歴代首相の経済政策 全データ 増補版
草野厚(著)
/角川oneテーマ21
作品情報
吉田、岸、佐藤、田中、中曽根から、民主党政権の鳩山、菅、野田内閣まで、仁政の総理、失政の宰相、前内閣の経済政策を問う。好評に応え7年ぶりに大幅増補!
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商品情報
- シリーズ
- 歴代首相の経済政策 全データ 増補版
- 著者
- 草野厚
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川oneテーマ21
- 書籍発売日
- 2012.06.01
- Reader Store発売日
- 2014.09.10
- ファイルサイズ
- 11.4MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (4件のレビュー)
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アベノミクスの評価はまだない
戦後の首相の経済政策と予算の推移を所信表明演説や施政方針演説、財政演説などを取り上げながら紹介している。外交やその時の首相が選ばれた経緯も合わせて紹介しており、当時首相が何に気を使ったかなどデーター中…心というより政治学者が書かれたものらしくストーリー中心になっているといってもいい。初版が小泉内閣3年目の2005年で終わっており増補版では民主党政権の2012年野田政権予算まで。アベノミクスの評価はまだない。
戦後処理ー国際社会への復帰ー高度経済成長の第三章までは政治と経済の関係はわかりやすい。第四章は経済大国・行財政改革の時代(1981〜93)だがバブルの生成と崩壊が背景である。第五章乱連立の時代の内閣(93〜06)ポストバブルと金融危機。第六章自民党時代の終焉、第七章政権交代と民主党内閣と続く。
経済的なトピックは池田内閣の国民所得倍増計画や64年の東京オリンピックを含む高度成長期、68年に西ドイツを抜き自由世界第二位の経済大国になり71年のニクソンショックで為替が自由化され、86年に始まるバブルなど。消費税は89年に導入され97年に5%にこの本では税制があまり触れられていないが平成になってから所得税減税や法人税減税はゆっくりだが進んでいる。消費税の導入と橋本内閣での省庁再編は政治的には大きなトピックスであった。
予算の中味に関しては例えば2014年予算92.6兆円のうち社会保障30.5兆、国債費23.3兆、地方交付税16.1兆が予算全体の73%を占め、これに公共事業、文教科学振興、防衛の6つで90%を占めている。主要三項目の割合は増え続けているが国債費が公共事業費を越えたのは1980年に遡りその後割合は変わっても構造的にはこの6つが予算の8割を超えるという構造は変わっていない。GDPは87年に400兆円程度だったのがバブル崩壊で停滞したものの増え続け96年に500兆を越えて97年がピークでその後は一定。リーマンショック後の2009年以降400兆台に落ち込んだがドルベースで見れば2011年の円高により6兆ドル弱となったのがピークだ。90年ですら3.5兆ドル程度である。
消費税を導入した89年の税収は55兆円、一方で予算は60兆円とまだそれほど大きな乖離はない。税収の方はバブルピークの90〜91年の60兆円がピークで 93年には54兆94年に51兆と落ち、98年に54兆とやや盛り返したが99年以降は40兆台で推移している。リーマン後の09年には39兆と85年の水準にまで落ち込み12年42兆だ。所得税は90年と91年に26兆を越えたが95年の減税以降20兆を割り、2012年は13.5兆と半減している。法人税も89年には19兆を越えていたのが92年に13.7兆その後10〜15兆の範囲で推移していたのが同じく09年に6.4兆と落ち込み12年まで10兆円を下回っている。減税については住民税が89年の最高16%から07年10%まで引き下げられ所得税も最高税率、課税所得額とも同じタイミングで下がっている。法人税は89年の最高40%が90年37.5%、99年34.5%、12年25.5%と下げている。消費税は3%の時代は5〜6兆円の税収で5%にしてからは10兆円程度だ。所得税と消費税を合わせて考えると92年に28兆規模が02年以降25兆規模に落ち、09年には23兆で今は少し戻したところ。結局バブル最盛期ですら60兆しかなく、景気が良くなったとしても現状では50兆がやっとである。
一方の支出規模は社会保障と国債費というほぼ裁定の余地のない自動支出が54兆ある。アベノミクスが成功し2%の経済成長が上手くいったとしても国債費は増えるし税収増分は社会保障と国債費で消えると見ていいだろう。だから本丸は国債を増加させないことを前提としても社会保障の増加を止めるか、その分を消費税か所得税/法人税で増税するかでしかない。しかしおそら評判が悪いこの政策はこれまで手つかずだったのだろう。
消費税の増税は景気を悪化させる。短期的には間違いなくそうだ。では税収を増やすかというとなかなか解釈が難しい。例えば大減収の09年も消費税収入は安定している。89年の導入から97年の2%アップまでの間GDPは増加しており一方で所得税は減った。そして消費は伸びている。5%増税以降も同様の傾向だ。所得減税は年収300万未満の低所得者層には恩恵がほぼなかったので300〜900万の層が所得減税分を消費に回してバランスしたことになる。所得税収減は減税と中位所得者の年間所得が下がったという産業構造の変化で説明した方がいい様な気がする。製造業や建設業が減り、より低所得の介護などの就業者が増えている。法人税の方も輸出中心の製造業という構造からは変わってしまった。続きを読む投稿日:2014.11.30
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このレビューはネタバレを含みます
• 改革の難しさは、内閣の任期が、国民の意向に左右されやすい制度そのものの特徴にある(412)
レビューの続きを読む
• 歴代内閣で改革が実現した場合の条件には、首相の指導力、権力基盤の構造変動、外圧(416)
• 援助、…朝鮮特需がなくなったあとにどうすべきかを真剣に議論していることも、統治能力の高さを証明する。このことは、現在、日本が積極的に取り組んでいるODAを行うに当たり、途上国に対して大いに示唆的である(423)
→ 変化に対応できる能力?
• 議院内閣制における内閣と与党の関係を、政策面での政治家の質の向上を前提に見直すこと(424)続きを読む投稿日:2021.03.11
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