嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
鈴木忠平(著)
/文春e-book
作品情報
なぜ 語らないのか。
なぜ 俯いて歩くのか。
なぜ いつも独りなのか。
そしてなぜ 嫌われるのか――。
中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。
それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、
マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配・・・・・・。
そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、
異端の名将の実像に迫る。
「週刊文春」連載時より大反響の
傑作ノンフィクション、遂に書籍化!
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商品情報
- 著者
- 鈴木忠平
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2021.09.24
- Reader Store発売日
- 2021.09.24
- ファイルサイズ
- 4.9MB
- ページ数
- 480ページ
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この作品のレビュー
平均 4.6 (250件のレビュー)
-
昔ながらの野球ノンフィクション
大リーグを題材にした海外のノンフィクションを読んでいて気づくのが、数値の記述の多さ。
"数字のスポーツ"と言われるくらいだし、魅力の源泉もそこにあるのだから当然と言えば当然だが、日本人ライターはどう…いうわけか、数字や確率より汗と涙で、本書でも選手がぶっ倒れるほどのノックの嵐や、納得いくまで止むことのない素振りで紙面が埋められる。
あとがきでは、無力感に苛まれ時代を呪うロスジェネ世代の著者が、駆け出しで上から命ぜられるままに中日番となり、伝書鳩のごとく落合邸を訪れるシーンから始まったとは思えないほどの大作家ぶりに変貌する。
各章で落合から放たれる謎掛けのような一言の意味に煩悶し、答えを求めて自邸に押しかける。
「自分の仕事にケリをつけるため」とかなんとか自分語りも多いし、「清冽な青」やら「内なる蹉跌」とか気取った表現も散見する。
「真っ黒な空が泣き始めた」とか「夜が底に沈んでいく」といった文章を目にしたときには、さすがに絶望的な気分に。
昔は新聞記者やライターというフィルターを通してしかプロ野球の内側を知るすべはなかったが、いまは選手自身がYoutubeなど別の媒体で情報発信を続けているため、それで良いかなという気がしてきた。
海外のライターだったら、「『お前、腕を下げてみないか』森は縁の細い眼鏡の奥を光らせて言った」なんて書き方は絶対しないだろうな。
どうみても漫画だよ。
取材対象が、一切の感情を排し、ひたすら勝利の確率を高めるものや合理性を追い求めているのだから、あまりの落差に驚くしかない。
フィルターは酷くても、落合という監督の振る舞いは面白い。
新幹線のホームで出発を告げるベルが鳴っても「俺は走らねぇぞ」と嘯くふてぶてしさ。
契約書第一主義で、選手やコーチとの間に境界線を引いて、馴れ合うことをしない。
勝利の歓喜に浸ることもなければ、敗戦にも実に淡白だ。
周りが「敗れれば胸をなで下ろし、勝てば白ける」という状態だったのも頷けるほど。
「落合のもとでは、カタルシスは一瞬で通り過ぎていく」と言うように、どちらかと言うと大リーグの監督を見ているようにひたすらドライ。
かといって選手の方は、大リーガーのようには個が育たず、落合の影に怯え、萎縮し続けた。
スイングやボールの軌道、マウンドでのちょっとした仕草や表情など、定点観測のように遠くから俯瞰し続ける彼の眼は、選手からすれば得体が知れず、それだけ脅威に映った。
中には福留のように、その眼をあらゆる変化を正確に映し出す確認用の鏡として、割り切って利用し、早々に海の向こうに旅立った選手もいるにはいたが...。続きを読む投稿日:2022.03.19
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落合監督の就任から退任までの軌跡。記者としての筆者との関わりをベースに川崎憲次郎など選手たちやコーチやスカウト中田などの交わりを通して浮かび上がってくる姿に惹きつけられた。まさに孤高の監督だ。
所々登…場する夫人が魅力的だった。続きを読む投稿日:2023.09.09
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