新・平家物語(三)
吉川英治(著)
/吉川英治歴史時代文庫
作品情報
平治の乱の実際の戦闘は、わずか半日だった。だが、この半日を境に源平の明暗は大きく分れる。源氏一門の棟梁義朝は、都を落ちてゆく途中で非業の最期を遂げ、その子義平、頼朝は勿論、常盤(ときわ)に抱かれた乳のみ児の牛若まで、業苦の十字架を背負って生きる。一方、宿敵の源氏を軍馬で蹂躙(じゅうりん)した清盛は、もはや公卿の頤使(いし)には甘んじていなかった。平家全盛の鐘は、高らかに鳴りはじめている――。
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商品情報
- シリーズ
- 新・平家物語
- 著者
- 吉川英治
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 吉川英治歴史時代文庫
- 書籍発売日
- 1989.05.15
- Reader Store発売日
- 2014.08.01
- ファイルサイズ
- 2.3MB
- ページ数
- 422ページ
- シリーズ情報
- 既刊16巻
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この作品のレビュー
平均 4.3 (13件のレビュー)
-
完全に平清盛にハマっている今日この頃の私。
本巻では、平治の乱後の戦後処理、清盛と常盤御前とのやり取り、日宋貿易への着眼など、清盛が一大政治家として飛躍していく様が描かれている。本作品の清盛は非常に…包容力が大きく魅力的に描かれている。今まで私が書やドラマなどで読んできた作品の清盛像と言えば、一般的に悪役として描かれることが多い。しかし吉川氏いはく、これは平家滅亡後に源頼朝の治下において鎌倉期の筆者が歪めて書かれたものに起因するという。なるほど、歴史関係の書を読む際は、こうした事情も踏まえなければならないのだ。そうしないと、作られたイメージのみで人物を判断してしまうことになる。
以下に、清盛の台詞で印象的であった部分を引用したい。
「俺はいくさが上手でもなし、好きでもない。武芸の業ならば俺は義朝の敵でないし、六波羅武者は坂東武者の馬馴れや弓勢に到底及ぶものではない。義朝の亡んだのは、武魂というだけで世間に疎く、人を見ること単純で、しかも政治に欠けていたからだ。もし信西入道が生きていたら、おそらく義朝ごときは弓矢も用いず自滅を余儀なくさせていただろう。地の利、人の利、天の利を待ち切れず、あえてまずい合戦をしでかしてしまったものと見える。敵ながら哀れやの」
→平治の乱後、清盛が義弟の時忠に語った言葉。腕力ではなく天地人の利を悟れとは参考になる発言である。
「菩提の輪廻のと、そんな文句で埒のあく世の中かよ。奈良や三井寺の腐敗を見ろ。人間は生き物だぞ。この世は生き物同士が喰うか喰われるかをやっている巣だ。寸土も余さず、勝敗を営みとしている地上だ。でも、たって仏いじりがしたいなら、そして慈悲だの善根だのといって安っぽい涙をこぼしていたいなら、伽藍の中か池ノ尼御前の住居へ行って、一緒にやれ。俺の前になど持ち出すな。清盛は世の政治(まつりごと)にあずかる身だ。」
→清盛が長男の重盛に対して毒づいた言葉。私がこの作品の清盛に惹かれる理由は、彼もまた私と同じく唯物論者(=無神論者)である点だろう。続きを読む投稿日:2012.02.25
本作品は"国民作家"吉川英治の代表作で、昭和25年から32年まで「週刊朝日」誌に連載された。25年はまだGHQ占領時代で、娯楽も少なかったこともあって、日本的な美意識や生き様を描いた本作は大変な評判を…集めることになった。その盛り上がりは昨今のベストセラーの比ではなかったようだ。来年の大河ドラマは平清盛を主人公に据えることが決まっているし、本書の注目度も上がるかもしれない。平家物語を描いた作品には、ほかに橋本治や宮尾登美子らの手になるものがある。平家作品が増えるのはファンとしては大歓迎であるが、その中でも本書の輝きは図抜けていると云える。
第三巻は平治の乱の決着とその戦後処理が主題となる。義朝が非業の最期を遂げ、多くの源氏が捕らえられるが、池ノ禅尼の嘆願もあり、頼朝や義経らは一命をひろう。それが歴史を変えたのはご存知の通り。仏教思想が生きていた世だったからこその処置であろう。保元の乱で崇徳上皇側の武士が処断されるまで、約三百年間死罪がなかったという。平安の世が乱世と化したのは死罪がきっかけだったようにも思える。続きを読む投稿日:2023.10.01
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