史記 武帝紀(六)
北方謙三(著者)
/時代小説文庫
作品情報
前漢の中国。武帝・劉徹の下、匈奴との激しい戦いが繰り返され、無謀とも思える戦の末に力尽き降伏した李陵は、軍人として匈奴で生きることを誓う。一方、匈奴で囚われの身となり北の地に流された蘇武は、狼とともに極寒を生き抜き、自らの生きる理由を問うのだった。彼らの故国では、忍び寄る老いへの不安を募らせる劉徹の姿を、司馬遷が冷徹に記す。そして、匈奴の最精鋭兵を指揮する頭屠が漢軍を追い込むなか、李陵と蘇武は、宿星が導きし再会を果たす。北方版『史記』、佳境の第六巻。(解説・末國善己)
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商品情報
- シリーズ
- 史記 武帝紀
- 著者
- 北方謙三
- 出版社
- 角川春樹事務所
- 掲載誌・レーベル
- 時代小説文庫
- 書籍発売日
- 2014.02.18
- Reader Store発売日
- 2022.09.01
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 411ページ
- シリーズ情報
- 全7巻
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この作品のレビュー
平均 3.7 (12件のレビュー)
-
「読み終えたぞ、桑弘羊」
「今上本紀まで、でございますか?」
「そうだ。太初年間の俺のことまで、これでもかというほど書いてある」
「お怒りになっては、おられないようにお見受けします、陛下」
「ほかの帝…の記述は、見事であった。俺が気になったのは、俺だけが、ある感情にもとづいて書かれたのではないか、ということだった。司馬遷を、見くびったものよ。ほかとまったく変わりなく、俺の強さも、名君たるところも、いや凡庸さや愚かさや弱さも、はっきりと書かれている。俺がいて、俺を読んでいる。俺はそういう思いにとらわれ、昨夜はほとんど眠れなかった。そして今日になっても、どこにも不快なものはないのだ」(312p)
その後、武帝は父親の孝景本紀と今上本紀のみに不快を示して破棄を命じた。司馬遷は、それは「自分でも気づかぬまま、抱いた」武帝の死を願う気持ちを見抜かれたと思い、却って喜ぶのである。
司馬遷の今上本紀は武帝の無味乾燥な儀式のみを描いて全く面白味がない。おそらく、書き直したモノだと思う。
ここで、北方謙三は「司馬遷は武帝に復讐をするために史記を書いたのではないか」という説や、武帝は司馬遷の史記を読んでいないか、内容を理解していなかった、という説を尽く否定した。
司馬遷は自ら気づかないほどの武帝への「私情」をなくして、司馬遷としての「歴史」を書いたのであり、武帝はそれを理解した。となっている。それもまた、漢(おとこ)と漢の関係ではあるだろう。しかし、武帝はまだ列伝までは読んでいない。武帝は果たして「大苑列伝」を読んでも同じ感想を抱くだろうか。北方は果たしてそれを描くだろうか。それは最終巻を待たねばならない。
それと同じ漢と漢との関係は、この巻では李陵と蘇武の間でも描かれる。ただそれは中島敦「李陵」との比較で論じたいので、ここでは置く。
しかし、司馬遷の武帝への感情の変化、蘇武の武帝への感情の変化について、この巻では繰り返し繰り返し述べられる箇所があった。それこそが、わざわざ一巻をかけて武帝紀を書いた理由なのだろうが、冗長なのを感じざるを得なかった。蓋し、謙如不及遷。
2014年2月25日読了続きを読む投稿日:2014.03.05
ますます精彩を描く劉徹、かろうじて孫広と司馬遷が漢の魅力を維持している状態。
一方で頭屠、李陵をはじめ、匈奴の魅力は増すばかり。とりわけお気に入りは蘇武。
ついに次は最終第7巻、久々に北方ワールドにど…っぷりハマっているので、終わると思うと寂しい限り。続きを読む投稿日:2022.12.04
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