千姫様
平岩弓枝(著)
/角川文庫
作品情報
江戸幕府の始祖・徳川家康の継嗣・秀忠と浅井長政の娘・江与の間に生まれた千姫は、政略により幼くして豊臣秀頼に嫁いだ。しかし十八の春、ついに家康は大坂城に総攻撃をかけ、千姫は速水甲斐守の娘・三帆とともに逃れた。千姫の第二の人生の始まりであった――。動乱の戦国時代に生を享け、数奇な運命に翻弄されながらも、徳川揺籃期の後見として天寿を全うした千姫の情熱にあふれる生涯を描く、長編時代小説。
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商品情報
- シリーズ
- 千姫様
- 著者
- 平岩弓枝
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川文庫
- 書籍発売日
- 1992.12.01
- Reader Store発売日
- 2013.02.01
- ファイルサイズ
- 1.6MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (17件のレビュー)
-
脇役がいい味を出しているが、最後はヒロインの言葉が響く
姫君が若君を好きになる。若君も姫君を好きになる。だが戦国時代なので結ばれない。
・・・と思いきや、姫君を溺愛するおじいちゃんが権力を行使して、二人を結婚させてしまう。
そして二人は幸せな結婚生活を送る…。
・・・あれ?まとめてみて、ありそうでなかった描き方だな、と思った。
職権乱用のおじいちゃんは徳川家康。
姫君はその三男秀忠の長女・千姫。
幼い頃、いとこである豊臣秀頼の正室となったが、実家により豊臣家が滅ぼされ、夫とは離別する。
秀頼を兄のように慕っていた千姫であったが、
夫との離別後、初めて恋をする。その相手が徳川家重臣本多忠政の嫡男・忠刻。
まあ、何かの史料にも千姫が忠刻を好きになり、家康が後押しをしたと読めるところがあるらしいが、
この物語の感触は何だか妙。悪い意味ではなく、ちょっと新鮮な違和感。
だって、ヒロインが幸せすぎる。
歴史ものでも、現代ものでも、こんなに幸せに描かれるヒロインって・・・?
もちろん、千姫の生涯を考えれば、何故この時期の千姫をここまで幸せそうに描くのかというのに意味がある。
その前後の悲劇や悲哀とのコントラストがはっきりするからだ。
幸せな時間って永遠に続かないから幸せなんだろうな、切なくなるような感じ。
コントラストといえば、架空の登場人物を巧く使っている。
千姫の豊臣家時代からの侍女・三帆。
彼女も忠刻に思いを寄せている。
千姫に仕えながらも、何とか忠刻に近づこうとし、
千姫が懐妊したら、ひそかに流産したらいいのに、などと思っている。
千姫が光なら、三帆は影。
歴史ものとしてはなまなましいくらいの女同士の嫉妬、葛藤、しかしどこかにある共感のようなもの。
本書の千姫や三帆の恋は、近代的な「恋愛」の描き方なのかもしれない。
が、私はそんなことは全然構わないと思う。小説というのが近代的なものだから。
三帆の嫉妬や葛藤は恋愛小説らしい感じ。
インパクトがあったのが、姉である千姫に初めて会ったときに恋してしまい
恋の病が死ぬまで治らない感じの弟・家光。
「竹千代は、いつまでも、姉上に傍にいて頂きとうございます。
竹千代が今少し、大きければ、忠刻ごときに、姉上をお渡しはせぬものを・・・」
大きくなっても姉弟は姉弟です(笑)
でも彼は生涯、こんな感じで(笑)こんな家光初めて見たかも(笑)
このあたりの人々が、うっとうしいくらいに相思相愛な千姫夫婦に対するスパイスとして巧く活きている。
さて、ヒロインの千姫であるが、長生きをした人である。
「よいこともみれば、悪しきことも見ねばなりません。なつかしい人が一人去り、二人去って・・・」
この言葉、最初から読んでいってこそ心に沁みる。
続きを読む投稿日:2014.11.28
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千姫と、そのお付の侍女(三帆)の物語
大阪城の落城から、その生涯を終えるときまでの千姫の生きざまが描かれた小説です。
軽く読める歴史小説としても恋愛小説としても楽しめます。
普段、コバルト文庫やビーンズ文庫などを読んでいる方が読んでも楽し…めると思います。続きを読む投稿日:2014.10.16
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