辺野古入門
熊本博之(著者)
/ちくま新書
作品情報
普天間基地移設問題の最前線としての名護市辺野古――。しかし、そこには地域の歴史があり暮らしがある。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるのか、普天間基地移設の候補地としてなぜ辺野古が浮上したのか、「条件つき受け入れ容認」とはいったい何を意味するのか。二〇年にわたり現地でフィールドワークを続ける社会学者が、親愛の情を込めて描く、辺野古を知ってもらうための初めの一冊。
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この作品のレビュー
平均 4.6 (7件のレビュー)
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沖縄についてあまりにも浅い知識しか持ち合わせておらず手にした本。観光で3度、仕事で1度訪ね、いくらか文化や歴史を学んだが、やはり通り一遍の知識だ。沖縄返還50周年の節目の年を迎え、偶然にもこの春に那覇…市から移住してきた仲間ができた。かの地をもう少し深く学ぶいい機会に思う。ここでは我々が傍観する普天間基地の辺野古移設問題をめぐり、地元島民の極めて複雑に揺れる胸中の一端を知る。まとめにあるように、反対の意思表示は無視され、賛成という選択肢しか認められない辛さ。それによる責任の転嫁。どう寄り添うべきか考えたい。続きを読む
投稿日:2022.12.06
2022年の年明け早々に初めて沖縄に行った。そのとき、関東から移住して辺野古の埋め立てに反対する活動をしている人に周辺を案内してもらった。それはそれでびっくりするような景色や現実はこうなんだという話を…聞いたものだけど、それはそれで一面しか見ていなかったと、この本を読んで思わされた。
著者は長らく辺野古でフィールドワークを続け、辺野古地区の様々な立場にある住民たちともけっこうなつき合いがある様子。自分はてっきり、辺野古の人たちは基地移設に反対していると思っていたんだけど、それはとても浅薄な考えだった。
かといって、辺野古の人々が諸手を挙げて移設に賛成しているなんてこともない。事はもっと複雑で、もともとキャンプ・シュワブがあった辺野古は、米兵たちとも関係をつくりながらそれなりにうまくやっていた。そこにつけ込んだのが基地の県内移設を目論んだ国だったというわけ。
辺野古の人々は、米兵ともわりと良好な関係を築いてきた歴史があり、基地を受け入れることで経済面などが助かることも知っている。だから辺野古の人々は、もちろん基地ができないのならそれが一番だけど、かといって一番に固執して不遇をかこつよりは、次善を受け入れる覚悟もしていた。考えてみれば、それが処世の術だろう。だから、名護市長選だって、基地反対派がなったり反対派でない人がなったりする。周囲から反対を叫んでいられる立場とは違うわけだ。これが現実、渦中にある人たちなのだ。
辺野古問題というと発言する人はどうしても、反対派かそれに異を唱える人かになってしまう。それに対して、この本は基本的には辺野古への基地移設を望まないとしながらも、冷静に辺野古とその周辺の多様な姿を紹介してくれる。そしてこの言葉も至言。
「同じ沖縄県内に新たな米軍基地を建設しなければ、普天間基地の返還はなされない。これが「沖縄の基地負担の軽減策」として位置づけられてしまったことが、問題がここまで長引いていることの根底にあることを、ここで改めて確認しておきたい。」(p.79)
それなのに、論点がずれてしまっている。わざとずらされながら、じりじりと埋め立てが進んでいたりする。のれんに腕押しの政府の不誠実さもひどいもの。また一方で、反対派も沖縄を、辺野古を平和や自由に向けて啓蒙しようとしてはいないか。そういういささかの傲慢さがあるように感じた。そんなことしなくても、沖縄の人たちはちゃんと地に足をつけて考えている。続きを読む投稿日:2023.07.20
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