宇宙開発の不都合な真実
寺薗淳也(著)
/彩図社
作品情報
技術的にも金銭的にも小さなサンプルしか持ち帰ることができない、宇宙資源がどれぐらいあるか不明、研究が追いつかずビジネス優先になるおそれがある……。明るい未来と共に語られがちな宇宙開発には、問題が山積している。そうした知られざる問題を、JAXA元職員である惑星科学者が解説。不都合な真実を明るみに出すとともに、宇宙との新しい向き合い方を提案する。
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商品情報
- シリーズ
- 宇宙開発の不都合な真実
- 著者
- 寺薗淳也
- 出版社
- 彩図社
- 書籍発売日
- 2022.09.20
- Reader Store発売日
- 2022.09.20
- ファイルサイズ
- 14MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (8件のレビュー)
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危険な天体の監視もボランティア頼み?
"100億円の宇宙旅行"、"金持ちの道楽"と揶揄されたのは、2021年の日本の実業家で初めて国際宇宙ステーションを訪問した前澤氏だが、あれからどれだけ身近なものとなっただろうか?
月まで行くにはいま…だ、考えるのさえ嫌になるほど、途方もない費用がかかるし、なにより80年近く経っているのに、いまだナチスドイツが開発したV2ロケットを超える革命的な宇宙推進機関は実用化されていないのが宇宙開発の実態だ。
宇宙資源開発も、国家は一応自らの手を法律で縛ってはいるが、自国の企業による採掘や独占を規制せず、むしろ積極的に後押ししようとしてきたが、これも思惑通りにはいかなかった。
小惑星の資源探査で、"希少金属が豊富にあるぞ"と皮算用しても、宇宙資源を持ち帰るためにあまりにもコストがかかりすぎるという問題にぶち当たる。
何しろ現在のロケットの輸送コストは、月へ1kgのものを打ち上げるのに1億円とされている。
将来の月探査計画で、地球から一日に必要な水300ℓを月に運ぶために、何と1人当たり300億円もかかってしまう計算だ。
常時3人が月面に滞在するとすれば、水の輸送だけで年間32兆円という、気が遠くなるような費用がかかってしまう。
2010年代に立ち上がったアメリカの宇宙資源採掘を手がけるベンチャー企業も、ついには買収という形で消滅してしまった。
NASAから受託を受けるなど国からバックアップがあってもこうなのだが、日本でも"ベンチャー任せ"や"ベンチャー頼み"の現状は変わらない。
JAXAのここ数年のプレスリリースを見ても、そのほとんどが民間企業やベンチャー企業との提携や支援強化ばかりで、「日本の宇宙開発に向けてどのようなことを行っていくのか、その姿勢がみえてこない」。
"国立研究開発法人"という肩書きに似合わぬ、ベンチャー支援一辺倒のJAXAを見るにつけ、マッツカートが『ミッション・エコノミー』で説いた、安易な外注を斥け、学習する組織として、リスクテイクと試行錯誤を繰り返す姿勢は、ここにはなさそうだ。
成功神話に酔った"はやぶさ計画"も、実は破れかかぶれの博打に近く、そもそも予算の問題で打ち上げの機会が少ない日本にとって、探査対象を月でも火星でもなく、小惑星に絞ったのは、それが「目立つミッションを行って成果を残し、それによって予算や機会を引っ張り出す」という目論みに適ったからというのが実情だった。
ただそれでも、2020年頃から日本の宇宙予算は急激に増額している。
その要因としては、"ハヤブサ・バブル"ではなく、アメリカや中国など、各国の宇宙予算が尋常でないほど急増を続けているため、日本はただ引き離されないように必死についていかざるを得なかったのだ。
それともう一つの要因として、軍事利用の側面がある。
多くの国民は気づいていないが、現在ロケットのほぼ3分の1は、実は情報収集衛星のために打ち上げられている。
政府は情報収集衛星のスペックを25年近くもひた隠し、どんな情報を収拾しているのかも明かしていない。
多額の税金が投入されているが、その衛星が本当に役に立っているのか、ひょっとして民間の安価な衛星の方が、実は性能が"上"ってことはないのか、まるで分からっていない。
巨額の国費が知らぬ間に使われる一方で、打ち上げ中止のH3ロケットの会見を巡って、炎上するような呑気さが、この国には満ちている。続きを読む投稿日:2023.04.22
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文中にもあるが「宇宙に携わるお仕事って夢やロマンがあっていいですね」って、私含め皆言いがちだが、その時その時の政治(国内、国際)バランスによって、また仕事成果によって予算などもみくちゃになる過酷な現場…なのだった。
本来、「いつか来るであろう地球脱出の必要」のために、国を超えて人類知恵を出し合って技術開発進めるべきだが、各国の私利私欲でままならない現状。宇宙ロケット=軍事ミサイルという力の誇示。人類が生んだ宇宙ゴミの後始末さえ解決できない。
私達が自分事として関心をより一層持たねばならん
。自分たちの身の安全のためにも。続きを読む投稿日:2023.09.01
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