- 最新巻
悪魔の飽食 第三部
森村誠一(著)
/角川文庫
作品情報
1982年9月、著者は戦後三十七年にして初めて現地を訪れ、“悪魔の部隊”の痕跡を辿った。日本陸軍が生んだ世界最大規模の細菌戦部隊の本拠地「平房」に生々しく残っていた悪魔の爪痕!!マルタは本当に全員殺されていたのか? その遺族は? 特設監獄のあとはどうなったのか?第一部、第二部が加害者の証言の上に成っているのに対し、本書は徹底した現地取材に基づく被害者の側からの衝撃の告発の書である。
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商品情報
- シリーズ
- 悪魔の飽食シリーズ
- 著者
- 森村誠一
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川文庫
- 書籍発売日
- 1985.08.01
- Reader Store発売日
- 2014.09.10
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- シリーズ情報
- 既刊3巻
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この作品のレビュー
平均 5.0 (2件のレビュー)
-
日本人として
大東亜戦争のことで、知っておかなくてはならない事実のひとつだろうと思います。大学の卒論を、昭和軍国主義時代の初等教育について書いた。たくさん読んだ関連文献で、731部隊のおぞましい人体実験のことを知る…ことになった。が、きちんと向き合って読んだのは今回が初めて。わざわざ第三部から読みはじめた。三部作のうち、第一部、二部は加害者側の視点から。なぜ後ろから読んだかという理由が二つある。第三部は一部、二部を書いた後、初めて中国を訪問し、現地の人たちの案内を得て、中国側の視点も入れて書いたとのこと、これが一点。前著での写真誤用問題に関する説明が掲載されている、これが二点目。戦争だったとはいえ、過去のおぞましすぎる行為の行われた場所に案内をしてくれ、歴史に残さねばという著者への協力を惜しまない中国の人たちがいたということを知らねば、加害者側の孫か曾孫にあたる世代の人間として怖くて読み進められないだろうと思った。当初、悪魔たちの飽食の様子が、「赤旗」に掲載されたということで、写真誤用問題が出たら、共産党に対する誹謗中傷に問題がすり替えられたなどという話など、ああ、やっぱりと思うようなこと多々あった。これから、既にダウンロードしてある一部、二部と読んでいく予定です。続きを読む
投稿日:2015.09.01
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(2006.12.06読了)(2006.09.18購入)
「悪魔の飽食」は、日本での731部隊の関係者の取材によって書かれた。「続・悪魔の飽食」は、主にアメリカでの取材によって書かれた。「悪魔の飽食・…第三部」は、中国での取材によって書かれた。正と続を読んだら第三部も読まないと落ち着かないので、読むこととしました。
中国の取材は、1982年9月15日―30日で2週間ほどです。
●米国製細菌爆弾(22頁)
北京の、「中国人民革命軍事博物館」に米軍が朝鮮戦争で投下した細菌爆弾が展示されている。日本の731部隊からの情報に基づいて作られたと言われている。
●731部隊(58頁)
「731部隊は平房区に住んでいた人たちを強制的に移転させ、そのあとに細菌製造工場を建設しました。731部隊はそこでいろいろな動物を使って細菌戦の実験を行いました。動物だけでなく、中国人の人体を使って各種の実験を行いました。日本軍は残酷な実験によってたくさんの中国人を殺しました」
「1945年8月15日に日本軍が降伏する直前、彼らは犯罪行為の証拠である工場施設を爆破しました。中心の施設からたくさんの動物が逃げ出しました。細菌に汚染された動物が多数逃げたために、終戦後非常な勢いでペストが流行しました。」
●愛国心(60頁)
どこの国民にも愛国心はある。国の独立と自由がない限り個人の人格や自由も認められない。だが度を越した愛国心は、自国以外の国を、自国を支え富ませる“素材”とみなし、自国さえよければ他国はどうなってもよいという独善に陥らせる。
●反戦的日本人(127頁)
731部隊の中にも中国人に親切だった日本人もいたのではないかと言う質問に対する答え。
「そのような人たちもいましたが、階級章を剥がされ、手錠をかけられた上に、マントを着せられ、車に載せられてどこかへ連れて行かれました。」
●「続・悪魔の飽食」写真誤用問題(265頁)
旧版「続・悪魔の飽食」に使用されたグラビア写真35枚中20枚が731部隊と全く無関係の写真であった。
光文社から出した「悪魔の飽食」を読んだ竹内と言う人からA氏を紹介され、A氏と会ったら、石井四郎の直筆の手紙、日記、家族との写真と同時に、問題になった写真も示された。
石井四郎関係の資料と一緒に示されたので、真実性が強いものと判断し提供をお願いした。
●戦争犯罪(279頁)
日本だけが犯したことではない、戦争になれば世界のどの国でも犯すことだと言う言い抜けは許されない。そのような言い逃れは犯罪の正当化によく使われる手である。加害者(侵略者)に反省がない限り戦争の悲劇は繰り返される。自分の国と国民が世界の中で最も優れていると言う独善的かつ時代錯誤的な愛国主義は、結局世界からその国を孤立させ、その国を滅亡に導く。
作家 森村 誠一
1933年 熊谷市生まれ
青山学院大学卒業
ホテルマン生活10年
1969年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞受賞
☆関連図書(既読)
「新版 悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.06.10
「新版 続・悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.08.10
「731部隊」常石敬一著、講談社現代新書、1995.07.20
「南京への道」本多勝一著、朝日新聞社、1987.01.20
「南京の真実」ジョン・ラーベ著・平野卿子訳、講談社、1997.10.09
「南京事件」笠原十九司著、岩波新書、1997.11.20
内容紹介(amazon)
一九八二年九月、著者は戦後三十七年にして初めて“悪魔の部隊”の痕跡を辿った…。第一・二部が加害者の証言の上に成されたのに対し、本書は現地取材に基づく被害者側からの告発の書である。続きを読む投稿日:2010.02.20
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