけど、はるみくんはまだ、高校生で、これから、もっと、色んな人に出会えるのっ。もっと、普通の恋愛ができるのっ」
「そんなこと・・・」
「だから、予約!!」
「せめて、はるみくんが高校卒業するまでっ、それまでは今まで通りにすることっ。その間に、好きな子ができたり、気持ちが変わったら、私のことなんて忘れちゃうことっ。いいね!! ・・・・・・っ」
「・・・じゃあ、もし、気が変わらなかったら?」
「そ・・・っ、その時は・・・っ、おじいちゃんおばあちゃんコースで・・・っ」(by森山晴海、水瀬アリス)投稿日:2022.11.27
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