仕事がデキる人のたたき台のキホン
田中志(著)
/アルク
作品情報
上司から気軽に頼まれる「たたき台」。
一生懸命書いたのに、コメントもなく、振り向かれもせず、「叩かれ」もせず。
えっと、なんで書いたんだっけ……、そんな経験はないでしょうか。
そもそも「たたき台」は何のために作り、どうやって使うもの?
「たたき台」に誤解があると、いつまでも仕事はつまらなく、成果もあがりません。
「きれいなデザイン?」→ NO!
「膨大な調査?」→ NO!
「完結している提案?」→ NO!
「たたき台」は周囲を巻き込み、活発な議論を生み出すことにこそ価値があります。
みんなでとことん議論ができる最強チームは、「たたき台」にヒミツがあるのです。
本書では「5つのS」をヒントに、誰もができる「たたき台」の作り方と使い方を紹介します。
若手のみなさんはもちろん、チームの導き方を見直したい中堅・ベテランのみなさんにもおススメです。
よい「たたき台」を使って、一緒に充実した仕事の旅を始めましょう!
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 3.8 (12件のレビュー)
-
これまで、アイデアの出し方、企画書の作り方、プレゼンの仕方といった内容の著書は見たことありますが、「たたき台」というものにフォーカスしたものは初めてのような気がします。
たたき台は、文字通り、叩かれる…ものであり、資料作成の前段階にあたるものです。著者は、たたき台を仕事を進めるための最強のコミュニケーションツールとして捉えており、その作り方だけにとどまらず、仕事の進め方に言及しています。
特に、たたき台で世の中を変える「たたき台革命」を起こす、「間違ってはいけない」と失敗を恐れる世の中を壊す、
間違いを許す精神と間違いを恐れない精神を養う、と著者の意気込みを十分感じられます。
どうしても軽く見られがちなたたき台の必要性を見いだし、仕事の進め方、AIにはできない考え方など、面白い視点の一冊だと感じました。
▼たたき台=スタート地点を「ここです」と示すための道標
▼よいたたき台の効果
・みんなの議論が活発になる
・みんなからアイデアを引き出せる
・みんなの意見や考えが明確になる
・アイデアが発展する
・完成品の段階でのやり直しを減らせる(手戻りを死証言にできる)
▼たたき台基本の5S
①スピード:「とりあえず」でいい、まずは手を動かす
②シンプル:とにかくわかりやすく
③刺激:みんなから反応を引き出す
④質問力:企画の意図や問題点を理解するために的確な質問をする
⑤隙:ガチガチに固めない、敢えて突っ込ませる
▼アイデアを集めやすくなる3つのポイント
①フレーム(構造):全体の流れを示す
②事実:事実を明確にする
③意見:自分の意見を必ず入れる
▼否定的な意見ほど相手の本音を引き出せる
▼「自分のアタマ」を整理する4ステップ
①アウトライナー(箇条書きツール)を立ち上げる
②目的と制約条件を冒頭に書く
③思いつくままに心の声を書く
④構造化する
▼構造化の技法ー全文章に接続詞をつけてみる
頻繁に使う接続詞によって思考の偏りがわかる
▼アイデアをもらうためのチェックポイント
①5Sを使っているか
②自分の意見・熱量が入っているか
③コアとなる問いが入っているか
④事実、推測、意見が適切に分けられているか
⑤抽象と具体のバランスは適切か
⑥受け手にとってわかりやすい構成になっているか
⑦中身が「空っぽ」になっていないか
▼たたき台で議論が広がらない原因
①メンバーの上下関係が強い
②悪目立ちをしたくない文化が優位
③仕事・組織への無関心
④ファシリテーターの不在
⑤責任を取りたくない
⑥ネガティブ病
<目次>
はじめに
第1章 仕事をラクにする「とりあえずのたたき台」
「一見」筋の通ったアイデアが陥るワナ
ノーアイデアでもアイデアが集まりやすい「たたき台」
たたき台はあらゆる仕事のスタート地点になる
たたき台でコミュニケーションを活発にする
たたき台へのありがちな誤解
誤解① アイデアがよかったら、たたき台は必要ない!?
誤解② 完成品並みに作らなければ、たたき台としての意味がない!?
誤解③ 完成品と異なる形式のたたき台を作るのって、二度手間では?
誤解④ たたき台を作るのは面倒
誤解⑤ たたき台は新人が作るもの
「よいたたき台」から仕事を始めるメリット
世のなかは「たたき台」でできている
コミュ障の人こそ、たたき台は武器になる
たたき台で間違いを認め合う社会をつくる
第2章 たたき台を作るための5つのS
どんなたたき台にも通用する基本の5S
第一のS「スピード」 まずは手を動かす!
スピード① その日から動き始める
スピード② フォーマットはマネる
第二のS「シンプル」 とにかくわかりやすく!
シンプル 情報を入れすぎない
第三のS「刺激」 みんなから反応を引き出す
刺激① 何のための刺激?
刺激② どんな刺激を与えるか
第四のS「質問力」 的確に問いかける
質問力① たたき台を作る前の確認事項
質問力② たたき台を作るときの質問
質問力③ たたき台を作った後
第五のS「隙をつくる」 固めすぎず突っ込ませる
隙をつくる① 空欄を可視化する
隙をつくる② 「……」に語ってもらう
隙をつくる③ 心理戦に勝つ
第3章 アイデアをどんどん集めるたたき台の作り方
「人のアタマ」を借りる道具、それがたたき台
たたき台を作るのは「若手の仕事」ではない
どんなパワポ資料作成時でも使えるたたき台フォーマット
議論のためなら手書きでいい、ワードでいい
アイデアがないときこそたたき台の使いどころ
アイデアを集めやすくなる3つのポイント
①フレーム(構造) 全体の流れを示す
②事実 事実を明確にする
③意見 自分の意見を必ず入れる
熱量のないたたき台では相手を動かせない
否定的な意見ほど相手の本音を引き出せる
「自分のアタマ」を整理する4ステップ
ステップ1 アウトライナー(箇条書きツール)を立ち上げる
ステップ2 目的と制約条件を冒頭に書く
ステップ3 思いつくままに心の声を書く
ステップ4 構造化する
構造化の技法――全文章に接続詞をつけてみる
意見が欲しい相手を指名してたたき台を作る
アイデアをもらうためのチェックポイント
チェックポイント① 5Sを使っているか
チェックポイント② 自分の意見・熱量が入っているか
チェックポイント③ コアとなる問いが入っているか
チェックポイント④ 事実、推測、意見が適切に分けられているか
チェックポイント⑤ 抽象と具体のバランスは適切か
チェックポイント⑥ 受け手にとってわかりやすい構成になっているか
チェックポイント⑦ 中身が「空っぽ」になっていないか
第4章 たたき台で最強チームをつくる
仲良しチームでなくても議論ができれば最強
たたき台で議論が広がらない原因
原因1 メンバーの上下関係が強い
原因2 悪目立ちをしたくない文化が優位
原因3 仕事・組織への無関心
原因4 ファシリテーターの不在
原因5 責任を取りたくない
原因6 ネガティブ病
たたき台を生かすファシリテートの技法
たたき台で議論を起こす仕掛け
ただ叩くのではなく「叩き上げる」ためのルール
たたき台を作った人に敬意を払う
第5章 たたき台は世界を変える、仕事を変える
「走りながら考える」が世界の標準になっていく
AIに「真のたたき台」は作れない
たたき台の使い方は三手一組で
上級者はホワイトボードで「即興たたき台」を作る
「明日の自分」へのたたき台を用意する
おわりに続きを読む投稿日:2024.04.13
最近読んだ本の中で一番よかった。営業の戦略を考える上でさまざまな企画を考える業務があるため、明日から試してみようと感じた。
51ページ
たたき台を出す人は、なにもないゼロのところに議論を生み出す「ゼ…ロイチの人」です。その1が話し合いを重ねるうちに100にもなっていきます。その最初のきっかけをつくった人とは、一番尊いものです。
209ページ
たたき台は、他者の意見を入れることで最初には思いもよらなかったアイデアに発展させていけるからこそおもしろく、価値がある続きを読む投稿日:2024.03.31
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