はじめての人類学
奥野克巳(著)
/講談社現代新書
この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
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はじめての人類学 奥野克巳
人類学者の紹介と、彼らが人類学者としてどんな実績を積んできたかが章ごとに説明されている。
ぶっちゃけ難しくてよく分からんかった。笑
最終章に全てまとめられているので、…初めに最終章を読んでから、序盤に戻り、掘り下げて読んでいった方が分かりやすいかも…。
人類学とは、自民族以外の民族を研究する学問である。
フランスでは「民族学」と呼ばれている。
日本の「民俗学」とは違う。
序章を読んで気づいたのが、この本を手に取った私の根本的な勘違い。
もっと、精神論的な「人類とは」みたいな研究かと思っていたよ笑
そういったものは、やはり哲学や精神分析論とかになるのですかね。
ですが、手に取った以上は、読みます!!笑
【ブロニスワフ・マリノフスキ】キリリとした丸眼鏡の若干頭の薄いイケおじ。
ポーランドの学者。
彼は、フィールドワークの実践を提唱した。
頭でわかっていても、実際そこに行って住み始めると、現実は違うということです。
【クロード・レヴィ=ストロース】四角い黒縁眼鏡の頭の薄い国会議員とかにいそうなおじさま。
フランスの人類学者。後にアメリカに亡命。
同じく、現地経験を推奨する。
彼は、人間の中に意識されないまま潜んでいる「構造」だけではなく、人間を超えて自然の中にある「構造」にまで踏み込みます。
私たちが「未完」「野蛮」だと思っている社会には、最初から完成されている精神があり、それらもまた同じ人間の精神の所産だと説く。
ふーむ、封建村系の小説を思い出すが、人間の精神の所産だと言われると、食人も正当化されてしまう笑
【フランツ・ボアズ】眼鏡かけたアインシュタインみたい。
ドイツからアメリカに移民。
アメリカの人類学を大きく発展させた方。
ネイティブ・アメリカンと呼ばれる先住民の調査研究を大きく進める。
内部に混在する多様な文化と、遠く離れた外部の文化を比較する中で、文化の概念を練り上げ「文化相対主義」を打ち出す。
はい。なんのことやら。
「文化相対主義」とは、すべての文化には価値があり、敬意が払われるべきであると言う考え方。
未開と文明を問わず、あらゆる文化は対等である。
つまり、文化の差に優劣はない。と。
人類学における「文化」とは、
知識、信念、技術、道徳、法律、慣習など。
戦後のアメリカに強い影響をもたらしたそうです。
アメリカの人類学は、「文化人類学」と想定。
文化の概念は特に重要なものであり、「生のあり方」こそがアメリカの人類学での研究対象らしい。
これじゃん?私が読みたかったのって…^^;
【ティム・インゴルド】良いお父さん風
イギリスの学者。
父が英国菌類学会の会長。
彼は独自の観点から人類学を進める。
人類学とは、人が生きていること、生に関わる学問だったということが見えてきた。
参与観察に基づくフィールドワークをもとに研究することであり、異文化理解を目指す学問ではないと主張している。
データを収集はすれど、語ることではないと。
異文化とともに、哲学すること。と提唱。
ふむふむ。
『人類学とは』に重きを置いた本な気がした。
自国は自国、異文化は異文化。
それぞれ干渉し合うものではない。
共に歩もうではないか!的なのが理想。
異文化で特に興味深かったのは、
ーーーーー
トロブリアンド諸島の母系社会では、人は死ぬと「トウマ」と呼ばれる死者の島へ行き、幸福な生活を送ると考えられています。死者の霊は、トウマでの生活に飽きると、現世に戻るために「霊児」になるとされます。そしてトロブリアンド諸島に戻り、女性の体内へと入っていくのです。つまり、女性が妊娠して子どもを出産するのは、霊児が彼女の身体に宿ったからだと考えていたわけです。血液は子どもの身体をつくるのを助ける働きがあります。だから、妊娠すると月経が止まるのだとトロブリアンド諸島の人々は説明します。(本文より)
ーーーーー
科学がなければ知り得ない事なので当たり前なのだが、それでも人間は本能で繁殖し、独自の解釈を作り出し進化してきた「動物」なのだと実感した。
続きを読む投稿日:2024.02.14
人類学における4人の巨人を中心にどのような考え方が主流として扱われてきたのかについて述べている。
本質的に人類学とは相対的哲学なのかなと思ったし、大袈裟かもしれないが誰しもが普段の生活の中で「内部」と…「外部」を意識することで人類学的な参与観察に似た過ごし方ができるんじゃないかと思った。続きを読む投稿日:2024.03.09
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