日本水商売協会 ──コロナ禍の「夜の街」を支えて
甲賀香織(著者)
/ちくま新書
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2020年4月9日。日本水商売協会代表理事の甲賀香織は、銀座や歌舞伎町のクラブ経営者らと共に、自民党本部を訪れた。新型コロナウイルス感染症対策として行われる様々な助成から、接待飲食業──水商売を除外する方針に抗議するためだ。「水商売が一般企業と同様に、ビジネスとして認められるようにしたい」「働く女性たちが色眼鏡で見られないようにしたい」こんな思いで設立された日本水商売協会が、思わぬ形で注目された瞬間だった。コロナ禍で明らかになった差別から、成長産業としての魅力まで、知られざる水商売の世界を描く。
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この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
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『日本水商売協会』のPR広報誌といった内容であるが、思いのほかの読み応えはありました。
まずはじめに、本書においての『水商売』とは‘接待飲食業界’すなわち「クラブ・キャバクラ・スナック・ショーパブな…ど」(p9)の事を指すものであり、「ソープランドやデリバリーヘルスなどのいわゆる「ふうぞく」」(p81)とは区別して扱っております。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」でもこれらは別物として規定されていますが、いかんせんこの法律時代がかなり古びている感じはあるのでグレーゾーン、抜け穴だらけだなという印象は否めません。
あの頃は、知事も医師も猫も杓子も口にしていた‘夜の街関連’というキーワード。この本を買ってから一年半くらい寝かせている間に世の中の様子もまた随分と変わりましたが、‘夜の街’に対するイメージには変化があったでしょうか。
さて、今から10年ほど前の「女子中学生がなりたい職業ランキング」にキャバ嬢・ホステスがランクインして話題になった事がありましたが、確かに一昔前には『お水の花道』『都立水商!』『ユダ』『夜王』『嬢王』etc.と、水商売を扱ったメジャーな漫画・小説作品が多数ありまして普通にドラマや映画化までされていました。
それ以前の事について調べると、『AERA dot.』の2018年9/2の記事「キャバクラの成り立ちは女子大生が仕切った不夜城」(https://dot.asahi.com/articles/-/115386)にわりかしわかりやすくまとめられておりました。どうやら社会的に‘素人ブーム’というタームがあったらしく、85年の流行語大賞にて「キャバクラ」が‘表現賞’なる賞を受賞するくらいの絶頂期を迎えたこともあったようです。何を表現したのかは定かでありませんが、世相や時代という事でしょうか。そこから時代が進むにつれて地下アイドル・インディーズアイドルの隆盛を経て個人による発信の時代、ライバーの時代を迎えます。
こうして色々考え合わせていくと、『水商売』自体の認知度合い・存在感は決して低いものではなかったはずです(好感度とはまた別として)。が、今現在の‘夜の街’に対するイメージは些か微妙です。いっときはホステス・ホストの多様化、即ち高学歴だったり意識の高い人だったりが従事している事がニュースで報じられたりもしましたが、直近では未成年顧客に対する苛烈な売掛金問題が取り沙汰される等、またもや違う逆風が吹いている感じです。
詰まるところ、風営法自体が曖昧なように管轄行政・経営者・従事者それぞれですら曖昧にしている部分がある意味で‘接待飲食業界’の魅力(と汚点)を備えている以上、協会および著者である甲賀香織代表理事が掲げる高い理念・クリーンな意識を業界に浸透・啓蒙させていくのは並々ならないミッションであるだろうと感じましたし、グレーでダーティーでスモーキーな部分が薫るからこそ顧客は‘大人の遊び・火遊び’をしている感を楽しめる、という面は実際あるのだろうと思います。
いや、客の質も落ちているというか変化しているんでしょう。銀座で遊べる余裕がある人の数自体減っているんでしょうし。
非常にわかりやすく接待飲食業界を紹介されているので他業界も他山の石とすべき部分はあるのかなと思いつつ、想定メイン読者層をどこに置いたのかが今ひとつピンと来ない本でもあるなと思いました。
1刷
2023.12.23
私もわりかし信じていましたが‘カウンター越しは接客、横に座ったら接待’は都市伝説だったんですね。そりゃそうか。
同じ店舗内でもVIPルームは別法人で届けを出しているとか、奥が深くてそういうのちょっと好き。
2023.12.24 追記
続きを読む投稿日:2023.12.23
まじめに法定通り水商売に取り組んでいる人たちが色々な差別を受けながらも前向きに業界を良くしようと行動している話。正直者が損をみるという実状は他の業界でもザラにありそう。第4章の業界人のエピソードはおも…しろかった。続きを読む
投稿日:2022.07.14
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