未来の図書館、はじめます
岡本真(著)
/青弓社
作品情報
地域のハブとしての役割や知のアーカイブとして図書館への注目が年々高まり、各地で多くの計画が立ち上がっているが、実際の「図書館のはじめ方」は未整備な部分が多い。
多くの図書館の整備・運営の支援に携わり、多岐にわたる図書館をプロデュースしてきた著者が、みずからの経験に基づいていま必要とされる図書館整備の手法を惜しみなく紹介する。
図書館計画の読み方をはじめとした準備、図書館整備と地方自治体が抱える課題や論点、図書館整備の手法である従来方式/民間活用方式の長所と短所、具体的な進め方とおおよそのスケジュール――。
「どのように市民の意見を集約するのか?」「選定される事業者は?」など、よくある疑問への答えも簡潔にまとめ、図書館整備の勘どころをコンパクトに紹介する実践の書。図書館員や行政の担当者は必読。
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商品情報
- シリーズ
- 未来の図書館、はじめます
- 著者
- 岡本真
- 出版社
- 青弓社
- 書籍発売日
- 2018.11.02
- Reader Store発売日
- 2022.04.15
- ファイルサイズ
- 22.8MB
- ページ数
- 210ページ
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この作品のレビュー
平均 2.5 (4件のレビュー)
-
図書館をプロデュースする考え方や手法が惜しみなく紹介されている図書。特に「施設整備」「図書館整備」が中心。「図書館運営」はあまり中心ではないということだが、つながっていくので公共図書館の運営において勉…強になる。ARGの手法が惜しみなく紹介されている。続きを読む
投稿日:2018.11.05
このレビューはネタバレを含みます
図書館は私たちの社会では「公共の福祉」や「共通善」として語られる普遍的な価値に関わるからです。民主的な社会では少なくとも、私たちは自身の考えや思いに基づいて、適法な範囲で自由に生きられます。(p.8…5)
レビューの続きを読む
図書館は、人々の「自由と権利」を保障する機関です。特に公共図書館は、経済的格差や思想的立場の違いにかかわらず、誰にでも開かれた場です。相応のコストをかけたとしても、社会的に「自由と権利」を維持するためには、図書館は欠かすことができないのです。(p.86)
原研哉(グラフィックデザイナー)「デザインとは、ものづくりやコミュニケーションをとおして自分たちの生きる世界をいきいきと認識することであり、優れた認識や発見は、生きて世界を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ」と書いている。
クラウス・クリッペンドルフ(ペンシルバニア大学教授)「デザインとは物の意味を与えることである」(p.166)
私はこの曖昧さ、定義づけの困難さ、そして多様な解釈と考えの共存性こそがデザインの本質を示していると思っている。さらに言うと、この曖昧さがデザインの大切な武器だとも考えている。(p.167)
佐藤は『無くならない』で、「わたしにとってデザインとは、制作する立場であれ使う立場であれ、何かの波に乗るような、しかも見事なサーファーのようにではなく、泳いでみたり浮き輪を使ってみたり、常に移り変わる行為として、あまり大事にしすぎないほうがいい感じのものなのです。大事にしないと言うのはおろそかにすることではなく、大事にしすぎないことを大事にするような」と記している。(p.168)
こうした、私の青春時代までの図書館での体験で共通しているのは、それぞれのライフステージにおいて、一生かかっても読みきれないほどの無数の本に圧倒される瞬間との邂逅です。歴史、人間、科学、美術、世界、そして宇宙……。それら人間の知の営みが収められた本が、眼前にくまなく広がる瞬間を目の当たりにしたとき、人は世界の広さや知識世界の深さを知ることができます。この知的衝撃に遭遇する体験を提供するというのは、図書館、さらには本そのものの非常に重要な機能だと思います。(p.202)
圧倒的な量の書物に出合う経験は、自分が知っている知識・情報世界を押し広げます。「世の中は知らないことばかりだ」「この世界では、バッタについてだけで本を書いている人もいるのか」といったことに気づくことができる唯一の機会です。そして、図書館はそうした経験を守り、受け継いでいく「知」の番人なのです。(p.203)続きを読む投稿日:2019.10.02
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