日本人の神道 ――神・祭祀・神社の謎を解く
島田裕巳(著者)
/ちくま新書
作品情報
古代から現代にいたるまで私たちの暮らしに深くかかわっている「神道」。だが私たち日本人は、「神道」という宗教の本質を本当に理解しているだろうか? 本書では、開祖もいなければ、教義もない、そして救済もない「ない宗教」としての神道の本質を見定め、その展開を追う。日本人が神道とどのように関わってきたかを明らかにすることは、私たち日本人の基本的な世界観や人生観を考えることにつながっていく。
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平均 3.5 (6件のレビュー)
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神道とはいったいなんなのだろうか、その謎に挑むのが本書である
・いったいいつ生まれたのか
・だれが始めたのか
・そもそも教義などはない、
・そして、聖典なるものもない、それに代わるものとは、古事記や…日本書紀に記された神話である。
現在、その問いに応えることができるものはいない。
歴史に見え隠れする、神道とは、本当に宗教なのであろうか。
気になったことは以下です。
仏教伝来は6世紀とされる、されば、それまでに神道はすでに成立していたのか
仏教と神道は融合して、神仏習合となった。儒教や道教も日本に伝わったが、独立した体系としては日本に定着することはなかったが、仏教や神道に影響を与えた。
もともと日本にあった神道を、惟神(かんながら)といい、古道などともいう。
日本の神を定義したのは、江戸の国学者、本居宣長であった。漢意(からごころ)を排することで本来の日本人の精神性を取り戻すことができると説く。
神道とは、非常にゆるい宗教である。神をまつる自由が確保されている。
宣長はさらに言う、人、鳥獣、草木、海山などであっても、優れた徳のあるものは、全て神である。
禍つ神、神は悪をもたらすもの、天照大神も悪をもたらす神であったからこそ、都から遠ざけれた、伊勢に遠ざけられた。
神道には、祈りの言葉はない、神にまいるときは、何もいわず、何も考えないで、手を打ち、頭を下げる
神の本性、ご神体は、岩であったが、山となり、その山を代表する宮が作られて、神社へと変遷していく。もともと神社には社がなかった。
玄界灘に浮かぶ、沖ノ島、そこで、古代から、秘密の祭祀が行われてきたことはまぎれもないことである、が、その内容は今日まで伝わっていない。
沖ノ島に命がけで島に到達して祭祀をしてもどる、命を賭してまで行ったものは何か、それはわからない
魏志倭人伝の卑弥呼、神がかり、の巫女。神の言葉を継ぐのは、シャーマンであり、それは、ユダヤ教などにもあった。
宇治上神社が、なぜ、世界遺産なのか、それは、本殿が最古の神社建築であるから。
厳島神社の由来は、推古元年、今の形になったのは、平家が氏神となってから。
登呂遺跡にのこされた高床式の建物、それは、伊勢神宮の正殿をもとにしたものであることは明らかであるといっている。
目次
はじめに
第1章 神とは何か
第2章 祭祀に現れる神
第3章 神はいつから神社に鎮座しているのか
第4章 神宮の式年遷宮はいつはじまったのか
第5章 出雲大社の生き神・国造
第6章 神道と仏教の戦い
第7章 社殿のない神社
あとがき
ISBN:9784480074867
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:860円(本体)
発売日:2022年06月10日続きを読む投稿日:2023.08.25
神聖とされた磐座(いわくら)から山のような巨大なものが祭壇になり、社殿が建てられることで神職の立場を守るとともに神を閉じ込めた。逆に磐座は開かれたものとなった
社殿がない時代は沖ノ島で天照大神と須佐之…男による誓約(うけい)が再現されていた
八幡宮は当初は渡来人が祀っていたが、15代天皇応神天皇を祀るようになった。その後に源家が氏神として祀ることで武士の神となった
仏教は解脱は可能だが、祟りを収めることができない主教であったため、菅原道真(雪冤の神)などの祟は神道で収めている。また、徳川家康などの特の高い人物や靖国の英雄なども神道で祀っていた。靖国神社は現在は政教分離の影響から浸透ではなくなった
天理教は中山みきの神憑かれによって始まった
昔の参拝は地面に頭をつけてしていた。浸透の場合は参拝中に特定の神を考えることがない
大化の改新以前に国造として任命さてていた出雲国造は、現人神として存在している
伊勢神宮は天照大神を祀っているが、祟を起こすほど強大な力のため天皇に参拝されていなかった
続きを読む投稿日:2024.05.06
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