悩ましい国語辞典
神永曉(著者)
/角川ソフィア文庫
作品情報
辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説。意外だが、江戸時代にも使われた「まじ」。「お父さん・お母さん」は、江戸後期に関西で使われていたが、明治の国定読本で一気に全国に。「がっつり」「ざっくり」「真逆」は最近使われ出した新しい言葉……。思いがけない形で時代と共に変化する言葉を、どの時点で切り取り記述するかが腕の見せ所。編集者を悩ませる日本語の不思議に迫る、蘊蓄満載のエッセイ。
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商品情報
- シリーズ
- 悩ましい国語辞典
- 著者
- 神永曉
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川ソフィア文庫
- 書籍発売日
- 2019.02.23
- Reader Store発売日
- 2019.02.23
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.7 (7件のレビュー)
-
40年近く辞書の編集に関わってきた方が、生き物である「ことば」の変化の面白さを伝えたいとの思いで執筆したとのこと。
辞書編集者を悩ます言葉約200語を以下の分類で各2頁程度にまとめ、世間での使われ方を…調査データも示しながら分かりやすく説明しています。
・揺れる意味・誤用(120)
・揺れる読み方(40)
・方言・俗語(20)
・大和ことば・伝統的表現(20)
私も昔は"正しい読み方"にこだわっていた時期もありましたが、最近は「女王」(じょおう)を(じょうおう・じょーおう)と読んだり、「早急(さっきゅう)」を(そうきゅう)と読むのには慣れました。
このような読み方の項目では、
「水族館」「洗濯機」「旅客機」を(すいぞっかん)(せんたっき)(りょかっき)と読むのは普通になっていますが、辞書や公共の放送・文書ではどう対応しているか?
「依存」は(いそん)か(いぞん)か?「存」は(そん)と読んだり(ぞん)と読んだりする単語が沢山あり悩ましい漢字のひとつらしい。
「一所懸命」は(いっしょけんめい)が(いっしょーけんめい)と言われ続けて現在は「一生懸命」に変化した。
「雰囲気」(ふいんき)は近年(ふいんき)という人が増えているが、著者と同じく私も気持ち悪くてまだ馴染めない。
「大地震」は(だいじしん)と(おおじしん)、「一段落」は(いちだんらく)と(ひとだんらく)で揺れている。
読み方は意味が変わるわけではないので、どちらも受け入れればいいのだが、問題は意味が変わって使われることばだ。
私自身長い間逆の意味で覚えていたことばの一つに「気が置けない」がある。
気が置けない人とは、気を許すとひどい目に合う要注意の人だとずっと思っていた。
ほかにも「情けは人のためならず」や「流れに掉さす」なども逆の意味で理解していた。
「天地無用」も最初は上下を気にしなくても良いと誤解していた。「問答無用」なら「無用」は「禁止」の意味と分かるのにね。
揺れる意味・誤用のことばから、参考までにメモした内容をいくつか挙げておきます。
振りまくのは「愛嬌」?「愛想」?
あくどいを「悪どい」と書きますか?
とんでもないは「とんでも」が「無い」という意味ではないが「とんでもあり(ござい)ません」が慣用になった。
「うがった見方」は疑ってかかるような見方として使われているが、本来の意味は物事の本質をうまく的確に言い表すということ。
1時間おきに水を飲む。1日おきに酒を飲む。の「置き」の使い方。次に水を飲むのはいつ?
「おざなり」と「なおざり」はどちらも「いいかげん」の意味でいいかげんに使われている。
「汚名挽回」しますか?「汚名返上」して「名誉挽回」しますか?
「的を得る」と聞いて「的を射る」が正しいでしょ?と思い込んでいる人確かに多いですよね。
「数人」や「数日」は何人で何日か「数」の捉え方に個人差がある。
「失笑」「爆笑」の意味の取り違えが蔓延。
「破天荒」は誰も成しえなかったことをすることという本来の意味で使われていない。
「全然~だ」「全然大丈夫」は「すべて」という意味なので良いが、「全然似合いますよ」は「とても」なので不自然。
「大丈夫」も「不要」や「可能」の意味で使われており、不適切と言えなくなっている。
「断トツ(断然トップの略)」なのに、断トツの最下位とは。
「出る杭は打たれる」と「出る釘は打たれる」のどちらも正しい。
「足をすくわれる」が誤用で「足元をすくわれる」が正しいと思っていた。
「潮時」は年齢によって使い方が違っている、どちらの意味で使っているのかの判断が難しい。
「週末」も個人差があるので曜日をはっきりさせた方がいい。
「世間擦れ」は「世の中の考えから外れている」という意味で使っている若者が多い。
辞書の編集といえば、三浦しをんさんの『舟を編む』が頭に浮かぶのではと思いますが、今とは違う部分があるそうです。
それは「見出し語」の脱落を人海戦術で徹夜で確認する場面。
デジタル化が進んだ今はコンピューターの処理で短時間で確認でき、かなり仕事が楽になった(ほかの点に意識を集中できるようになった)ようです。続きを読む投稿日:2020.02.24
自分が誤用していた言葉がいくつかあり、改めて、言葉の意味を把握することが普段いかに曖昧で、思い込みの多いものか分かった。
投稿日:2023.09.13
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