本屋という仕事
三砂慶明(編集)
/世界思想社
作品情報
本屋は焚き火である――本と人が集い、直接触れあえる場所、本屋。なぜ人は敢えて本屋をたずねるのか。書店員は仕事に何を求め、自分の個性をどう生かし、どんな仕事をつくっているのか。本屋という仕事から見える、新しい働き方の形。
▼本文「序」より
この企画をすすめるにあたり、最初、脳裏に浮かんだのが、定有堂書店の奈良さんの言葉でした。私が定有堂書店でお話を伺っていて印象的だったのは、「本屋は焚き火である」というお話でした。
一冊一冊の本には、それぞれ著者の熱がこめられていて、それがまるで焚き火のように読者を温めている。焚き火は暖かいからまわりに人が集まってきますが、みんなが火にあたりに来るだけではいつか消えてしまいます。でも、来る人がそれぞれ薪を一本ずつ置いていけば、火は燃えつづけることができるのだと奈良さんに教えていただきました。私たち本屋は本を並べることで、読者は本を買うことでお互いを支えつづけています。私は奈良さんの言葉を聞いて、はじめて自分の仕事を通して何か世の中の役に立っているのかもしれないと実感することができました。
私たちの生きている世界は、私たちが積み重ねてきた仕事の上に成り立っています。私たちが住む家も、着る服も、食事も、誰かの仕事の結果です。私たちは生きている時間の大半をそれぞれの仕事に費やしています。だから、良い仕事をすることは、より善く生きることと密接につながっています。私は本屋で働いているので本が中心ですが、本屋の仕事について改めてもっと深く知りたくなりました。尊敬する書店員の方たちは、なぜ本屋を選んだのか。働くことを通してどんな価値を生みだしてきたのか。本への愛憎。本棚の耕し方。お客様との対話。お店を成り立たせるためのマネジメントについて、書店員の先輩方にたずねてみることはきっと、ほかの職業にも通底する本質的な問いだと信じています。
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商品情報
- シリーズ
- 本屋という仕事
- 著者
- 三砂慶明
- 出版社
- 世界思想社
- 書籍発売日
- 2022.06.20
- Reader Store発売日
- 2022.06.17
- ファイルサイズ
- 15.4MB
- ページ数
- 216ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (14件のレビュー)
-
本を売る人たちを書いた本書を図書館で借りて読むのはちょっと後ろめたいものがありましたが…。
***
しかし!本書はそんな狭い了見ではなく、全国の本屋さんの熱意と、本への大きな愛で包みこんでくれました。…
中でも注目したいのは、田口さんという人が作った、一冊からでも本の取次ができる「ホワイエ」という仕組みです。これは取次の革命と言えるのではないでしょうか!?
本は「どこの本屋で、誰から買ったか」が大事、という言葉も印象的でした。
最近知ったのですが京都にある恵文社さんみたいなところだと、同じ本でも買った嬉しさが一味違うような気がします。(行ってみたい)
***
ブクログのレビューを読んだ誰かが、その本を気に入って一冊でも本を買ってくれるかも知れない。
そう思えることはブクログの良さですし一つの理想ですが、生業として考えるときっと大変なんだろうなあとも思います。
今後も「薪をくべる」ことを考え続けて行こうと思います。そしてまた本を買います!
###
→再読記録に余談アリマス
出会い系サイトで本をすすめまくった
あの人が!
続きを読む投稿日:2022.09.23
書店員さんの話は興味深く魅力的。
家の近くにもいい本屋があったらいいのに。
そういえば独立系の書店で買った本は全部手放してない。出会い方って大事だし、覚えてるもんなんだなあ。
投稿日:2024.04.03
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