死の講義―――死んだらどうなるか、自分で決めなさい
橋爪大三郎(著)
/ダイヤモンド社
この作品のレビュー
平均 4.0 (26件のレビュー)
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友人や知り合いに、親が○○教の信者、という人が何人かいる。印象として、生き方にブレがなく、規範意識が高い。彼らは自分から選んでその○○教の信者になったわけではないらしい。けれども、なんだか迷いなく生き…ている人たちに見える。
で、自分。祖父が孤児になって寺の預かりになった関係で、寺とのつながりは深い。家にひろさちや氏の漫画がたくさんあったので、小さい頃からそれを読んで、わりと仏教には親しみを感じながら育ってきた方だと思う。けれど、それが自分の規範になってはいない。全く。知識としてそうだ、慣習としてそうだ、ということは身についてはいるし、ある程度説明もできるけれど、生き方、物の見方にまで浸透させてはいない。祖父や祖母は自分たちの信仰を大事にしてはいたけれど、子や孫にまでそれを押し付けることはしなかったからだろう。なので、私の規範意識は非常にゆるい。あれもあり、これもあり。日和見的。生き方も考え方も迷い迷い。
その祖父が一昨年、亡くなった。続けて祖母も亡くなった。私の娘は2人ともまだ幼すぎて「死ぬ」が分からない。だから、通夜や葬式は「お別れ会」でひいじいちゃんやひいばあちゃんは仏様のところで勉強中、ということになっている。そこまでは49日かけて徒歩で行くことになっていて、一回出発したら帰ってこられない。途中、お腹が空くので小さいおにぎりを持たせる。もしかしたらお友だちにも会うかもしれないので、ひいじいちゃんは髭を剃り、ひいばあちゃんはお化粧をする。
いずれ娘も大きくなれば、それが私の作った「ものがたり」に過ぎないことに気がついてくれるだろう。「死をめぐるものがたり」を寄せ集めて、葬儀のあれこれを子ども向けに編集した子供騙しのお話。そして実際、葬儀の中身も仏教でも、神道でもなく、よく分からない土着の信仰をごった煮にした葬儀だということが本書の内容からは読み取れる。正しくは無い説明。何の根拠もない思い込み。でも、それを話しながら、半ば私はそれを信じてもいる。祖父や祖母にはまだ消えてほしくない。どこかにいてほしい。
自分が何を信じ、どう死ぬかは、確かに個人の問題で、自己責任で選べるものかもしれない。けれども、最近身内を亡くし、そしてそのことを小さな子どもに伝えなければならず、しかもいずれはその子どもたちに見送られる立ち場のものとしては、親しい誰かが死後にどうなっていてほしいかというところから自分の死を眺めてしまわざるを得ない。私の死をそのようなものとして受け止めて、喪失の穴を埋めてほしいという、これは信仰というよりも願いだと思う。
だから、今はまだ死ねない。今死ねば、きっと娘は忘れてしまう。こんなにも寄り添って生きていた毎日のことを、小さな子どもは覚えていられない。一番、覚えていてほしい相手に忘れられることほど、一度、覚えていたい相手を忘れてしまうことほど、辛いことはない。
肉体は滅びる。輪廻は無い。でも、どこかにその存在を感じたい。あるいは、感じてもらいたい。
とするならば、日本古来の死のあり方に一番近いのかもしれない。
けど、私、一つには決めません。自分の背負ってる背景も背景なので、「習合論」でいいと思ってます。ごめんなさーい。続きを読む投稿日:2021.01.15
死んだらどうなるか、誰にも分からない。証言した人がいないから。では、どうするか。死んだらどうなるか、決めるしかない。あるいは、信じるしかない。それこそ宗教だ。死についてとことん考えてきた宗教の知恵を借…りるしかない。この本は、様々な宗教が死についてどう考えてきたか、わかりやすく教えてくれる。私としては、ゆるい一神教であるユニタリアンがいいかな。続きを読む
投稿日:2023.08.18
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