ショートムービー・マーケティング TikTokが変えた打ち手の新常識
若井映亮(著者)
/KADOKAWA
作品情報
近年のショートムービーの台頭には目が離せない。・TikTokの月間アクティブユーザー(MAU)が10億人を突破・インスタグラムは「Reels(リール)」、ユーチューブが「Shorts(ショーツ)」として、ショートムービー機能をリリース・他アプリも続々とショートムービー機能を実装など、ショートムービーが今後最重要なコンテンツになっていくのは間違いないだろう。同時に、今マーケターが注目すべき大きな変化が個人情報保護法の改正だ。アプリやネットを開いたとき、「cookieを許可するか」「IDFAの利用に同意するか」が尋ねられるようになった。これにより、データの活用方法や影響力が変化する。この変化に上手く対応できない企業は、プロモーション効果を大きく下げることになる。以上2つの変化を踏まえ、今後非常に重要になってくるのが「ショートムービープラットフォームの活用」と「ショートムービークリエイターとのコラボレーション」だ。本書では、いち早くTikTokマーケティングに参入し、インフルエンサーマーケティングとインフルエンサー支援をTikTok公認MCNの経営を通じて行ってきた株式会社TORIHADA 取締役COO/PPP STUDIO株式会社 代表取締役CEOの若井映亮氏が、これまでの経緯や事例を踏まえ、「なぜ今、ショートムービー・マーケティングなのか」を丁寧に紹介する。今、テレビからネットへと広告費の比重が変わってきているが、その中でもショートムービーの比重が多くなっていく。そのとき、「手遅れ」にならないためにも、この大きなコンテンツ革命の波に乗り遅れるな!
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この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
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TikTokは自らコンテンツを選択せずに、映像がおすすめに流れてくる。その本質は受動メディアなのだ。
今まではユーザーが自身でコンテンツを選ぶからこそ、その人の嗜好がデータとして蓄積され、さらにレコメ…ンドとして次のコンテンツを表示していた。
起点が「ユーザーの選択」だからこそ、蓄積されていくデータは益々分析されて最適化されていく。
その結果、自分にとって都合のよいものばかりがタイムラインに流れるようになってくる。
逆に言うと、これだけ最適化されてしまうと「コンテンツとの偶然の出会い」は基本的に生まれてこなくなってしまう。
そこに切り込んできたのが、TikTokということだ。
「受動メディア」と書いたが、自分から探さなくても、まずは「おすすめ」だけを見ていても十分に楽しめる設計になっている。
さらに気になった人がいれば、その人をお気に入り登録したり、フォローしたりも可能。
当然シェアすることも可能なので、SNSの機能を果たしている訳であるが、入口がショートムービーで、且つ受動メディアというだけで、なぜこんなにもユーザーに指示されたのか。
「受動的」という言葉は、それだけを聞くと普通はあまりポジティブな印象を持たれない。
能動的、積極的な方が前向きでアクティブな感じがする。
だからといって、人間がすべて能動的かというと、そんなことは決してない。
むしろ多くの人が、あまり強い考えを持たずに、受け身で生きていると思うのだ。
毎日毎日刺激的に前向きに生きていたら、疲れてしまうからだろう。
日々の生活が安定して、平穏でいることを望む人にとっては、「受動的」というのは、いかにも程よく居心地がよい世界ではないか。
もしかすると、日本人というのは、そもそも受動的な人が多いのかもしれない。
受動的な人がそれらのショートムービーをダラダラと見ることで、そこから能動的な動きをする。
その能動的な動きとは商品購買のことであるが、企業としては、販売に繋がるのであれば「十分に広告を出す価値がある」と判断する。
そんな単純な話か?と思ってしまうが、今までのSNSとの大きな違いがないにも関わらず、TikTokは現実的に大成功を収めている。
全世界では、すでにTikTokアプリが30億回以上ダウンロードされている。
30億回超えという数字は、Facebookに続き2社目というから、どれだけスゴイことかと思ってしまう。
しかも、TikTokが世界進出したのは2017年だから、わずか数年でここまでユーザ数を増やしたアプリは過去イチということになる。
利用者が圧倒的に若者であるという点と、MAU(月間アクティブユーザー)もダントツに高いのが特徴的だ。
我々50代オジサンが子供だった頃の昭和時代は、家に帰ったらまずは冷蔵庫を開け、テレビのスイッチをONという行動パターンだった。
それに近いものが、現代のTikTokなのだろう。
少しの暇があれば、ついついTikTokを開いてしまい、そのまま見入ってしまう。
そこで気になる情報があれば、1タップで追いかけて見る。
さらに興味が湧けば、そのまま購買行動に移るかもしれない。
事実「TikTokが自分の買い物に影響を与えている」というアンケートでも高い数字が出ているという調査結果が出ている。
かつてインターネットの世界では、あくまでも「自分で情報を探す」という行為が起点であった。
そこからSNSが進化して、自分が気に入った情報を欲しい人は、その発信者をフォローすることで、自分のタイムラインを好きな情報だけで埋めていくようになった。
自分の欲望を満たすことが、インターネットとSNSで実現できる。
しかし、その状況に疲れてきた人たちは確実に存在していたということだ。
彼ら彼女らに対し、TikTokは上手に改善策を提示したと言えるのだろう。
今まで受動メディアと言えば、結局昭和時代の地上波テレビからほとんど進化が無かった。
インターネットとSNSが進化しても、「受動メディア」という意味での地位は、結局テレビが圧倒的だった。
TikTokがその牙城に切り込んだと言えるが、本当に発想の転換だ。
インターネットとSNSの出現で「テレビは終わった」と言われていたのに、受動メディアとしての地位を切り崩すことに時間がかかっていたところに、完全に息の根を止めに入ったとも言うべきだろうか。
元々の映像制作者が作成した高クオリティの動画でなくても勝負になることは、Youtubeがとっくに証明していた。
そこから更に進化し、TikTok含めたショートムービーは、見出すとついついそのまま止められなくなってしまう中毒性を付け加えた。
もはやクオリティよりも、本能に刺激を与える作り方の方が重要。
理屈よりも本能で気に入らない動画はそのままスワイプしてしまう。
「見るのを止める」のではなく、「次の動画を見させる」という導線を作ったのは画期的だ。
そして次の動画が気になれば、そのまま見てしまう。
ほんの数十秒で1コンテンツが完結し、ついつい連続して次々と動画を見てしまう。
まさか、こんなに人々をハマらせるとは正直思わなかった。
見始めると本当に止められない。
Instagramも「Reels(リール)」、Youtubeも「Shorts(ショーツ)」として、ショートムービー機能をリリースし追随している。
ショートムービーが今後益々最重要コンテンツになっていくのは間違いないだろう。
この流れの中で、企業側である我々はどう対応していけばよいのか。
TikTok含めて「広告を出稿する」という考え方そのものが益々進化を遂げていく。
企業としては商品を販売したいし、サービスを告知したい。
今の時代はマズイ食べ物はほぼ存在しない。
機能がダメな製品もほぼ存在しない。
それだけ科学技術が進化したというのもあるが、インターネットとSNSによって、ダメなものが完全に駆逐されたとも言える。
美味しい食べ物が当たり前で、製品が機能的に優れているのも当たり前な時代に、我々はどうやって販売を伸ばせばよいのか。
やはりマーケティングをもっともっと勉強して、考え尽くしていく必要がある。
ほんの少し前「製品は機能ではなく、ストーリーで売る」という話を聞いて、非常に共感したのを覚えている。
しかし今の流れは完全にそれを超えている。
キングコング西野氏は今後の購買行動について「誰から買うかが重要になる」と言っていた。
TikTokやInstagramからの購買行動はまさにこれに該当している。
(西野氏はさらに「場所(地図)」が重要になると指摘していて、それはそれで面白いと思っている)
この文脈で考えれば、インフルエンサーと企業がコラボすることはもっともっと加速していくだろう。
ステマ規制も法改正によって益々強化傾向にあるが、影響が大きいからこその法整備である。
企業はインフルエンサーマーケティングをきちんと理解して正しく運用しなければ、製品が売れないどころか、炎上リスクや更には企業倒産に追い込まれることすらも覚悟しておかなくてはいけない。
私自身も実務ではSNSマーケティングを経験したことがない。
当然、会社の経営陣である50〜60代で経験者はほとんどいないと言える。
本書を読んで100%理解したとは到底思えないが、こうして書籍としてポイントをまとめてもらえるのは我々世代にとっては大変ありがたい。
(だから「年配者は使えない」と言われると、反論のしようもない)
とにかく本書では「ショートムービーこそ、大きなコンテンツ革命の波」とまで言っている。
乗り遅れないように、少しでも勉強していくしかないと思っている。
(2023/10/13金)続きを読む投稿日:2023.11.05
広告の歴史や仕組み、個人情報保護法の解説まで。SNS広告の概観も。もちろん、TikTokを伸ばすポイントも。幅広くて良いと感じる人もいる一方、基礎的過ぎると感じる人もいるかもしれません。
投稿日:2023.09.05
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