“町内会”は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~(小学館新書)
紙屋高雪(著)
/小学館新書
作品情報
吊るし上げられて・・・町内会長♪
凶悪事件のニュースをきくと、まず「現場がご近所じゃないかが気になる」私達にとって、自分の住む地域のコミュニティーは大切・・・・・・
でも自身の手間と面倒は極力避けたい・・・というのが実際ですよね。
そんな建前と本音がシビアな現実になる場が、町内会・自治会です。
団塊ジュニア世代の著者は、町内会長(自治会長)をついひきうけてしまい、その仕組みと実態に驚きつつ、てんてこまいに。
ちょっとした成果に充実感をえたりもしながら、最後は、“吊るし上げ”にあった末、一風変わった「ミニマムで楽しくラクな町内会」の創生へと到りました。
体験ルポを通して、歴史や、法的な位置づけ、統計データも踏まえ、町内会・自治会の今後のあり方を提言します。
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商品情報
- 著者
- 紙屋高雪
- 出版社
- 小学館
- 掲載誌・レーベル
- 小学館新書
- 書籍発売日
- 2014.10.01
- Reader Store発売日
- 2014.10.17
- ファイルサイズ
- 4.7MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (18件のレビュー)
-
著者は「超訳マルクス」(かもがわ出版)や漫画評論のブロガーとして有名な紙屋高雪さん。本屋で見つけて衝動買いした本です。別に町内会問題に関心があったわけでは無く、単に紙屋さんのちょっとしたファンであるだ…け。しかし案外こういう「直感」がいい本に出会う確率は高い。最高に面白かった。
紙屋さんは団地の町内会長(自治会長)をつい引き受けてしまう。なってみてその仕組みと実態に驚く。そこは身近なのにワンダーランド(未知の世界)でもあった。そしてちょっとした「成果」のあとに、「吊し上げ」にあって、ちょっとした「ミニマムで楽しく楽な町内会」の創設に至るのである。
「行政からは「町内会」は行政の末端組織と位置づけられているから、嫌いだ」「隣り組組織はなくなったけど、現在は補助金を渡す仕組みを作って新しい隣り組組織になろうとしている」と、私の周りには町内会に対して「毛嫌い」する人がいます。反対に、張り切って地域の自治会組織に関わり、結果的に地域を振り回したり、ボランティアとは言えないほどに超多忙な町内会を作ってしまっている人もいます。
紙屋さんは、団地の唯一のコミニュケーションの場である夏まつりなどの催しや、地域を代表して意見をいう場としての機能を尊重しながらも、行政の下請け団体になったり、いろんな圧力を跳ね除けて個人の思想・信条の自由を守る道をさぐります。緩やかな「方法」を模索します。
ちなみに、町内会は義務ではありません。加入・脱退の自由は(原理的には)あります。だって最高裁の判例があるんですよ。
ちなみに、オビの煽り文書はこうです。
「町内会会費○○○円」‥‥「今月の当番」‥‥「来年あたりに○丁目(○棟)の役員に」‥‥などなど‥‥メンドーな「地域のご近所付き合い」が降ってきてはいませんか?
あなたもメンバーです
吊し上げられるか、
理屈ヌキで従うか、
そんな仕組みがここにある!
ちなみにひとつ気がついたこと。
町内会の運営や、役員の側からの言い分、入っているのかも自覚していない住民からの言い分、細かい仕事の内容、役を回すコツ等々を読んでいくと、これはそのまま労組運営で困っている役員や労組員にも当てはまるんじゃないか。いろんなヒントがあります。労組員や役員にオススメ!
出来たら、紙屋さんに労組編も書いてもらいたい。同じ小学館新書というメジャーな新書として。でも、町内会は、なんと89%もの加入率があるらしい(「町内会・自治会など近隣住民組織に関する全国調査」)。一方、労組の加入率は二割を切って17%台だ。おそらく小学館は出版してくれないだろな(^_^;)。
2015年4月15日読了続きを読む投稿日:2015.04.26
2023.05.14
おっしゃるとおり、町内会は義務ではないです。そう説明しているのだから、行政にかみつくのはやめてもらえないでしょうか。投稿日:2023.05.14
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